50 / 153
夕食からの王都の混乱
しおりを挟む婚約者3人による愛情に見せかけた暴行を受けた俺は、ダリルに綺麗にしてもらってから半日ほど熟睡した。目覚めてスッキリした頭で思ったのは、あれ?自分で浄化かけて綺麗にして、回復かけりゃ良かったんじゃね!?ってこと。馬鹿の知恵は後からって言うけどさぁ…。
夕飯は大人数だった。両親に婚約者3人。勇者パーティーのオーウェンとクラリッサとミナちゃん。クラリッサのパートナーのミュゲ嬢。ドラン将軍。
「……っ!やだぁ…/// なんかグレンくん、エッロ…!!」
エロい言うなミナちゃん。疲れてるだけだから!性的快感と覚悟が噛み合ってないから精神的にはぐったり疲れてるのに、飢えてた体に魔力(えいよう)を無理矢理に突っ込まれたような感じ。腹は膨れてるのに心が荒んでる。
みろ。変なこと言うからドラン将軍が赤くなって俺から目を逸らしたじゃん!純情なオッサンにおかしなこと言うな。
夕食に舌鼓を打ちながら王都の様子をドラン(元)将軍が報告。
案の定、大混乱らしい。ざまぁ。
今後高騰するだろうナイトレイ産の素材や食糧、魔石に魔道具を買い漁ろうにもレイモンド商会が出荷制限かけてるしね。王都の物価はナイトレイ産の商品の買い占めに釣られるようにして高騰中。じゃあ他の領から買えばいいじゃん?って思うよね?でも俺が品種改良しまくった素材に舌が慣れちゃってるからね。
あの馬鹿馬鹿しい『真実の愛』に脳が誤作動起こした馬鹿どもは、あっちこっちで別れてくっついて。離婚されたり婚約破棄起こされたり、実家から放逐されたりの魔王討伐の時の兵士たちが挙ってナイトレイに移住希望してるらしい。ドラン将軍(……もうドランさんでいいか)が離婚されて将軍職を辞してナイトレイに移住するっていうのが下級兵士大量移住の影響だね。
ドランさんは生まれこそ平民だけど、その腕っ節から元奥さんの祖父である前将軍に望まれて婿入りしたのにね?元夫人、ドランさんを捨ててくれてありがとう!って今度あったら笑顔で言おう。もう会うことはないんだろうけど。
レイモンド商会は王都の仕事をそのままマーキュリー商会のお兄さんに引き継ぐ。
以前から、レイモンド商会が飛ぶ鳥落とす勢いで利益をあげたのを、めっちゃ文句言われてたらしいよ。今回のもナイトレイ家との取り引きを全部寄越せってアホなこと言われたらしいけど、レイが俺の婚約者になることで黙ったらしい。っていうか、うちの兄ちゃんが口を出した。だって弟の婚約者だもん。もうすぐ『妻』だもんね?
王都のレイモンド商会の顧客をレイのお兄さんはごっそり貰えるんだけど、果たして儲かるのかね?お兄さんはそのまま仕入れルートも貰えるんだって思ってるだろうけど、幼馴染みじゃない奴に新商品とかレシピとか安価で渡すわけねーだろ?俺のいままで作った魔道具はレイモンド商会との共同開発ってことになってる。今後はレイモンド商会の王都での事業をマーキュリー商会引き継ごうとも、俺とマーキュリー商会との共同開発はあり得ない。ぶっちゃけあのお兄さん俺を見る目付きがキモいから一緒に居たくない。
勇者アルヴィンを含む勇者パーティーがナイトレイに移住するのも不安が広がっている。勇者パーティーの魔術師クラリッサを王太子エグバードが平民と蔑み斬りつけた。それなのにエグバードは謝罪のひとつも無かったらしい。王家としては平民に頭を下げられないってのはわかるけどね?「私の女を下賜したんだから手打ちなのだ」と。
……馬鹿だねあいつ。クラリッサとミュゲ嬢のことは今回の魔王討伐の褒賞だし、デウスさんがオッケー出した恋人同士なのにね?しかもそのエグバードの態度を肯定したのが神殿だからさらに付け上がってるらしい。神殿としては王家に胡麻擦っておきたいってのはわかるんだけどねぇ?しかも俺の『聖者』の称号も剥奪する方向で話が進んでいるとか。良いけど。だって破門されたってドーン神殿にはもう行かないし、お布施もナイトレイの教会にするし。
この事でデウスさんお怒り。「あまりに不義理である!」とかいって神託で叱ろうと思ったけど、あそこ今デウスさんの神託を受けれる信心深い信者居ないんだってさ。わー、それってどうなの?……俺知らね。
97
お気に入りに追加
3,497
あなたにおすすめの小説
社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈
めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。
しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈
記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。
しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。
異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆!
推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 独自設定、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
【完結】もふもふ獣人転生
*
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。
ちっちゃなもふもふ獣人と、攻略対象の凛々しい少年の、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です。
本編完結しました!
おまけをちょこちょこ更新しています。
第12回BL大賞、奨励賞をいただきました、読んでくださった方、応援してくださった方、投票してくださった方のおかげです、ほんとうにありがとうございました!
学園と夜の街での鬼ごっこ――標的は白の皇帝――
天海みつき
BL
族の総長と副総長の恋の話。
アルビノの主人公――聖月はかつて黒いキャップを被って目元を隠しつつ、夜の街を駆け喧嘩に明け暮れ、いつしか"皇帝"と呼ばれるように。しかし、ある日突然、姿を晦ました。
その後、街では聖月は死んだという噂が蔓延していた。しかし、彼の族――Nukesは実際に遺体を見ていないと、その捜索を止めていなかった。
「どうしようかなぁ。……そぉだ。俺を見つけて御覧。そしたら捕まってあげる。これはゲームだよ。俺と君たちとの、ね」
学園と夜の街を巻き込んだ、追いかけっこが始まった。
族、学園、などと言っていますが全く知識がないため完全に想像です。何でも許せる方のみご覧下さい。
何とか完結までこぎつけました……!番外編を投稿完了しました。楽しんでいただけたら幸いです。
【第1章完結】悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼第2章2025年1月18日より投稿予定
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~
朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」
普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。
史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。
その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。
外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。
いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。
領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。
彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。
やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。
無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。
(この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる