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移住からの婚約者

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兄ちゃんたちが帰ってきた。

っていうのは、アルヴィンにクラリッサ、オーウェンもなんだけど。ついでにミュゲ嬢も居る。クラリッサ、うまくやったみたいだね。あれ?ミナちゃんは?

オーウェン曰く、ミナちゃんはらしい。またエルトリアとかカムデンズとかでコミケっぽいのがあるんだろう。壁サーは大変だよね!


「ドラン将軍は近日中に移住するそうだ」


えっw 熊将軍も?


熊将軍、離婚したってさ。


えー、マジでー?

王都は今、空前の『真実の愛』離婚ブームらしい。

王都が主導して『エグバード王太子とマーガレット姫』の話を美談として広めてるのが原因。夫だった聖者グレンはマーガレットを愛していたから白い結婚を貫き、マーガレットとエグバードの真実の愛を認めて身を引いた……らしいよ?良かったね!麗しいね!絶対その爽やかな聖者さんって俺じゃないよね!?

あとは戦勝祝賀会のクラリッサとミュゲの麗しい百合を目にして、新たな扉を開いちゃった人とか居るそうで。デウスさんが祝福したらしいからね。グッジョブデウスさん。


「え~と、グレン?デウス様がグレンによろしく…って。デウスサマノオカゲデワタシタチハムスバレマシタ」


えっ、クラリッサ。後半カタコトだよ?www


さて、今後のことで夕飯をとりながら話し合うことになった。

オーウェンとクラリッサとミュゲ嬢は、取り敢えずで取っている宿に帰って行った。えっ?なんでアルヴィンは行かないの?幹部候補なの?やるなあ兄ちゃん。勇者をスカウトして帰ってくるとか。

食堂にはうちの家族とアルヴィン、レイも来た。ははあ…レイも幹部候補かあ。攻めるな兄ちゃん。


「さて、良い話から致しましょう。1月後に我がナイトレイの独立が決まりました」


ふんふん。これはもうみんな知ってる。


「それに伴い、元勇者パーティーとドラン元将軍、そして下級騎士が移住してくることになりました」


勇者パーティーの移住は最後の最後まで拒まれたらしいが、次期国王である王太子エグバードがクラリッサを斬り付け、追い討ちのようにグリグリやって罵ったことで決定打になったらしい。揉み消そうにもデウスさんが証人だし。馬鹿だねエグバード。こんなわかりやすい罠に引っかかりやがって。だがクラリッサを傷付けたのは許さん。死ね。


「そしてグレンが誓約させた『エグバードは今後一切グレンに関わらない』という燃料を派閥と第二王女派閥に投下してきました」


うんうん。兄ちゃん最高だね。俺の意図がよくわかってる。第一王子は側妃の子で、側妃の家の格も高い。王妃の子供である第二王子エグバードが立太子したけれど、火種は燻り続けている。第二王女は帝国の第5皇子だかなんだかと婚約しているが女王になる野望を捨てていない。

エグバードは独立するナイトレイの技術担当の俺と関われない。戴冠してもナイトレイに対する大胆な政策が取れない。だって技術おれに関する口出しが一切出来ないって事だもんね。そのへん突けば王子と王女はエグバードを引きずり落とすことも容易だ。エグバードあいつわかってたのかなあ。あの誓約書の内容で、まさか俺が特許持ってる魔道具が割高になるなぁとか、その程度しか考えて無かった……とか?まさかな!ハハッ!


「そして最後に。グレン、お前の婚約者を三人ほどので、明日にでも領内に告示する」

「……………???」









……………はい?







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