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炎上(物理)からのバーベキュー
しおりを挟むその日、ごうっと王都の一等地にある屋敷が燃えた。奇しくも『ブレイブリー・ドーン』のメインストーリーでこの屋敷が燃え、『闇の聖者グレン』という強いのか強くないのかという微妙な中ボスが爆誕した日であった。
あたりは延焼しないように聖魔法の結界で囲ってある。燃えてる屋敷の火でバーベキューやってすげえ目で見られた。うぜえ、貴族うぜえ。貴族街のバーベキューパーティーがそんなに悪いのか!?(悪い)
屋敷にあった年代物のワインとかタダで飲ませてやるって連絡してたら勇者パーティーを先頭に、結構な数の顔見知りの冒険者が集まった。魔王討伐の時の後方支援の兵士だったみんなもだ。後方支援の兵士は下級貴族とか分家とか平民とかばっかりだったから気楽でいい。普段はお目にかかれないだろう金額のワインを嬉しそうに空けてる。この国では高価な香辛料も使いたい放題だ。
好き放題やってるけど、まあ魔物肉持参だから許す。ついでに幼馴染のレイも来た。
「グレンの離婚記念日にかんぱーい!」
「「「「「「かんぱ~い!!!」」」」」」
てめえら楽しそうで何よりである。
「あっ!うめえ!ワインうめえ!このしゃ、とー…くい…きゅ……べ…あぶ………???とにかくうめえ!」
うん、安心しろ。俺も読めん。
「ねえねえグレン!お姫様と晴れて離婚してさあ、フリーなんだよねっ?あ、あ……あの!あのね!アタシ、ずっと前からグレンを良いなあって思ってたの!」
「ミナちゃん…(トゥクン…)」
ミナちゃんはSSSランク冒険者の転生者仲間だ。親友と言っても良い。ちみっこ童顔ながら美人だし巨乳だし実力派の暗殺者だ。魔王討伐の際は勇者パーティーで一緒に頑張った。みんながわかってくれない前世の話もいっぱいできたソウルメイツだ。しかも『ブレイブリー・ドーン』ではフレンド登録していた職業忍者の『MinA』だ。ゲームでもオフ会でも良く遊んだ。
「ねえグレン!ジェラルド様とアルヴィンとレイモンドくんとダリルさん、どれが本命!?アタシ、気になって夜も眠れないのッ!!」
そして安定の腐女子である。(白目)
「あー、あー、あー……うん、ミナちゃん。あー…えと……そう!これ!これね、レイの商会の新商品。甘酒と塩麹に漬け込んだワイルドボアのお肉だよ?猪肉。ジビエだよ。柔らかくなってるから、たぁんとお食べ?」
「わあい!ありがとうグレン!!」
ミナちゃんは巨大な樽(中身いっぱいの塩麹漬け肉)を抱えて炎に爆走した。
………ミナちゃんをデコレーションの妻に迎えるのはやめよう…。
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