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閑話:「其は安寧の闇」《ヴォルフガング副長視点》

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急激な虚脱感を覚えて露台に出る。

眼下の王都の灯りがひとつ、またひとつと消えていく。

ああ…こんなにも脆いのだと私は笑いたくなった。

神々の恩恵である加護。そして、加護によって発動するスキル。それに

これでは、私たちは飼われていたのと同じではないか。

不思議と絶望はない。

王都中の加護が失われてもなお煌々とあかりの灯るこの部屋の主人が笑っているからだ。

「髪をブローしてもらってて良かったわ~www」

そんなことを言いながらいつもの軍服に着替えたレオンハルト殿下は笑みを深くする。

美しく、獰猛で、冷酷な笑みだ。



「舐めやがってクソが」



ゾゾゾ…と得体の知れない感覚が爪先から頭の天辺まで這い上がる。

「アズ、名前をやろう。ホントはもっとちゃんとした感じでプレゼントしたかったんだけどね?ま、一応ずっと前に決めてた名前だから許せ?」

「恐悦至極に存じます」

常に傍にひかえる従者が膝を折った。

「其は安寧の闇。原初の***にして******の頂に位置する我が***に付き従いし****の*****」

異界の言葉だろうか。それとも私如きが聞いてはならぬ言葉なのか。聞き取れない部分が多い。




「名を****。我が威厳を示せ、暗黒の古龍!」









目を開けてもいられない眩い光の後、王都の上空に光り輝く巨大なドラゴンが出現した。












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