【異世界大量転生1】乙女ゲームの世界に来たようなので、MMO気分で満喫することにした

「美しさを追及する雌に何を言っても無駄です諦めてください」

スーツも仕立てたし、選手たちの仕上げも満点とまでは言わないが終わった。

王都の外れのなにもなかった演習場の周りには仮設の実行委員会本部とか警ら隊の詰め所とかなんだか色々建ったし、抽選で許可を出した通りには屋台用のテントがずらりと並ぶ。

桟敷席の売れ行きは上々で、一般席は無料だが生体パスにしている有料ゾーンは震えが来るほど高価で、王族と高位貴族用のゾーンは帝国側とうちの国に分かれていて招待客しか入れない。

でもまあ無料ゾーンでも巨大スクリーンのような魔道具で投影してるので問題無く観戦できるし、下手な有料ゾーンよりよほど盛り上がるんだろう。

良くもまあ短期間でこれだけのものを作ったよね！

つかやっぱり商人の経済力半端ねえwwwお金は寂しがり屋だからお金のあるとこにしか集まらないらしい。



そして前夜。

俺はおかしなテンションになってるヴィオレッタの侍女たちに囲まれて剥かれた。

俺は大体の世話は自分でやるかアズが先回りしてやってくれるので専属侍女は持っていない。持ってないからヴィオレッタが派遣したのだろうが……。

ちょ…ちょ……wwwって言ってる間に剥かれて良い匂いのする風呂に放り込まれ、洗うだけじゃないマッサージやら香油の揉み込みやら爪の手入れやら……。

すげーよヴィオレッタの侍女たちwwwあのアズに何にも言わせねえんだもんwww

訊くと、ヴィオレッタも今同じような状況らしい。



「ヴィオレッタ様もレオンハルト様も信じられませんわ！こんなにお美しいのにどうしてこう無頓着なんですの！？これは美への冒涜です！！」



あっ……www

察した。侍女軍団はヴィオレッタが派遣したんじゃなくって、勝手に雪崩れ込んで来たのかwww

ほっこほこになって風呂から出てきたら、風魔法で容赦なく髪をブローされる。ヤダ待って今夜は寝かせない気かよwww

「無造作と言えば聞こえはいいですが、明日の決戦に寝癖など有ればわたくしたち発狂しますから！寝る前から整えておくのが常識です！」

それってどこの常識！？

あまにがしぶすっぱいジュースを飲まされながら泣きそうになる。視線でアズに助けを求めると、非常にいい笑顔で「美しさを追及する雌に何を言っても無駄です諦めてください」と言われた。





本日は早めにお休みくださいね！とベッドに放り込まれた直後に副長から通信が入った。