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「リリィ、とお呼びください」
しおりを挟むリリアナ嬢は俺の嫁3号になった。2号に納得してないのに3号…っていうのはこの際置いておく。
とりあえず彼女の価値を上げるための嫁だから、結婚式もお披露目も無し。
んで、王宮からの使いが来て、伯爵は他国へ情報漏洩の罪で投獄。夫人のタレコミってことにして、夫人は女伯爵になった。
まあ、リリアナ嬢の弟が成人するまでの預かりだと本人は笑っていたが。
「上昇志向が高い方だとは思っていましたが……婚約者のある実の娘が寄ってたかって辱めを受けたというのに、よりにもよってその屑の愛人になれですって?ふふっ…あの人の頭の中には馬の糞でも詰まっていたのかしら?」
おこであった。あー、こわっwww
夫人改め女伯爵は俺に首を垂れ剣を捧げる。
「黒獅子殿下、ブランシェスカ伯爵家はこの血の最後の一滴までも貴方様に捧げましょう」
俺に、じゃなくて国家に捧げてね!?
そしてリリアナ嬢。
髪を切ってくれと俺に短剣を差し出したから、もー、パフォーマンスのつもりでやったよ。バサッと。
白百合を思わせる純白の髪は肩口でスパッと断ち切られ、使用人達が息を飲む。
「……リリアナ・ブランシェスカは死にました。わたくしはレオンハルト様にお仕えするただの女。リリィ、とお呼びください」
跪き、俺を見つめる金色の瞳は強い殺意を滲ませる。
一度死神に囚われた者は何度でも死のうとする。
だから、喉の治療と同時に恐怖とか絶望とか閉塞感とか……いろいろと『死にたくなる』感情を精神操作で封じたんだけど、余計な世話だったかもしれない。
「じゃあリリィ、ゴミは掃除しよう?」
「畏まりました」
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