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「因子回したって認識ある?」
しおりを挟むアズの答えを聞く前にお客さんが来た。
アリストの守護神に伝言を頼んでいた件だ。
部屋の中に光が満ち、厳かに鈴の音が響く。俺とアズ以外の時間が止まったかのように見えるが、時間停止とか言う魔法は実際そうじゃない。
世界を操作など、俺たちオリジンでも無理だ。
実際は世界が止まって見えるほど、俺たちの時間が引き伸ばされただけの話。
「……さて」
俺はアズから手を離し、鷹揚にソファーに座る。
「ようこそ、主神デウスさん」
御付きの神さまが殺気立つ。スルースキル検定失格 m9(^Д^)9m
「…よい。争いに来たのではない」
「そうそう。ケンカしにきたんじゃないでしょー?お話し合いなんだから」
話し合いと言う名の脅迫だけどなwww
「本日はお日柄もよく…ってやりたいとこだけど、めんどくさいからサクッといくね?俺は地球世界の主神のおつかいで、今回の件を一任されたレオンハルトという。んで?今回のクソ女神のしでかした件について、そちらさんはどう言う認識してんのかな?まーね、『やしろ』さん…うちの上司の言葉をお伝えするならさ、『些細なことだが因子を回してくれるならやっても構わない。だがそちらに流出した因子は速やかに返還せよ』だってさ?因子回したって認識ある?ないでしょ?ああ、幸せだね?俺みたいなバケモンが増えるってことだよ?良かったね!んでね?『やしろ』さんは温厚だから良いだろうけどね?俺はめっちゃ腹立ってるんだよね?俺の気の済むようにして良いって言われたから、滅ぼしたり乗っ取ったりも可能なんだけど、どうする?」
ハイ、ワンブレス!
ついでにもう隠すことなく『気』を垂れ流す。
『レオンハルト』の体が悲鳴をあげるが無視。壊れたら後で治しゃあいいんだよ!(超適当)
御付きの神さまの顔色が、青を通り越して土気色www デウスさんも唇が青いぞー?
もー、このくらいで動揺してたら『やしろ』さんと お話ししたら死んじゃうぞー?『やしろ』さんが汚れるから話なんかさせないけどね!
「あとさあ、因子持った転生者をそっちの神様にして取り込もうとするのやめてくれる?あれでしょ?『守護神』ってさあ、本来なら「気に入っちゃった!守ってあげる!」っていうような関係でしょ?今のあんた達さあ、なんか焦って『後継者』探してんだよね。あれって…因子を閉じ込めようとしてんの?それってさあ……ね?誰の提案だろうね?」
だとしたら、古い旧いオリジンたちの『おはなし』を知っている者がこの異世界に居る。うん、殺そう。
「………うん、話が逸れたね!でね!どうするって俺 訊いてるけどね、別に答えを出して欲しい訳じゃないから。俺が言いたいのは、落とし前で あのクソ女神を消滅させるからっていう確定事項の連絡と、俺が因子を回収して回る間は邪魔すんじゃねーぞ♡っていうこと。もうすでに龍に食われたり神様になっちゃったりのやつは狩るから。文句言うなよ?てめーらのケツを俺が拭いてやろうってんだから大人しく尻 差し出しとけ?」
よし!俺のマシンガントーク終了(*´ω`*)はあスッキリ
もうね、主神さんも御付きさんも灰になってるwww
あ、そうだ忘れてた。
「そうそう、あとね?コレも持っていくから」
俺は立ち上がってアズの顎を指で摘んだ。
「封印するくらい厄介だったんだろ?大量の因子食った龍って。まー、10年近く手元に置いたら愛着湧いちゃって狩るのは諦めたんだけど、俺のものにしてたら殺さなくても回収って事で」
多分、持って帰っても『やしろ』さんは笑ってくれるはず。…はず……。だったら良いな……。
「ハイ!んじゃー、おはなし終わり!お帰りください!」
俺はパンッと手を叩いて時間を戻した。
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