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閑話:「死神様は平等に訪れるのですよ」《名もなき転生者視点》

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「冗談じゃねえ!」

オレは声を荒げた。

楽に勝てる戦争だって聞いたから参加したんだ。

リアルにできなかった戦争。楽に殺せて、犯して、奪って、金まで貰える。

そう聞いたから参加したんだ。

なのにどうだ!?蓋を開ければ勝ち戦どころか全滅だ!

眼前に迫ってくる真っ黒い集団。

馬でうちの兵をゴミクズみたいに蹴散らし、踏み潰していく。

逃げ場は ーーー ない。



ああ、なんか知ってるぞこの感覚。



格下だと笑ってた奴がいきなり牙を剥いて食らいついてくる。油断ブッこいてたら虫1匹通れないくらいに完全包囲されている。

しかもこの士気の高さ。異様だろ。気持ち悪ィ!

アイツらに似てるんだ。

『ロストワールド』の『レミングス』。

1人1人は目立たない奴らなのに、標的を定めた時から なり振り構わず突き進む。

先代の時は縁側で茶ぁ啜ってるようなクソザコばっかだったのに…!



真っ黒い嵐にも見える集団の先頭。

角を生やした馬に乗った男と目が合った気がした。

ゾゾゾ…と頭の天辺から爪先まで怖気が走る。

そして、何故だか確信した。



「あっ…あ、あ……カズマ……!!」



奴だ。

『レミングス』の3代目のカズマ ーーー だ。

奴もこの世界に来てやがった!!



悪夢が蘇る。

何度も蹂躙された。

全世界のプレーヤーが掲示板で何度も対策を練った。

研究し尽くされた。

けれど勝てなかった。



 ーーー 奴らがプツリと居なくなるまで。




「カズマ!!やめてくれ!お前の軍に降る!!殺さないでくれ!!」




死にたくない!!



ここはゲームじゃない。

怪我も病気もすれば辛いし、刺されれば死ぬほど痛い。

死ぬ ーーー んだ。

死ぬんだ。死んだら生き返ったりできない。

死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない!!

オレは逃走を図る。



 ーーー だが。



がくり、と足が何かに引っかかった。



……自分だけ、生きる、の………?



血溜まりから女がオレの足を掴んでいた。

ああ…、オレが最初に殺した女だ。オレの……この世界での、姉、だった。

犯して、殺して、埋めた。姉ちゃんだった。



死にたくないよね?そうよね?



駆け出しの冒険者の女が腰元に縋り付いた。オレが騙して犯して殺した。



信じてたのに。



かつての親友が言った。豪商の娘と結婚が決まっていた。事故に見せかけてモンスターに殺させた。



ああ……、ああ、ああああああああああああああああああああ!




無数の亡霊たちがオレに縋り付く。

もう顔すら覚えていない奴らもいた。



やめろ。やめてくれ!

仕方なかったんだ。こんな世界で生きていくのは。

仕方なかった。そう。オレは悪くない!!

オレは選ばれた転生者だ。お前たちとは違う!オレは選ばれた……。


「死にたくない!カズマ!死にたくないんだ!カズマアアアアアアァァアァァァアァァ!!」



死神様は平等に訪れるのですよ。わたくしにも、貴方にも。



瀕死のオレを介抱してくれたシスターが泣いていた。オレが小金のために殺した。反吐がでるほどお綺麗な女だった。




「じゃあ、死ね」




眼前に黒い一角獣が迫る。

オレはカズマにもうい


























ぐしゃり。












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