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閑話:「私はぴゅあ♡らゔになった」1《純恋視点》*胸糞性的虐待表現があります

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*胸糞性的虐待表現があります。苦手な方は回れ右。

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前世の私は虐待されて育ったらしい。

『らしい』というのは、子供だった私がその虐待に気付かなかったからだ。いわゆるネグレストだった。

そして、学校で親身になってくれていた先生にイタズラされて発覚。大騒ぎになった。

淡い恋心を抱いていた先生にキスをされ、裸に剥かれて胸やらを弄られ、大きな性器をしゃぶらされ、まだ初潮もきてないあそこを指で掻き回されて悲鳴を上げて暴れた。

先生のマンションに通報を受けた警察が駆けつけた時、私は素っ裸で首を絞められて気を失っていたらしい。

連絡がつかない私の母親、私が唆したと罵る先生の親、ニヤニヤ笑う警官。……気持ち悪い…!

吐いて、倒れて。気が付いたら綺麗な女の人が側にいた。

女の人は母親の妹だった。私が自分の母親のことを『お母さん』などと呼べないのは、気持ち悪いから呼ぶなと言われていたからだ。

母親の妹 ーーー 純恋さんは ちょっと変わっているけど優しくて綺麗な人だった。

バカだね、あんな学校なんか行かなくて良いよ。私の側にいて、ごはんとか作ってくれると嬉しいな!あ、一緒にゲームとかするかい?

作家だった純恋さんは、私をそれはもう可愛がってくれた。お風呂の入り方も料理の仕方も、勉強だって教えてくれた。私が作った不恰好なおにぎりを、美味しい美味しいって食べてくれた。何が善くて何が悪いのかを教え、笑い方も泣き方も教えてくれた。

さっちゃん、私のことママって呼んでみてくれるかい?

そう言って抱きしめてくれた。

純恋さんはいわゆる腐女子で、腐は私にも伝染した。

男女の恋愛は漫画といえど怖かった。物語の中で両方が男性だったら、これは私じゃないと安心できた。

中学生になった頃。私はやっぱり学校には行けなかったけど、純恋さんが「遊んでいいわよ」って言って貸してくれたアカウントでMMORPGを始めた。

純恋さんのアカウントでインすると、そこはギルドハウスで、事前に純恋さんから連絡をもらっていたというギルドマスターが笑顔で出迎えてくれた。どうやら純恋さんは一度引退宣言をしていたが、限定課金アバターが勿体無いから姪っ子に譲った、と説明していたらしい。

私は『ぴゅあ♡らゔ』になった。

怖くて外に出れない引きこもりの私は、MMORPG『ロストワールド』を駆け回った。バーチャルリアリティの世界では私のことを誰も知らない。男の人も、女の人も怖くない。なんてステキ!

そしてひとりのプレーヤーと仲良くなる。同年代くらいの、ギルドの子だった。プレーヤー名はカズマ。

メッセンジャーのアドレスを交換し、毎晩一緒に遊んだ。豪快に敵に突っ込んでいってよく死ぬ子だったけど、たくさん遊んで、たくさんおしゃべりした。

オフ会の話が持ち上がった時、行きたくないと思いながらも何故か会いたかった。どんな子か知りたかった。

純恋さんが付いてきてくれるっていうから、オフ会に参加した。

カズマは綺麗な男の子だった。王子様系っていうの?だからかも知れない。全然気持ち悪くなかった。ギルマスはやっぱりちょっと怖かったけど。

家に帰った純恋さんは「彼ならまあ大丈夫なんじゃない?」って笑った。

そして私の腐はカズマ ーーー 一眞さんに伝染し、同人誌即売会にも一緒に行くようになった。本屋にもファミレスにも行けるようになった。

でも、外を出歩くようになって、私はいろんな男の人に絡まれるようになった。走って逃げれれば良い。でも、最悪の人に捕まったことがある。

 ーーー 先生、だった。

あの時よりヒゲもぼうぼうで髪もボサボサ。だいぶ太ってたけど、先生だった。

「皐月くん」そう呼ばれて体がこわばる。

違う違う違う。私は『ぴゅあ♡らゔ』だ。純恋だ。皐月なんていう名前じゃない。腕を掴まれて頭が真っ白になった。音が消える。

怖い、怖い、怖い怖い怖い怖い怖い!!誰か!純恋さん!一眞さん!!

……………私はいつのまにか一眞さんに抱きかかえられていた。



「……おじさん、俺の彼女にそういうのやめてくれます?」



……ウワア…。

私は恐怖も忘れて一瞬だけ先生に同情した。

一眞さんの王子様フェイスに、この辺一番の偏差値を誇る私立中学校の制服。しかも後ろに綺麗な女の子がゾロゾロ付いてきてる。

腕を掴まれていた時に私は半狂乱で叫んだらしく、すぐに警察が来た。当然パトカーにご案内だ。

警察で先生は別室に連れていかれて、私と一眞さんは話を聞かせてくれ、と女性警察官が付いた。私が男性警察官を見てまた叫びそうになったからだ。

純恋さんが迎えに来てくれて、私は家に帰れる事になった。一眞さんは『じい』とかいうおじいちゃんが迎えに来た。




「あいつ、接見禁止だったはずなのに…!」と純恋さんが唸るように呟いていた。







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