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「火炎放射器くらいなら」
しおりを挟む「ヴィオレッタさんや、魔法はどこまで覚えたかね?」
すっかり貴族令嬢らしくなったヴィオレッタとの定期茶会。
ちょうど土産を売り付けに来たアリストも交えて3人での茶会のお茶は、なんと緑茶だ。
ああ、久々の緑茶の香りに癒される。
「広範囲はまだ無理ですが、火炎放射器くらいなら…///」
「ふむ…」
恥じらうようにヴィオレッタが言う。
火炎放射器。
直訳ならこの世界にない物体なのでナニソレだが、純恋くんの訳は違う。
直線上で魔法の届く範囲なら、雑魚は息をする事は赦さない。
そう言っているのだ。
うむ。さすが純恋くんだ。
彼女のMMOでの戦闘スタイルは
「向かってくる悪い子はぁ、み~んな灰になっちゃえ♡」
だ。
うん、なんだろうね、この狂戦士感。
だが残念なことに、何故だか生前の俺がギルマスやってたギルドは、こういう奴の集まりだったwww
付いたあだ名が『イナゴの群れ』とか『スタンピード』。
全くもって不本意だ。
「アリストは?」
「ええーなにー?僕、働かないよぉー?」
「そうなのか?残念だなあ。王家の森に手付かずのダンジョン見つけt……」
「やだなあ!早く言ってよレオ、僕たち友達だろ!水属性回復が使えるこの僕が付いて行ってあげるよ!あ、もちろんドロップ品は山分けだよね!王子様なんだからケチケチしないよね!?なんだったら全部僕に預けてみる!?倍にして返すからお金もちょうだい!」
手のひら返しが ものすごい。詐欺臭までする。しかも最後は金を寄越せ…と。
うん、どこまでいっても えーくんはえーくんで安心したよ。
「ダンジョン行くの!?装備整えなきゃ!」
ヴィオレッタも乗り気だ。この世界に来ての初ダンジョンだからね!
森の散策……ってことで申請はしている。護衛とメイドが付いてくるらしいが、撒いてやるつもりなので敢えて兄上の息のかかった奴らで固めてみた。
俺たちが居なくなって責任追及できるもんならやって見やがれwww
「あとなー、連れて行きたいのがいるんだが…」
「ん?」
「……実はな…」
「…………………」
騎士隊と魔法士隊のお粗末さを語った俺に、アリストとヴィオレッタはニンマリ笑った。
「そりゃ鍛えなきゃね!新人研修 久しぶりぃ~!」
「わぁ…僕の回復たくさんいるじゃない!割増料金だよ!」
バッファーが居ないのは仕方ないが、発掘してボチボチ育てていくしかないな。
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