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「もっとイージーモードだと思ってた」

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有能でチートな相棒を得た俺は、まず念話ができる小型通信機のようなものを3つほど作らせた。

え?人使い荒い?アイツ竜だから大丈夫!

俺とお前と副官が使うって言ったら納得したように、それぞれのイメージカラーの宝石までつけたピアスになった。

耳に穴開けなきゃなあ…と思ってたらアイツ、いきなりブスッと突き刺しやがった。児童虐待かよ!?俺、一応アイツの主人だよな!?

悔しいからヴィオレッタにも同じ方法で付けてやった。悲鳴をあげていたが、血を触媒にしてより省エネに効果が~とか嘘八百並べてやったら涙目で納得していた。チョロい。

邪竜を手に入れさえすればあとはイージーモードだ。




なんて思って時期が俺にもありました。

ここからが地獄だった。

自身の問題行動から『優しい虐待』をされていたレオンハルトは、貴族の作法もダンスも勉強も剣術も魔術も言葉遣いも美しい所作もアレもコレも……いっっっっっっさい!やっていなかった。

まじか。

王子様ってもっとイージーモードだと思ってたよ!

魔術なら私が!と胸を張るアズの案をぶった切り、俺は親父に平謝りしてもう一度教師を付けてもらった。やめろそのオヤツ貰えなかった犬みたいな態度俺は犬派でしかも大型犬択一だ可愛く思っちゃうだろう!

大体アズよ、お前の魔術っつーのは殲滅魔法とか極大魔法とか古代魔法とかだよな?こういうのは基礎からやんねーとダメなんだよ!あと最初から めっちゃできるやつに教えてもらったら俺の心が折れかねないだろうが!

あ。アズ、ってのはアジ・ダハーカの別名アズダハーからとった。

アズは「もっとちゃんとした名前をつけてくれ!」と食い下がった。

だが断る!

異世界転生モノでは、名前つけたら ごっそり魔力吸い取られて そいつがパワーアップするんだろ?そう言ったら舌打ちしやがった。

確信犯かよ この野郎。

俺は基礎の基礎から学ぶこととなり、時間は忙殺されていく。

通信機を先に渡しといてよかった。

親父がやる気になったバカ息子のために、権力を駆使して雇ってきた教師陣はそれはもう厳しかった。

マナーや所作やダンスで体はパキパキ、帝王学や歴史学や言い回し慣用句その他のお勉強で脳味噌は疲弊、剣術と魔術で身はボロボロ。

だが逃げ出さない!っていうか後がないから逃げ出せない!!

聞けば、ヴィオレッタも同じような状況らしく、もうこんな痛い靴履きたくないとかマナー訳わかんないとかドレス重い髪重い編み込み痛いし装飾邪魔とかお茶会精神ゴリゴリ削られるとか呻いていた。

……うん、俺、男の子で良かった。生きろヴィオレッタ。




そんな時、王宮の御用商人がやってきた。息子を連れて。













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