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「サー!イエッサー!」

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美幼女に転生した純恋くん……ヴィオレッタを宥める。

彼女は泣きながら「寂しかった」「怖かった」と訴えた。

どうやらこの異世界は乙女ゲームにとてもよく似た世界だという。



純恋くんは俺が会長をやっていた『ロリコン紳士同盟・かおるちゃんとチーズインハンバーグを守る会』の副会長だった。

MMORPGで知り合った俺たちは意気投合し、オフ会の後に親友になった。

友人でも恋人でもない、大親友だ。ネトゲで相性の良かった友人は、リアルでも相性が良かった。

そして彼女は知り合った女子中学生の頃から腐っており、腐は俺に伝染した。

しかも観るもの選ぶもの彼女の好みは俺のドストライクだった。

リアルがアイドルも真っ青の美少女だったのも良かった。

なんというか、自慢じゃないが、俺の前世もそこそこにイケメンでモテまくっていた。そして彼女もモテていた。

だが俺たちはお腐れ様。三次元より二次元!テメェの恋愛より推しの妄想!!

当然の流れで偽装カップル化。

ネトゲで『結婚』し、イベント会場ではバカップルと言われ、二人で一部屋のビジネスホテルに泊まってはアハンウフンな事もなく戦利品の交換会。

恋愛感情はミリどころか1ミクロンさえもなく、俺たちは『お付き合い』していたのだ。

そんな俺たちの動力源が『ロリコン紳士同盟・かおるちゃんとチーズインハンバーグを守る会』のご本尊達だ。

出会ってしまったのだ。とあるネトゲのランカー兼ユーチューバーの兄と、とんでもない美少女妹。

当時、小遣いだけはアホのようにもらっていた俺と、瞬発力と行動力と根性だけはある彼女。

俺が親の権力と金にモノを言わせ情報統制を引き、彼女が実質の運営。

そんなアホのようなことを俺たちは本気でやっていた。……楽しかった。



さて、話はこの世界に戻る。

『私、一眞さんとこのまま婚約してたら死ぬ!死ななくても幽閉陵辱輪姦アヘ顔Wピース腹ボテエンドなんてヤダアアアアアアアアアア(´;ω;`)』

なんだそれはwww本当に乙女ゲームなのか!?

『別れて!お願い!!』

『付き合ってもないのにフられてる!?』

あ、でも婚約者なのか。

『待て、待ってくれ純恋くん。ステイだ』

『わふ!』

これは一時期流行っていた『異世界転生乙女ゲームバージョン』か…。

だが…ふむ………。

俺の頭脳がフル回転する。

意に添わぬフラグは叩き折るまでよ!うはははは!(魔王風)

『よし、純恋くん、明日までにその乙女ゲームの概要を日本語で提出。確認後にこちらで管理する。その後、一切の日本語を禁ずる』

『サー!イエッサー!』

おw こやつネトゲ時代の副官モードに入ったぞwww

この茶会にも兄上の間者が紛れているだろう。一番怪しいのは無表情でヴィオレッタの背後に控えている専属侍女。次に専属護衛。

俺たちの切り札である『日本語』及び今話した内容の解析を遅らせる。

俺をこちらに送り出した地球の最高神の言葉が正しければ、この世界には今、100人を超える人間が転生ないしは転移してきている。

転生者というのを隠し通すのは無理というものだ。 ーーー 兄上に。



さあ、どうしてくれようか。



笑いが込み上げる。

俺は『あのひと』ほど策士ではないが、ブチ壊すのは得意なんだ。











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