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楽園と崩壊と
54 アーロン発狂(アレクシス視点)
しおりを挟む「……殿下。デルフィーヌ嬢が俺に泣きついて来たんですが…」
「…ああー……」
アーロンにじっとりと睨めつけられた。
アレだ。ノアと同衾し始めて10日ほど経つのだが、その……(ゴニョゴニョ…)
「あんっなにエロ可愛いノア様と一緒に寝て手ェ出さないって不能ですかあんた…」
「…違う……その、なんだ。ノアと寝るとすごく気持ち良くて良く寝れるというか、それに、その……」
「あんた閨教育サボったってマジだったんすね…」
「うっ…!」
「実践しなくったって知識くらいは入れてくださいよ!っていうか、なんで俺しか閨教育しっかり受けた奴が居ない訳!?」
「うちの隊は殆どが平民か棄民で、付いてきたのはお前らだけだったしなあ…」
「つっかえねえ!!」
うわ酷え!
「えー…もう、どこから?ここには媚薬も香油も無いよね…。い…挿入れるとこくらいは知ってますよね!?」
「あー…そのくらいなら……」
「んんー…、ノア様可愛くたって男だし、こりゃ多少慣らさないと無理だよなぁ……教育…?俺が付いてて教育?……あー、ダメ、無理!なんか無理!想像したらアウト!自分の子供が他所の男に喰われるの見てる気分だわ!マジムリ!!」
アーロンはブツブツ言った後に頭を抱える。
「と…とりあえず……俺、明日くらいに訓練免除してもらってマニュアル作りますから」
「おう、頼む」
「偉そう!!偉いんだけど偉そう!クッソ!キスくらいは自主練してくださいね!!」
「キス…は、してる、が…?」
「違うよ!あんな幼児でもできるキスじゃないよ!!ベロチューだよ!?」
「べろ…」
「ああもう!!……D、ちょっと来い!」
「……は?」
「いいから!」
勝手に悶えてキレ始めたアーロンに逆らってはいけない。うん。
デーヴィットもそう思ったのか、渋々といった様子でアーロンの元に行く。
「いーっすか?基本、口ン中は性感帯だらけです」
二本の指を自分の口に入れてべろりと舐めて見せる。
「相性が良けりゃ唾液も美味い。まー、ノア様と殿下は多分問題ありません。舌で相手の舌を舐め回す感じです。下の付け根とか上顎とかも結構気持ちいいです。歯を当てないようにこんな感じで…」
「…………っ!?」
ヒュッとその場にいた全員が息を呑んだ。
アーロンがデーヴィットの口に噛み付いた。そう、キスなんて可愛らしい行為じゃない。まさにガブッと。
あまりのことにデーヴィットも目を見開いて硬直している。アーロンは目を開けて無表情でデーヴィットの口の中を貪っていた。
……ほう。なるほど。顔の角度は動かして良いんだな。ふんふん。こりゃほんとにノアと一緒に練習しないと歯とか当たって怪我しそうだ。
「…ちょー!待って!!待って待って待ってストップ!!ストーーーーーッッップ!!!」
誰よりも早く我に帰ったビルが2人を引き剥がした。なんだ。あいつら3人ってまだ拗れてんのか。
ペッと口の中の唾をアーロンが地面に吐いた。お前、元貴族の癖に行儀悪いな。
「なんなの!?なんでこいつにすんの!?私でも良いよね!?」
「めんどくせえ。Dが近くにいただけじゃん」
「わ…私、ちゃんと言ったよね!?私はアーロンがす……」「だから、めんどくせえって!」「ちょ…!落ち着け、お前ら!」「デーヴィットは黙ってて!!」
あー……ほんっと、めんどくせえ…。
「わかった!ありがとうアーロン!!ノアと練習しとく!」
パンパン!と手を叩いて『これでおしまい』の合図をする。
なんで男同士で痴話喧嘩してんだこいつら……良い加減にしとけよ…。
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