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楽園と崩壊と
閑話:観察(《久遠》視点)
しおりを挟む裏世界へ遊びに出た《桜座》がものの数分で帰ってきた。首尾良く同胞たちを見つけ、接触してきたらしい。
《常盤》にあれやこれやと物資を言いつけ、揃ったものから裏世界へ落としていく。
そういえば《奈落》はどうした？物資を送るより《白妙》たちを連れ帰ったほうが早かったのでは？
そう言うと、《桜座》は、ふひっといたずらっ子のように笑った。
「やられたらやり返さないとな？」
そして、裏世界の穴を面白そうに眺めた。
「なにを見ている？」
「んんー？蟻の観察…かな？でものんびり眺めるモンじゃないし、ここからだったら早送りで見れるから。バラ撒いてきた仕掛けもいくつ作動するか楽しみだし」
無邪気に笑うが、まあ…こういう時の《桜座》は大抵が悪い事をしている時だ。玩具に夢中になる《桜座》も愛らしく愛おしい。
「うわ、こっわ。さっそくやった…！あー…ほら、あれだよ。やっぱり一番怖いのは《ちいさきもの》なんだよな」
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