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ひとでなしと元女神ヘスティア
しおりを挟む元王子曰く、邪神(女)のペットは神殿にある女神像と同じ顔をしているらしい。
その女神の名はヘスティア。
慈愛と狩猟を司る女神で、フォルカポッジョの王族はこの女神の末裔だとされている。
「あー、アレだ!アンタ、俺が異世界転生する時に加護くれた女神サンか!」
ポンとアリトさんが膝を打った。
「そうです。わたくしは『英雄アルトリウス』を守護する女神としてこの世界に生み出されました。わたくしは700年前にアルトリウスのために生まれた神……でした」
「あー…あちゃあ……だったら…」
「……そう、『英雄アルトリウス』という存在はふたつに割れてしまったのです」
アリトさんは俺を生かすために運命を ーーー 『英雄アルトリウス』の《運命》を俺に譲った。その罪により、アリトさんは女神ヘスティアの加護を失ったのか…。
「わたくしはもうひとりのアルトリウスに加護を与える事はできませんでした。なぜなら……彼は、《星辰》を愛した咎人だったから」
「へえ…?僕のハルを罪人扱いかぁ……死ぬの?ねえ、死にたいんだ?」
「ち…違います!わたくしは…」
「……『地獄に堕ちれば、また会える』」
「………!」
「春人に……そう教えてくれたのは、あんただったのか…」
「……っ…!……ご…ごめんなさい……ごめんなさい…わたくし、あなたたちを……まもれ、な…かっ………」
泣き崩れる元女神をなんとも言えない気持ちで見下ろす。
邪神曰く、俺が半年前に挽肉になった時、魂まで消滅するところを庇ったのもこの元女神だったらしい。その罪で罰を受けていた女神を拾ったのが邪神。
「気まぐれで拾ったんだけどねえ?可愛いだろ?この卑屈で「虐めてください」って言ってるような目がたまらないねぇ」
邪神(女)の趣味が特殊すぎる…!
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