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ひとでなしと魔王モード
しおりを挟む今日の巡回は早めに帰れとセルヴァンスに言われた。紫苑が初めてを散らしたと気付かれている…。紫苑とのセックスは、脳髄が焼き切れるかと思うほど気持ちよかった。よく考えれば前世今生合わせて、こんなに惚れた相手としたことがない。
「紫苑…その……辛くないか?」
「んー?んん…へいき……その…まだハルが入ってるみたいな感じがするくらいで痛くはないよ?」
紫苑の小さな穴に、俺のものが本当に入るのかと心配したのだが。入った後は動かして壊れやしないかと思ったが。まあ紫苑の媚態に理性が飛んで朝までしてしまったんだが。
「いっぱいしたら慣れるってセルも言ってたから……その………」
恥ずかしそうに頬を染めて。密着した体をさらに擦り寄せて、紫苑が言う。
「今日も、して…くれる……?」
俺は理性を総動員して耐える。可愛い。エロい。今すぐ抱きたい。我慢だ、我慢。領主館に着くまで我慢しろ。ああでもあそこにあるのは連れ込み宿だ。事情を話せば時間外でも……いやダメだ。落ち着け俺。グッと奥歯を噛んで耐える。
「部屋に帰ったらな」
「ふふ…!嬉しい、ハル大好き!」
グゥッ!か…可愛すぎる!!どうしたらいい、これ!?帰るまでもつのか、俺!?
俺の足が速くなる。早く帰りたい。かえりた……………
ん?
エリザベスの見世の前に人集りが?それに血の臭いが…?
スウ…と紫苑の目が細められる。魔王モードの紫苑だ。格好良いと惚れ惚れするが、今はそんな場合じゃないな。ゆっくりと紫苑を抱えて歩く俺を、人集りが避けていく。
「………ねえ、なんの騒ぎなの、これ?」
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