【7人の魔王3】ひとでなしの恋

【人物紹介とネタバレ含む裏設定】

【アルトリウス(前世名:瑞樹春人)】

白金の髪、楔石(スフェーン)の瞳

侵略されて滅んだ深い森の民エルフの最後の王族。王族といっても幼い頃よりこれでもかと酷い目にあってきた。王国の奴隷として地下牢と戦場を往復し、たまに拷問と奉仕の20年を過ごしてきたが、戦場でうっかりミンチになり再生が追いつかずに『目の色が珍しい』と言うだけで地下オークションで売られる。

幼い頃より壊すことを教育された殺人マッシーンだけど性格は穏やか。顔は恐ろしく整っている。

前世は売れない物書きをしており、紫苑の母親のヒモだった。が、前世の記憶はない。

タイトルの『ひとでなし』はアルトリウスを指しているけれど、同時に登場人物全員のことでもあります。そしてその意味は……。



【以下後日更新】





【竜胆紫苑】

黒髪、紫の瞳。唇の右下に艶ぼくろ

トロリとした情事の後のような表情と、空気読まないセクハラ発言のエロ担当魔王。別名『歩くフェロモン』。白い長襦袢をだらしなく着ていることが多い。

優しそうで意外と屑。不幸に見舞われる善良な者を見ても「人生そんなこともあるよね」で終わらせる。自分で甚振る趣味がないだけで、正義感とか善意とかまるでなし。人助けをすることもあるが、それはたまたま気が向いただけの行為で、全ての不幸な者を助けようなどとは思ってない。「どうせ終末にはみんな殺すんだし？」

異世界転移して顔の認識力を失った。顔の部分だけ黒いクレヨンで塗りつぶされたように見える。前世で関わりの深かった春人(アルトリウス)だけは認識できて、オークションでお買い上げした。

お酒が大好き。いつも飲んでいる。アルコール依存症や内臓疾患の心配がない丈夫な体素晴らしいと思っている。





【セルヴァンス】

ピンクゴールドの髪、明るい緑の瞳

《旧きものども》が紫苑のために最初に作った《眷属》。種族は悪魔リリン。10歳前後の少女の姿をしているが性別は男性。背徳的な雰囲気の男の娘で、華やかなミニの和服姿。

人間が苦しんでいる姿を見るのが好きで、自分の体を餌にしては地獄の底まで突き落として微笑うサディスト。

紫苑大好き。紫苑のためなら世界をぐちゃぐちゃにしてリボンを掛けて差し出す所存。





【女王レジーナ】(32)

黄金の髪、空色の瞳

アルトリウスを飼っていた女王。12歳の時に父王からアルトリウスをもらってから、虐めて虐めて虐め抜いた。美しいアルトリウスが不幸であることに快楽を感じる変態。

アルトリウスが戦死したと聞いて荒れに荒れ、周辺国を蹂躙しまくった。



【軍事国家フォルカポッジョ】

アルトリウスが20年間囚われていた軍事国家。『絞首台の丘フォルカポッジョ』の名に相応しく、数々の民や他国の王族貴族を吊るしてきた。

勇猛果敢な国軍と「遊びたい」という青瞳の魔王を抑えているのが紫苑。戦争特需で景気のいいエルドラド軍人は金払いの良いお客さんらしい。




【女神ヘスティア】

黄金の髪、空色の瞳

フォルカポッジョの守護女神。争いを好まない深い慈しみを持つ女神。子孫(フォルカポッジョ王族)と守るべきフォルカポッジョの民がおかしくなってしまったと嘆く。

転生した瑞樹春人を哀れに思い、神託を下した。その後、奴隷の英雄アルトリウスを助け、運命を捻じ曲げたことで他の神々に幽閉される。これにより、フォルカポッジョの守護は長期にわたって空席となる。






【エルドラド歓楽都市】

色欲の魔王アスモデウスの治める魔王領。金さえ払えば買えないものはないとまで言われる世界屈指の歓楽都市。経営は紫苑の眷属であるサキュバス(インキュバス)たちが行っている。人間、獣人、魔物問わず沢山の遊女が在籍する。エルドラドの全てが『金で買える』ものだと謳っており、望めば紫苑と一夜を過ごすことも可能。紫苑の気が向けば……だが。

都市は中央に紫苑の住居兼幹部たちの職場である屋敷があり、そこから蜘蛛の巣のように通りが広がっている。イメージは吉原などの遊郭。長く使えるようにセルヴァンスが厳しく管理しているので、他国が運営する花街より余程クリーンである。



【《眷属》サキュバス・インキュバス】

《旧きものども》が紫苑のために作り出した《眷属》。いきものの感情を好んで食す。特に強い感情、性欲や怒りなどは大好物で、嬉々として歓楽都市の運営をする。感情が主食だが、紫苑に感化されて甘いものや酒も好む。

困ったお客さんは《魅了》で大人しくさせて、精気を吸うだけ吸い尽くして家に帰す。それでも懲りない客は悪夢の牢獄に捕らえて廃人にする。

戦闘能力は高い上に、魅了でぼんやりしている間に首を跳ね飛ばす。






【7人の魔王】

数百年前に《地球》から同時転移した7人の異世界人たち。《星墜し》、《災厄の獣》とも呼ばれる。7人の異世界人たちの関係は非常に良好。鬱陶しいほどに。

傲慢の魔王ルシファー　【小鳥遊千早、チハヤ】《バベル》
憤怒の魔王サタン　【黒咲椿、クロ】《アヴァロン》
嫉妬の魔王レヴィアタン　　【浅倉碧海、アオイ】《アトランティス》
怠惰の魔王ベルフェゴール　【白藤凛、シロ】《ヴァルハラ》
強欲の魔王マモン　【浅黄暁、アキ】《モールドレ》
暴食の魔王ベルゼブブ　【雪村陽咲、ヒナタ】《カナン》
色欲の魔王アスモデウス　【竜胆紫苑、シオン】《エルドラド》

なお、この名は異世界の者たちが付けた名前。魔王たちは《地球》世界の名(【】内)を名乗っている。《》内は国名。

魔王たちは《地球》から転移した際に大切だったなにかを失っている。年齢や歌声、愛や味覚など。それは『伴侶』を見つけ、愛し愛されることで取り戻すことができるのだが……。





【旧支配者《名伏しがたきもの》】

異世界の旧支配者で、7人の魔王たちの《父》。エネルギーの複合体でカタチは本来ないのだが、現在ウロウロしている『私』は地球の日本のサラリーマン風の姿がお気に入りらしい。Systemを補っている『僕』は『神』の作り出した『環カルマ』を壊すのが楽しいらしい。

本来は利己的で合理的で非道残虐な何かだが、自らが作り出した《星辰》に『愛情』が芽生え、庇護欲を感じて過剰な過保護になる。

《地球》世界で人間として暮らしていた彼らを異世界に転移させ、『この世界で愛おしいと思う伴侶を作れ』と命じた。かなり勝手で息子たちにはボロクソに言われたり呆れられたりしているが、嫌われたり憎まれたりはしていない。彼なりにちゃんと息子たちを愛しているからだろうか…。




【7士族(古代種)】

ザ・セブンスとも言われる御伽噺の太古のいきものたち。『神』に庇護された人間たちの文献に残っているのは

超人種(ハイヒューマン)
森人種(エルフィン)
鍛治人族(ヘパイトス)
海鱗族(ラナー)
龍人族(ドラゴネスト)
天翼族(アンゲロス)
獣人族(ヴェスティア)

となっている。

《古きものども》に鏖殺されるヒト族(のちの人間)を哀れに思い、ヒト族の妻を持つものが少なくない7士族たちは《支配者ふるきものども》に戦を仕掛ける。結果《古きものども》と7士族は共倒れし、最後に残ったのは傍観者の『神』だった。




【地球世界】

1000年前に《古きものども》に滅ぼされた、現実の地球によく似た似た異世界。なので全てフィクションです。

日本→大日本帝国
東京→帝都
九州→玖州