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「あ~あ~あ~~と、あっ!こ、コレ、実は俺から先輩へ宛てた手紙なんですっっ!!」「何!?」
俺の顔面スレスレで拳をピタリと止めた先輩にビビりながらも、俺は成り行き任せに嘘を重ねた。
「はいっ!実は常日頃から先輩を尊敬していて、その思いを手紙で伝えられたらいいな~と思っておりましたぁぁあ!!」「……」「ですのでコレ、差し上げます!それじゃ!!」
終始無言だった先輩に無理矢理だったが手紙を握らせ、俺は逃げる様にその場を後にした。何とか先輩から脱出出来た後、内宮と合流して教室に向かう。途中、内宮が手紙について聞いてきた。
「なぁ、あの手紙なんで海堂先輩に渡したんだよ?」「うるせー!!生き残る為には手段を選べなかったんだ!」「はぁ?」
噂話に疎い内宮は、先輩の怖さを知らないのだろう……。終始不思議そうに訊ねて来てたが、俺はそれどころでは無かった。
「ああああ…どうしよう」
そう、逃げ出すのに必死過ぎてある事を忘れていたのだ。
「でもよぉ、あの手紙まだ見てなかったろ?お前……」
内宮のセリフに不安が募る。そう。俺はまだ手紙の内容を知らないのだ……。
「先輩に渡してホントに良かったのかー?差出人の名前だって書いてあるだろうし。もし、中身が熱烈な愛の告白だったらどーする!?」「頼むから。もう喋るな……」「逆にドッキリだとしても、どっちにしろアウトだな?」「う、う、うわあああああ~~~!!」
追い打ちを掛ける内宮に叫び声を上げながら、俺はこれから降りかかるであろう災難に絶望するのであった。
俺の顔面スレスレで拳をピタリと止めた先輩にビビりながらも、俺は成り行き任せに嘘を重ねた。
「はいっ!実は常日頃から先輩を尊敬していて、その思いを手紙で伝えられたらいいな~と思っておりましたぁぁあ!!」「……」「ですのでコレ、差し上げます!それじゃ!!」
終始無言だった先輩に無理矢理だったが手紙を握らせ、俺は逃げる様にその場を後にした。何とか先輩から脱出出来た後、内宮と合流して教室に向かう。途中、内宮が手紙について聞いてきた。
「なぁ、あの手紙なんで海堂先輩に渡したんだよ?」「うるせー!!生き残る為には手段を選べなかったんだ!」「はぁ?」
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「ああああ…どうしよう」
そう、逃げ出すのに必死過ぎてある事を忘れていたのだ。
「でもよぉ、あの手紙まだ見てなかったろ?お前……」
内宮のセリフに不安が募る。そう。俺はまだ手紙の内容を知らないのだ……。
「先輩に渡してホントに良かったのかー?差出人の名前だって書いてあるだろうし。もし、中身が熱烈な愛の告白だったらどーする!?」「頼むから。もう喋るな……」「逆にドッキリだとしても、どっちにしろアウトだな?」「う、う、うわあああああ~~~!!」
追い打ちを掛ける内宮に叫び声を上げながら、俺はこれから降りかかるであろう災難に絶望するのであった。
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