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第1章

3話☆

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 ちゅうちゅうと、悪魔がリーナの乳首を吸い上げる。
 初めて与えられる感覚に、リーナは身をくねらせた。

「ぁ、あ、やぁ……ん」

 尖り始めた先端をコロコロと舌で転がされ、時折かりっと甘噛みされる。
 その刺激に、リーナの下腹が甘く疼くようだった。
 逃げようにも、悪魔から与えられる刺激のせいで力が入らない。
 リーナはがくりと足元から崩れ落ちた。
 床へとへたりこんでしまったリーナの上に、すかさず悪魔が覆いかぶさった。

 悪魔の背中越しに、ステンドグラスがリーナの視界へ映りこむ。
 月明かりを受けて、ステンドグラスがキラリと光った。
 色とりどりのガラスが淡く反射する。
 そこに描かれた祈りを捧げる聖女を見て、リーナはようやくここがどこかを思い出した。 

 ここがどこなのか。
 自分はなんなのか。
 今何をされているのか。
 ようやく理解が追いつく。 

「ふ、あ……っや、ぁあんっ」
 
 キュッと乳首を捻られ、リーナの腰が浮いた。
 状況の理解が出来ても、リーナには悪魔の手の動きを止められない。
 口から漏れる、聞きたくもない自分の甘い悲鳴を止められない。

「いい声だな。もっと啼けよ。もっと……気持ちよくしてやるよ」

 悪魔は片手でリーナの乳輪をなぞりながら、もう片方の手を徐々に下へ下ろしていった。
 悪魔の手が唯一残っていた下着を引きちぎり、全てを暴かれる。
 悪魔の冷たい手が、リーナの割れ目をなぞった。
 そこはもう、リーナが気づかないうちに蜜で濡れていた。

「へぇ、いやいや言ってても体は正直だな」

 リーナの小さな花びらをなぞる悪魔の指が、するんと滑る。
 それだけで、リーナの体には電流が走ったようだった。

「やあぁ、ぁッ!」
 
「……あんまり声を出すと、教会の奴らがくるぞ?」

 耳元でそう囁かれ、リーナは固まった。
 さぁっと顔から血の気が引いていく。
 こんな状況を見られたら、教会のみんなはどう思うだろう。
 聖女に選ばれたその晩に、見ず知らずの男に組み敷かれているなんて。
 組み敷かれた挙句、体をいいように弄ばれ、今にも処女を奪われようとしているなんて。

(そんなのって、そんなのってない……)

「やめ……て、お願いだから、これ以上はやめてぇ……ッ!」

 リーナは力を振り絞って悪魔の硬い胸を押した。
 泣きながら首を左右に振って懇願する。

 けれど、悪魔はやはり悪魔で。

 悪魔は涙に濡れたリーナの顔を見て、舌なめずりをした。

「知ってるか? 嫌がる顔ってそそるんだよ」

 そう言うと、悪魔はリーナの秘所に顔をうずめた。



 
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