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「死に晒せやぁ~!」

 サモンはアモンとの戦いで体はボロボロ、魔力も枯渇しているはずだが、それでも闘志だけは満々といった感じでリリアナに襲い掛かって来た。

「そんなもん当たるか!」

 対してリリアナは、冷静にサモンの攻撃を往なしてカウンターを叩き込む。

「堕ちろ!」

「ウオッ!」

 リリアナの拳に直撃されたサモンが地面スレスレまで墜ちて行った。

「ファルファル! 追って!」

「クエッ!」

 リリアナの指示に応えてファルファルが低空飛行に移行する。

「このぉ! 人間めぇ! 舐めるなぁ~!」

 サモンは地面スレスレでなんとか体勢を立て直した。そして反撃に転ずる。

「シャアッ!」

 サモンは鋭い鉤爪でリリアナに踊り掛かった。


◇◇◇


 一方その頃、クラウドとガストン率いる魔道部隊は魔族軍と対峙していた。

「セイヤァッ!」

 クラウドの剣が一閃する度に魔族が次々と血祭りに上がって行く。

「ウオリャァッ!」

 ガストンはハルバートを振り回す。一振りでかなりの数の魔族が吹っ飛ぶ。

「お前達! 今だ!」

『ラジャー!』

 そこへ魔道部隊が魔法攻撃を加える。魔族軍は物凄い早さで蹂躙されて行った。

 クラウドは空を見上げる。そこではリリアナとサモンが激闘を繰り広げていた。

「リリアナ、頑張れよ」

 クラウドはリリアナにエールを送った後、魔族軍の中に突っ込んで行った。


◇◇◇


 一方、サモンとリリアナの戦いは佳境を迎えていた。

「食らえ!」

「ガハッ!」

 段々とサモンはリリアナの拳を避けられなくなっていた。クリーンヒットが相次ぐ。ついにサモンは飛べなくなって地面に降りた。

「今だ! これでトドメ~!」

 リリアナはファルファルの背から飛び降り、サモン目掛けて飛んで行った。

「くたばれ~!」

 リリアナ渾身のかかと落としが炸裂した。

「グアアアッ!」

 サモンは断末魔の叫びを上げながら、アモンと同じように地面にめり込んだ。

「おじ様! 封印を!」

「任せろ! やれ! お前達!」

『封印!』

 すかさず魔道部隊が封印を施す。これもアモンの時と同様に、虹色に輝く魔法陣が展開され、サモンを封印することに成功した。サモンの姿はアモンの時と同じように、徐々に薄くなって消えて行った。

「フゥ...終わったな...」

「えぇ、お疲れ様」

 クラウドとリリアナがグータッチを交わす。

「お疲れさん」

 そこにガストンも加わった。

「帰ろうか」

「えぇ、じゃあおじ様、また後で。おば様には先に伝えておくわね」

「あぁ、頼む」

「ファルファル!」

「クエッ!」

 リリアナとクラウドはファルファルに跨がり飛び立った。
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