53 / 133
53
しおりを挟む
「ん? あれは...」
なにかに気付いたリリアナが遠くに目を凝らす。
「リリアナ、どうした?」
それに気付いたクラウドが声を掛ける。
「どうやら来たみたいですよ」
「本当か!?」
クラウドもリリアナと同じ方向に目を凝らす。
「確かに...なにかが空を飛んで来てるな」
「えぇ、恐らくあれがサモンなんでしょう。おじ様!」
「どうした?」
呼ばれたガストンが駆け寄って来る。
「サモンが来たみたいですので、私と殿下は直ちに迎撃に向かいます。おじ様達は封印の用意をお願いします」
「分かった。任せとけ」
「リリアナ、どうやら敵はサモンだけじゃないようだ」
そこへずっと遠方に目を凝らしていたクラウドが割って入った。
「と言いますと?」
「魔族軍を率いて来ている」
「あぁ、なるほど」
「リリアナ、魔族軍は俺とガストン達で防ぐ。お前はサモンに集中しろ」
クラウドが冷静に指示を下す。
「了解。ファルファル!」
「クエッ!」
リリアナは一人、ファルファルの背に跨がって空に舞い上がった。
◇◇◇
一方その頃、ミランダは魔族領を蹂躙していた。
『氷よ、砕け散れ!』
『光よ、爆ぜろ!』
『炎よ、燃やし尽くせ!』
ありとあらゆる攻撃魔法を駆使して魔族軍を壊滅に追い込んでいた。
「フゥ...こんなとこかな」
後に残ったのは惨憺たる状態になった魔族領のみだった。
「これだけ暴れても魔王が戻って来る様子が無いところを見ると、やっぱり南の砦でなにかあったんだろうな」
そうミランダは独り言ちた後、北の砦へと帰還した。
◇◇◇
「ぬおっ!? な、なんだこの状況は!?」
一人先行して空を飛んで来たサモンは、派手に抉れた地面とそこに描かれた封印の魔法陣を見て絶句した。
「こんにちわ。初めましてかしらね。あなたがサモンね? おおっ!? こりゃ確かに魔王そっくりだわ! さすが双子の兄弟ね!」
「な、なにぃ!? だ、誰だ貴様は!?」
「私はリリアナ。南の砦を守護する者よ」
「なるほど、貴様が! 名前は聞いているぞ!」
「そりゃどうも。私も有名になったものね」
「どういたしまして...じゃない! 一体これはどういうことだ!? 兄貴は!? 魔王アモンはどこに行った!?」
「魔王ならあそこよ」
リリアナは封印の魔法陣を指差した。
「な、なんだとぉ!? 良くもやってくれたな、人間ども! 絶対に許さん! 兄貴の敵を討たせて貰うぞ!」
さっきまで殺し合っていても、やはりそこは兄弟ということだろうか。サモンはアモンがやられたことに本気で激昂しているようだ。
「やれるもんならやってみろ!」
リリアナは戦闘態勢を取った。
なにかに気付いたリリアナが遠くに目を凝らす。
「リリアナ、どうした?」
それに気付いたクラウドが声を掛ける。
「どうやら来たみたいですよ」
「本当か!?」
クラウドもリリアナと同じ方向に目を凝らす。
「確かに...なにかが空を飛んで来てるな」
「えぇ、恐らくあれがサモンなんでしょう。おじ様!」
「どうした?」
呼ばれたガストンが駆け寄って来る。
「サモンが来たみたいですので、私と殿下は直ちに迎撃に向かいます。おじ様達は封印の用意をお願いします」
「分かった。任せとけ」
「リリアナ、どうやら敵はサモンだけじゃないようだ」
そこへずっと遠方に目を凝らしていたクラウドが割って入った。
「と言いますと?」
「魔族軍を率いて来ている」
「あぁ、なるほど」
「リリアナ、魔族軍は俺とガストン達で防ぐ。お前はサモンに集中しろ」
クラウドが冷静に指示を下す。
「了解。ファルファル!」
「クエッ!」
リリアナは一人、ファルファルの背に跨がって空に舞い上がった。
◇◇◇
一方その頃、ミランダは魔族領を蹂躙していた。
『氷よ、砕け散れ!』
『光よ、爆ぜろ!』
『炎よ、燃やし尽くせ!』
ありとあらゆる攻撃魔法を駆使して魔族軍を壊滅に追い込んでいた。
「フゥ...こんなとこかな」
後に残ったのは惨憺たる状態になった魔族領のみだった。
「これだけ暴れても魔王が戻って来る様子が無いところを見ると、やっぱり南の砦でなにかあったんだろうな」
そうミランダは独り言ちた後、北の砦へと帰還した。
◇◇◇
「ぬおっ!? な、なんだこの状況は!?」
一人先行して空を飛んで来たサモンは、派手に抉れた地面とそこに描かれた封印の魔法陣を見て絶句した。
「こんにちわ。初めましてかしらね。あなたがサモンね? おおっ!? こりゃ確かに魔王そっくりだわ! さすが双子の兄弟ね!」
「な、なにぃ!? だ、誰だ貴様は!?」
「私はリリアナ。南の砦を守護する者よ」
「なるほど、貴様が! 名前は聞いているぞ!」
「そりゃどうも。私も有名になったものね」
「どういたしまして...じゃない! 一体これはどういうことだ!? 兄貴は!? 魔王アモンはどこに行った!?」
「魔王ならあそこよ」
リリアナは封印の魔法陣を指差した。
「な、なんだとぉ!? 良くもやってくれたな、人間ども! 絶対に許さん! 兄貴の敵を討たせて貰うぞ!」
さっきまで殺し合っていても、やはりそこは兄弟ということだろうか。サモンはアモンがやられたことに本気で激昂しているようだ。
「やれるもんならやってみろ!」
リリアナは戦闘態勢を取った。
10
お気に入りに追加
2,334
あなたにおすすめの小説
婚約破棄ですか? ありがとうございます
安奈
ファンタジー
サイラス・トートン公爵と婚約していた侯爵令嬢のアリッサ・メールバークは、突然、婚約破棄を言われてしまった。
「お前は天才なので、一緒に居ると私が霞んでしまう。お前とは今日限りで婚約破棄だ!」
「左様でございますか。残念ですが、仕方ありません……」
アリッサは彼の婚約破棄を受け入れるのだった。強制的ではあったが……。
その後、フリーになった彼女は何人もの貴族から求愛されることになる。元々、アリッサは非常にモテていたのだが、サイラスとの婚約が決まっていた為に周囲が遠慮していただけだった。
また、サイラス自体も彼女への愛を再認識して迫ってくるが……。
婚約破棄されたので、論破して旅に出させて頂きます!
桜アリス
ファンタジー
婚約破棄された公爵令嬢。
令嬢の名はローザリン・ダリア・フォールトア。
婚約破棄をした男は、この国の第一王子である、アレクサンドル・ピアニー・サラティア。
なんでも好きな人ができ、その人を私がいじめたのだという。
はぁ?何をふざけたことをおっしゃられますの?
たたき潰してさしあげますわ!
そして、その後は冒険者になっていろんな国へ旅に出させて頂きます!
※恋愛要素、ざまぁ?、冒険要素あります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
文章力が、無いのでくどくて、おかしいところが多いかもしれません( ̄▽ ̄;)
ご注意ください。m(_ _)m
妹のことが好き過ぎて婚約破棄をしたいそうですが、後悔しても知りませんよ?
カミツドリ
ファンタジー
侯爵令嬢のフリージアは婚約者である第四王子殿下のボルドーに、彼女の妹のことが好きになったという理由で婚約破棄をされてしまう。
フリージアは逆らうことが出来ずに受け入れる以外に、選択肢はなかった。ただし最後に、「後悔しないでくださいね?」という言葉だけを残して去って行く……。
婚約破棄されたので四大精霊と国を出ます
今川幸乃
ファンタジー
公爵令嬢である私シルア・アリュシオンはアドラント王国第一王子クリストフと政略婚約していたが、私だけが精霊と会話をすることが出来るのを、あろうことか悪魔と話しているという言いがかりをつけられて婚約破棄される。
しかもクリストフはアイリスという女にデレデレしている。
王宮を追い出された私だったが、地水火風を司る四大精霊も私についてきてくれたので、精霊の力を借りた私は強力な魔法を使えるようになった。
そして隣国マナライト王国の王子アルツリヒトの招待を受けた。
一方、精霊の加護を失った王国には次々と災厄が訪れるのだった。
※「小説家になろう」「カクヨム」から転載
※3/8~ 改稿中
嫌われた妖精の愛し子は、妖精の国で幸せに暮らす
柴ちゃん
ファンタジー
生活が変わるとは、いつも突然のことである…
早くに実の母親を亡くした双子の姉妹は、父親と継母と共に暮らしていた。
だが双子の姉のリリーフィアは継母に嫌われており、仲の良かったシャルロッテもいつしかリリーフィアのことを嫌いになっていた。
リリーフィアもシャルロッテと同じく可愛らしい容姿をしていたが、継母に時折見せる瞳の色が気色悪いと言われてからは窮屈で理不尽な暮らしを強いられていた。
しかしリリーフィアにはある秘密があった。
妖精に好かれ、愛される存在である妖精の愛し子だということだった。
救いの手を差し伸べてくれた妖精達に誘われいざ妖精の国に踏み込むと、そこは誰もが優しい世界。
これは、そこでリリーフィアが幸せに暮らしていく物語。
お気に入りやコメント、エールをしてもらえると作者がとても喜び、更新が増えることがあります。
番外編なども随時書いていきます。
こんな話を読みたいなどのリクエストも募集します。
婚約破棄ですね。これでざまぁが出来るのね
いくみ
ファンタジー
パトリシアは卒業パーティーで婚約者の王子から婚約破棄を言い渡される。
しかし、これは、本人が待ちに待った結果である。さぁこれからどうやって私の13年を返して貰いましょうか。
覚悟して下さいませ王子様!
転生者嘗めないで下さいね。
追記
すみません短編予定でしたが、長くなりそうなので長編に変更させて頂きます。
モフモフも、追加させて頂きます。
よろしくお願いいたします。
カクヨム様でも連載を始めました。
追放令嬢は隣国で幸せになります。
あくび。
ファンタジー
婚約者の第一王子から一方的に婚約を破棄され、冤罪によって国外追放を言い渡された公爵令嬢のリディアは、あっさりとそれを受け入れた。そして、状況的判断から、護衛を買って出てくれた伯爵令息のラディンベルにプロポーズをして翌日には国を出てしまう。
仮夫婦になったふたりが向かったのは隣国。
南部の港町で、リディアが人脈やチートを炸裂させたり、実はハイスペックなラディンベルがフォローをしたりして、なんだかんだと幸せに暮らすお話。
※リディア(リディ)とラディンベル(ラディ)の交互視点です。
※ざまぁっぽいものはありますが、二章に入ってからです。
※そこかしこがご都合主義で、すみません。
ハプスブルク家の姉妹
Ruhuna
ファンタジー
ハプスブルク家には美しい姉妹がいる
夜空に浮かぶ月のように凛とした銀髪黒眼の健康な姉
太陽のように朗らかな銀髪緑眼の病弱な妹
真逆な姉妹だがその容姿は社交界でも折り紙付きの美しさだった
ハプスブルク家は王族の分家筋の準王族である
王族、身内と近親婚を繰り返していた
積み重なったその濃い血は体質だけではなく精神も蝕むほどの弊害を生み出してきているなど
その当時の人間は知る由もない
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる