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 クリフトファー様と約束した翌日のことだった。

「お嬢様、お客様です」

「どなた?」

「エリザベート様とケイトリン様です」

 なんでこの二人が? 私は訝しみながらも、

「客間にお通しして」

「畏まりました」

 そう言って私も客間に向かった。


◇◇◇


「アンリエット! 白状しなさい!」

「はぁっ!?」

 客間に行った私にエリザベートがいきなり詰め寄る。

「惚けるんじゃないわよ! あなた、お兄様と一緒になって何か企んでいるでしょ?」

 なんでバレたし!? クリフトファー様がチクッた!?

「な、なぁんのことかしらぁ?」

「あらあら? あくまでもシラを切るつもり?」

 ケイトリンが怪しげに微笑む。というかエリザベートはともかく、なんでケイトリンはここに居るんよ?

「あなたがお兄様と二人で何かコソコソやってるってのは、とっくにネタが上がってんのよ!」

「私の家での夜会でも色々やらかしてくれたわよね~?」

 あぁ、確かにやらかしたわ。私じゃなくてギルバートのアホがだけど。

「さぁ! キリキリ白状しなさい!」

 こりゃ誤魔化せそうもないな...そう判断した私は、二人に洗いざらい話すことにした。


◇◇◇


「そんな面白いことになってるってのに、なんで私に黙っているのよ!」

「いや面白いって...そりゃ当事者じゃなきゃそう言えるだろうけどさ。別に黙ってた訳じゃないわよ。特に言う必要もないかと思って」

「水くさいじゃない! お兄様には言ったのに、なんで私には黙ってるのよ?」

「いやクリフトファー様にも言うつもりはなかったわよ。ただ私が何か企んでいることを気付かれたから仕方なくよ」

「あら!? そうなの!?」

「そうよ。あくまで仕方なくよ」

 良し良し。エリザベートも分かってくれたようだ。

「あらぁ? その割にはあなた、楽しそうにダンスしてたじゃない?」

 くっ! ケイトリンめ! 目敏いな! そりゃ確かに共犯意識っていうのかな? 同士みたいに感じてちょっと楽しんでいたけどさ。

「あら、あなたとお兄様ってそうなの?」

「へっ!? なにが!?」

「あらあら、隅に置けないわねぇ」

「ねぇ、二人ともなに言ってんの!?」

 私は混乱した。コイツらなんでこんなに畳み掛けて来んの!?

「皆まで言うな皆まで言うな。分かってるから」

「私達もあなた達のために協力を惜しまないわよ~?」

「だからなによそれ!? アンタらなんか勘違いしてない!?」

 私はニヤニヤ笑い続けている友人二人を、困惑しながら見詰めるしかなかった。

 私とクリフトファー様はそんな関係じゃないっての!

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