26 / 28
第26話
しおりを挟む
「復讐という訳か...」
しばらくしてからハインツがポロッと呟いた。
「いやいや、単なる八つ当たりでしょ? 自分が男にフラれたからその腹いせに他人を不幸にしてやろうなんて、単なるイタい女じゃないですか。同情する余地なんてカケラもありませんよ」
ナズミが容赦なくぶった斬る。
「それはまぁそうなんだが...ちなみにワインツ、国王に強制送還されなかったら、次に誰を狙う予定だったか分かってるのか?」
「......」
「あぁうん、皆まで言わなくても分かった...さて、どうするかだが...」
「話は全て聞かせて貰ったわ!」
突然アズミが現れた。
「アズミ!? お前どっから湧いて来た?」
「人をダンジョンモンスターみたいに言わないで頂戴!」
「大方、武器を没収したから怖くなくなって出て来たんだろ?」
「そ、そんなこと無いもん!」
ハインツに図星を突かれたアズミはちょっと焦ってる。その時、ナズミがニッコリ笑いながら懐に手を入れた。
「ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ!」
アズミが仰け反った。
「お前ら落ち着け! それで!? 出て来たからには何か策があるんだろうな!?」
ハインツが割って入った。
「も、もちろんよ! 目には目を! 歯には歯を! イタい女にはイタい男をぶつけるのよ!」
「おい、それってまさか...」
ハインツの顔が青褪める。
「そう! 我が学園の最終兵器、オンナダイスキーを宛がうのよ!」
アズミが高らかに宣言した。
「オンナダイスキーってあの?」
「そう、女と見れば誰でも口説く」
「良く『ハァ~イ ベイビー達~』とか『君の瞳に乾杯!』とか言ってるよな」
「時代考証が昭和で止まってますよね」
「口にバラを咥えているのを見た」
「それってどこのベルバラ?」
「時代考証が中世まで飛んでんじゃん」
「その後、口の中が血まみれになってたみたいよ?」
「清々しいくらいのアホだな」
「トゲを抜くということを知らないのか?」
などなど...みんなして散々貶し捲った。
「フム、いいんじゃないか?」
ハインツが纏めた。
「い、いいんですか!? 国際問題になったりしませんか!?」
マインツが慌てて確認する。
「先に問題行動してんのはあっちなんだから、何も問題無いだろ? 寧ろオンナダイスキーを引き取ってくれたら万々歳じゃないか?」
「そういう問題じゃないような気が...」
「決まりね! オンナダイスキーには私から連絡しておくわ! ではサラバ!」
そう言ってアズミは風のように去って行った。
「アズミのヤツ、なんかキャラ変わってないか?」
ハインツの呟きは誰にも聞こえなかった。
しばらくしてからハインツがポロッと呟いた。
「いやいや、単なる八つ当たりでしょ? 自分が男にフラれたからその腹いせに他人を不幸にしてやろうなんて、単なるイタい女じゃないですか。同情する余地なんてカケラもありませんよ」
ナズミが容赦なくぶった斬る。
「それはまぁそうなんだが...ちなみにワインツ、国王に強制送還されなかったら、次に誰を狙う予定だったか分かってるのか?」
「......」
「あぁうん、皆まで言わなくても分かった...さて、どうするかだが...」
「話は全て聞かせて貰ったわ!」
突然アズミが現れた。
「アズミ!? お前どっから湧いて来た?」
「人をダンジョンモンスターみたいに言わないで頂戴!」
「大方、武器を没収したから怖くなくなって出て来たんだろ?」
「そ、そんなこと無いもん!」
ハインツに図星を突かれたアズミはちょっと焦ってる。その時、ナズミがニッコリ笑いながら懐に手を入れた。
「ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ!」
アズミが仰け反った。
「お前ら落ち着け! それで!? 出て来たからには何か策があるんだろうな!?」
ハインツが割って入った。
「も、もちろんよ! 目には目を! 歯には歯を! イタい女にはイタい男をぶつけるのよ!」
「おい、それってまさか...」
ハインツの顔が青褪める。
「そう! 我が学園の最終兵器、オンナダイスキーを宛がうのよ!」
アズミが高らかに宣言した。
「オンナダイスキーってあの?」
「そう、女と見れば誰でも口説く」
「良く『ハァ~イ ベイビー達~』とか『君の瞳に乾杯!』とか言ってるよな」
「時代考証が昭和で止まってますよね」
「口にバラを咥えているのを見た」
「それってどこのベルバラ?」
「時代考証が中世まで飛んでんじゃん」
「その後、口の中が血まみれになってたみたいよ?」
「清々しいくらいのアホだな」
「トゲを抜くということを知らないのか?」
などなど...みんなして散々貶し捲った。
「フム、いいんじゃないか?」
ハインツが纏めた。
「い、いいんですか!? 国際問題になったりしませんか!?」
マインツが慌てて確認する。
「先に問題行動してんのはあっちなんだから、何も問題無いだろ? 寧ろオンナダイスキーを引き取ってくれたら万々歳じゃないか?」
「そういう問題じゃないような気が...」
「決まりね! オンナダイスキーには私から連絡しておくわ! ではサラバ!」
そう言ってアズミは風のように去って行った。
「アズミのヤツ、なんかキャラ変わってないか?」
ハインツの呟きは誰にも聞こえなかった。
1
お気に入りに追加
892
あなたにおすすめの小説
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
【完結】婚姻無効になったので新しい人生始めます~前世の記憶を思い出して家を出たら、愛も仕事も手に入れて幸せになりました~
Na20
恋愛
セレーナは嫁いで三年が経ってもいまだに旦那様と使用人達に受け入れられないでいた。
そんな時頭をぶつけたことで前世の記憶を思い出し、家を出ていくことを決意する。
「…そうだ、この結婚はなかったことにしよう」
※ご都合主義、ふんわり設定です
※小説家になろう様にも掲載しています
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
【完結】偽物と呼ばれた公爵令嬢は正真正銘の本物でした~私は不要とのことなのでこの国から出ていきます~
Na20
恋愛
私は孤児院からノスタルク公爵家に引き取られ養子となったが家族と認められることはなかった。
婚約者である王太子殿下からも蔑ろにされておりただただ良いように使われるだけの毎日。
そんな日々でも唯一の希望があった。
「必ず迎えに行く!」
大好きだった友達との約束だけが私の心の支えだった。だけどそれも八年も前の約束。
私はこれからも変わらない日々を送っていくのだろうと諦め始めていた。
そんな時にやってきた留学生が大好きだった友達に似ていて…
※設定はゆるいです
※小説家になろう様にも掲載しています
悪役断罪?そもそも何かしましたか?
SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。
男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。
あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。
えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。
勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
家出した伯爵令嬢【完結済】
弓立歩
恋愛
薬学に長けた家に生まれた伯爵令嬢のカノン。病弱だった第2王子との7年の婚約の結果は何と婚約破棄だった!これまでの尽力に対して、実家も含めあまりにもつらい仕打ちにとうとうカノンは家を出る決意をする。
番外編において暴力的なシーン等もありますので一応R15が付いています
6/21完結。今後の更新は予定しておりません。また、本編は60000字と少しで柔らかい表現で出来ております
あなたをずっと、愛していたのに 〜氷の公爵令嬢は、王子の言葉では溶かされない~
柴野
恋愛
「アナベル・メリーエ。君との婚約を破棄するッ!」
王子を一途に想い続けていた公爵令嬢アナベルは、冤罪による婚約破棄宣言を受けて、全てを諦めた。
――だってあなたといられない世界だなんて、私には必要ありませんから。
愛していた人に裏切られ、氷に身を閉ざした公爵令嬢。
王子が深く後悔し、泣いて謝罪したところで止まった彼女の時が再び動き出すことはない。
アナベルの氷はいかにして溶けるのか。王子の贖罪の物語。
※オールハッピーエンドというわけではありませんが、作者的にはハピエンです。
※小説家になろうにも重複投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる