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第18話
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事の発端は隣国からの申し出だった。
クーデターを未然に防げたことに対する謝礼金が支払われた。それと共に更なる友好の証として、自国の第2王女チリーヌを留学させたいと言って来たのだ。
そのチリーヌ王女が問題だった...
アズミがボヤく。
「...私は『まぁまぁまぁまぁっ! あなた、殿方に対してなんて口の利き方なのかしら! 分をわきまえなさいな! 覚えておきなさい! 女は殿方を常に立てなくてはならないの! 殿方の一歩後ろを歩くものなのよ!』と言われて、張り倒してやろうかと思いました...」
「あ、アズミ! 国際問題になっちゃうから抑えて...」
ハインツが慌てて取りなす。
「分かってますわよ...」
次にカズミが続く。
「...私は『まぁまぁまぁまぁっ! あなた、なんて端ないのかしら! そんな風に殿方と触れ合うなんて! 恥を知りなさいな! とてもじゃないけど淑女とは言えませんことよ!』と言われて、蹴り倒してやろうかと思いました...」
「か、カズミ! お願いだから落ち着いて...」
マインツが必死で宥める。
「仕方ないですわね...」
更にサズミが続く。
「...私は『まぁまぁまぁまぁっ! あなた、馬に乗るなんて正気なのかしら!? 淑女としてあるまじき行為ですわよ! どんな育て方をしたらこうなるのかしら! 親の顔が見たいわ!』と言われて、本気で殺意を抱きました...」
「さ、サズミ! ま、待て! は、話せば分かる!」
ヤインツがなんとか止めようとする。
「今回だけですよ...」
更に更にタズミが続く。
「...私は『まぁまぁまぁまぁっ! あなた、未婚の男女が旅行に行くだなんて頭がおかしいんじゃなくて!? 正気を疑うわ! 淑女として有り得ません! 教育をやり直しなさいな!』と言われて、魔法で吹き飛ばしでやろうかと思いました...」
「た、タズミ! ダメだよ! 自分を制御して!」
ラインツが体で制そうとする。
「放して下さいな...」
最後にナズミが締める。
「すいませ~ん。私だけ何もありませ~ん」
「「「「「「「「 無いんかい! 」」」」」」」」
全員がキレイに揃ってツッコミを入れる。ワインツは苦笑している。
「天からの声がネタ切れだって言ってま~す」
「「「「「「「「 なんじゃあそりゃあ! 」」」」」」」」
またしてもキレイにツッコミが入った。
「コホン...と、とにかく! あの王女、早くなんとかしないと...」
アズミが気を取り直して仕切り始めた。全員を見渡して、
「何か良い案はありますか?」
そう問い掛けた。
クーデターを未然に防げたことに対する謝礼金が支払われた。それと共に更なる友好の証として、自国の第2王女チリーヌを留学させたいと言って来たのだ。
そのチリーヌ王女が問題だった...
アズミがボヤく。
「...私は『まぁまぁまぁまぁっ! あなた、殿方に対してなんて口の利き方なのかしら! 分をわきまえなさいな! 覚えておきなさい! 女は殿方を常に立てなくてはならないの! 殿方の一歩後ろを歩くものなのよ!』と言われて、張り倒してやろうかと思いました...」
「あ、アズミ! 国際問題になっちゃうから抑えて...」
ハインツが慌てて取りなす。
「分かってますわよ...」
次にカズミが続く。
「...私は『まぁまぁまぁまぁっ! あなた、なんて端ないのかしら! そんな風に殿方と触れ合うなんて! 恥を知りなさいな! とてもじゃないけど淑女とは言えませんことよ!』と言われて、蹴り倒してやろうかと思いました...」
「か、カズミ! お願いだから落ち着いて...」
マインツが必死で宥める。
「仕方ないですわね...」
更にサズミが続く。
「...私は『まぁまぁまぁまぁっ! あなた、馬に乗るなんて正気なのかしら!? 淑女としてあるまじき行為ですわよ! どんな育て方をしたらこうなるのかしら! 親の顔が見たいわ!』と言われて、本気で殺意を抱きました...」
「さ、サズミ! ま、待て! は、話せば分かる!」
ヤインツがなんとか止めようとする。
「今回だけですよ...」
更に更にタズミが続く。
「...私は『まぁまぁまぁまぁっ! あなた、未婚の男女が旅行に行くだなんて頭がおかしいんじゃなくて!? 正気を疑うわ! 淑女として有り得ません! 教育をやり直しなさいな!』と言われて、魔法で吹き飛ばしでやろうかと思いました...」
「た、タズミ! ダメだよ! 自分を制御して!」
ラインツが体で制そうとする。
「放して下さいな...」
最後にナズミが締める。
「すいませ~ん。私だけ何もありませ~ん」
「「「「「「「「 無いんかい! 」」」」」」」」
全員がキレイに揃ってツッコミを入れる。ワインツは苦笑している。
「天からの声がネタ切れだって言ってま~す」
「「「「「「「「 なんじゃあそりゃあ! 」」」」」」」」
またしてもキレイにツッコミが入った。
「コホン...と、とにかく! あの王女、早くなんとかしないと...」
アズミが気を取り直して仕切り始めた。全員を見渡して、
「何か良い案はありますか?」
そう問い掛けた。
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