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第16話
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その日、アズミはハインツが予約しているレストランで食事をするのを楽しみにしていた。
夜になって待ち合わせの時間が近付いて来たので、出掛けようとした時だった。
「アズミお嬢様、緊急連絡です!」
執事が慌ただしく駆け寄って来た。男爵邸を見張っているカズミからの連絡だった。
「男爵とホヘット嬢が拘束された!?」
食事どころではなくなったアズミは、直ちにハインツに連絡し自身はカズミの家に急行した。
「カズミ! どういう状況なの!?」
アズミは挨拶もそこそこにカズミに問い掛ける。
「はい、夜になってコッソリ屋敷を抜け出した男爵とホヘット嬢を、逃亡を図る意思ありと見て拘束しました。その際、男爵のカバンから密造された銃火器と違法薬物、ホヘット嬢は例のペンダントと香水を身に付けていましたので、それぞれ押収し詳しく調べております」
「そうだったのね...良くやってくれたわ。お手柄よ」
アズミは労を労った。
「恐れ入ります。男爵とホヘット嬢にお会いになりますか?」
アズミは頭を振った。
「いいえ、後にするわ。それよりも先に男爵邸をガサ入れしましょう。証拠を隠滅される前に抑えないと」
「分かりました」
そこから先は早かった。アズミから連絡を受けたハインツ以下全員が集まり、騎士団を率いて急ぎ男爵邸へと向かった。
男爵邸に足を一歩踏み入れた途端、
「うっ!? こ、これは!?」
噎せ返るような違法薬物の匂いに思わず全員がハンカチで顔を抑えた。男爵邸では呆れた痴態が繰り広げられていた。
男爵夫人は何人もの若い男達と絡み合い乱交し、男爵家嫡男は若い女を何人も侍らして乱交し、男爵家長女は何人もの若い男達と乱交を繰り返すと。完全に薬でハイになって、全員が乱交パーティーに興じていた。
吐き気を催す光景にハインツは堪らず、
「このケダモノどもを全員拘束しろぉ~!」
と、怒鳴り声を上げた。拘束されている間も意識がハイになって飛んでる男爵家の連中は、自分の身に何が起こっているのか理解していない様子だった。
騎士団によって邸宅内の使用人含む全員が拘束され、敷地内に建てられた銃火器の密造施設と違法薬物の生成施設、違法植物の栽培施設などが次々に摘発された。ギリギリ間に合った違法薬物探知犬と爆発物探知犬が大活躍した。
夜が明ける頃には全ての証拠物件が抑えられ、男爵家に対する容疑が固まり、男爵とホヘット嬢の尋問が開始された。
そしてその場で語られた真実に一同は驚愕することになる。
夜になって待ち合わせの時間が近付いて来たので、出掛けようとした時だった。
「アズミお嬢様、緊急連絡です!」
執事が慌ただしく駆け寄って来た。男爵邸を見張っているカズミからの連絡だった。
「男爵とホヘット嬢が拘束された!?」
食事どころではなくなったアズミは、直ちにハインツに連絡し自身はカズミの家に急行した。
「カズミ! どういう状況なの!?」
アズミは挨拶もそこそこにカズミに問い掛ける。
「はい、夜になってコッソリ屋敷を抜け出した男爵とホヘット嬢を、逃亡を図る意思ありと見て拘束しました。その際、男爵のカバンから密造された銃火器と違法薬物、ホヘット嬢は例のペンダントと香水を身に付けていましたので、それぞれ押収し詳しく調べております」
「そうだったのね...良くやってくれたわ。お手柄よ」
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「恐れ入ります。男爵とホヘット嬢にお会いになりますか?」
アズミは頭を振った。
「いいえ、後にするわ。それよりも先に男爵邸をガサ入れしましょう。証拠を隠滅される前に抑えないと」
「分かりました」
そこから先は早かった。アズミから連絡を受けたハインツ以下全員が集まり、騎士団を率いて急ぎ男爵邸へと向かった。
男爵邸に足を一歩踏み入れた途端、
「うっ!? こ、これは!?」
噎せ返るような違法薬物の匂いに思わず全員がハンカチで顔を抑えた。男爵邸では呆れた痴態が繰り広げられていた。
男爵夫人は何人もの若い男達と絡み合い乱交し、男爵家嫡男は若い女を何人も侍らして乱交し、男爵家長女は何人もの若い男達と乱交を繰り返すと。完全に薬でハイになって、全員が乱交パーティーに興じていた。
吐き気を催す光景にハインツは堪らず、
「このケダモノどもを全員拘束しろぉ~!」
と、怒鳴り声を上げた。拘束されている間も意識がハイになって飛んでる男爵家の連中は、自分の身に何が起こっているのか理解していない様子だった。
騎士団によって邸宅内の使用人含む全員が拘束され、敷地内に建てられた銃火器の密造施設と違法薬物の生成施設、違法植物の栽培施設などが次々に摘発された。ギリギリ間に合った違法薬物探知犬と爆発物探知犬が大活躍した。
夜が明ける頃には全ての証拠物件が抑えられ、男爵家に対する容疑が固まり、男爵とホヘット嬢の尋問が開始された。
そしてその場で語られた真実に一同は驚愕することになる。
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