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第55話 ちみっこと水竜の卵 その11
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アタシ達は円になって、次第に下がって行く地底湖の水位を全方向監視しながら見詰めた。
次に何が起こるか分からない。警戒するに越したことはない。すると、
「ね、ねぇ、見て! あそこ!」
アリシアの指差す方向に目を向けるとそこには、
「凄い...なんて大きさ...それにとってもキレイ...」
コーンフラワーブルーサファイアのように鮮やかな青色の巨大な卵が鎮座していた。
「真っ青だな」「卵って楕円形のイメージだったけど、これは真ん丸ね」「なんて神秘的な色合いだ」「こんなに大きいと持って帰れないね」「玉子焼き何人分かなぁ?」
感想は人それぞれでいいんだが、最後のヤツ、食おうとすんなや! まぁこんなズレた感想持ちはアリシアなんだが。アタシが最初に持ったイメージはモ○ラの卵だった。頭の中にあの独特なメロディーが流れたし。双子の小美人はどこだ?
「うわぁ~♪ 硬いかと思ったらプニプニしてるよ~♪ 気持ち良い~♪ ほらほら、みんなも触ってみて~♪」
アリシアッ! お前ホントに怖いもの知らずだな! 何が起こるか分かんないのに! でもまあ、危険は無さそうだし、アタシも触ってみたいし、いいかな?
「ホントにプニプニしてるよ。それに近くで見るともっと大きく見える」
見上げてると首が痛くなる程の大きさだよね。直径何mくらいあるんだろうか?
「うん? 気のせいかな?」
「どうしたの、ミナ?」
「えっ? あぁうん、卵の中で何か動いてて目が合ったみたいな? 気のせいだよね?」
次の瞬間、卵の表面がスパッと割れた。ピキピキッと罅が入ったんじゃなく、刃物で切ったみたいにスパッと。うん、気のせいじゃなかったよ!
「みんな、警戒して!」
アタシ達は後退って卵を取り囲むように布陣する。鬼が出るか蛇が出るか...果たして現れたのは、
「水竜(ブルードラゴン)...」
誰かが呟いた。
本当に水竜(ブルードラゴン)なんだろうか? 前にレッドドラゴンと対峙した時のような威圧感は全く感じない。敵意も感じない。それどころか穏やかな雰囲気が周りに漂っているように感じる。
見た目は前世の恐竜復元番組で見た、プレシオサウルスに似てるような気がする。首長竜ってヤツだ。卵と同じ真っ青な体はキレイな流線型で、お腹の所だけ白くなっている。4枚のヒレは凄く大きくて、広げるとまるで翼のよう。
見上げる程に長い首は優に5mは超えていそう。その首の上にチョコンの載った頭は、体に比べてとても小さく、口もそれ程大きく裂けていない。そして目元もキツイ印象ではなく、赤く光る瞳はとても優しい感じがした。
「キュイ!」
竜が鳴いた。その声は甲高く、産まれたばかりだからか、幼いと感じた。そしてゆっくりと長い首を下ろして来た。アタシに向かって。
「ミナッ! 逃げろ!」「逃げて! ミナさん!」「ミナッ! 食われるぞ! 避けろ!」「ヒイイッ! お、お助け~!」「うわぁ~♪ 近くで見ると可愛い~♪」
約1名除いてみんな危険だと騒いでいるが、不思議なことにアタシはちっとも恐怖を感じていなかった。寧ろそのキレイな姿に見惚れていた。赤い瞳と目が合った。
ペロン...
「うひゃあ!?」
青い舌で舐められて変な声が出た。
「キュイキュイ~」
そのまま目を細めて顔を擦り付けて来る。アタシは恐る恐る頭を撫でてみた。
「キュイキュイ~♪」
嬉しそうに更に擦り付けて来る。
「ヤダナニコレ、凄く可愛い~♪」
アタシはその可愛さに陥落した。
◇◇◇
危険は無いと判断したみんなも、恐る恐るではあるが近付いて来た。
「ホントにデッカイな全長10m以上あるんじゃないか?」
と殿下。
「産まれたばかりでこの大きさって...成長したらどこまで大きくなるのかしらね...」
とシャロン様。
「それにしても神秘的というか神々しいというか...不思議と怖さを感じない...」
とエリオット。
「ね、ねぇ! い、いきなりパクッと食われちゃったりしないよね? ねぇ、ねぇ!」
シルベスター、お前はちょっと落ち着け。食われるんならとっくに食われてるっつーの。
「うわぁ~♪ プニプニしてるよ~♪ 柔らかい~♪ 癒される~♪」
そしてアリシア、お前は馴れ馴れし過ぎだ! 竜が大人しいからって調子に乗んな! 首に抱き付くな! まぁこの竜、今んとこ何故かされるがままになってる訳なんだが。それでもねぇ...
「アリシア、そのくらいで。何がきっかけで急に怒り出すか分からないから」
「え~? この子そんなことしないよ~! ミナママの言うことちゃんと聞くよね?」
「キュイ!」
「いや、ミナママってなによ? あんたもタイミング良く返事しないように」
「えっ? だって卵から出て最初に見た者を親だと思うんでしょ? なんだっけ? イングリッシュ?」
「インプリンティングね。インしか合ってないじゃない...」
「そうそう、それ。だからこの子はミナをママだと思っているんだよ。ね?」
「キュイ!」
いやいやマジか!?
次に何が起こるか分からない。警戒するに越したことはない。すると、
「ね、ねぇ、見て! あそこ!」
アリシアの指差す方向に目を向けるとそこには、
「凄い...なんて大きさ...それにとってもキレイ...」
コーンフラワーブルーサファイアのように鮮やかな青色の巨大な卵が鎮座していた。
「真っ青だな」「卵って楕円形のイメージだったけど、これは真ん丸ね」「なんて神秘的な色合いだ」「こんなに大きいと持って帰れないね」「玉子焼き何人分かなぁ?」
感想は人それぞれでいいんだが、最後のヤツ、食おうとすんなや! まぁこんなズレた感想持ちはアリシアなんだが。アタシが最初に持ったイメージはモ○ラの卵だった。頭の中にあの独特なメロディーが流れたし。双子の小美人はどこだ?
「うわぁ~♪ 硬いかと思ったらプニプニしてるよ~♪ 気持ち良い~♪ ほらほら、みんなも触ってみて~♪」
アリシアッ! お前ホントに怖いもの知らずだな! 何が起こるか分かんないのに! でもまあ、危険は無さそうだし、アタシも触ってみたいし、いいかな?
「ホントにプニプニしてるよ。それに近くで見るともっと大きく見える」
見上げてると首が痛くなる程の大きさだよね。直径何mくらいあるんだろうか?
「うん? 気のせいかな?」
「どうしたの、ミナ?」
「えっ? あぁうん、卵の中で何か動いてて目が合ったみたいな? 気のせいだよね?」
次の瞬間、卵の表面がスパッと割れた。ピキピキッと罅が入ったんじゃなく、刃物で切ったみたいにスパッと。うん、気のせいじゃなかったよ!
「みんな、警戒して!」
アタシ達は後退って卵を取り囲むように布陣する。鬼が出るか蛇が出るか...果たして現れたのは、
「水竜(ブルードラゴン)...」
誰かが呟いた。
本当に水竜(ブルードラゴン)なんだろうか? 前にレッドドラゴンと対峙した時のような威圧感は全く感じない。敵意も感じない。それどころか穏やかな雰囲気が周りに漂っているように感じる。
見た目は前世の恐竜復元番組で見た、プレシオサウルスに似てるような気がする。首長竜ってヤツだ。卵と同じ真っ青な体はキレイな流線型で、お腹の所だけ白くなっている。4枚のヒレは凄く大きくて、広げるとまるで翼のよう。
見上げる程に長い首は優に5mは超えていそう。その首の上にチョコンの載った頭は、体に比べてとても小さく、口もそれ程大きく裂けていない。そして目元もキツイ印象ではなく、赤く光る瞳はとても優しい感じがした。
「キュイ!」
竜が鳴いた。その声は甲高く、産まれたばかりだからか、幼いと感じた。そしてゆっくりと長い首を下ろして来た。アタシに向かって。
「ミナッ! 逃げろ!」「逃げて! ミナさん!」「ミナッ! 食われるぞ! 避けろ!」「ヒイイッ! お、お助け~!」「うわぁ~♪ 近くで見ると可愛い~♪」
約1名除いてみんな危険だと騒いでいるが、不思議なことにアタシはちっとも恐怖を感じていなかった。寧ろそのキレイな姿に見惚れていた。赤い瞳と目が合った。
ペロン...
「うひゃあ!?」
青い舌で舐められて変な声が出た。
「キュイキュイ~」
そのまま目を細めて顔を擦り付けて来る。アタシは恐る恐る頭を撫でてみた。
「キュイキュイ~♪」
嬉しそうに更に擦り付けて来る。
「ヤダナニコレ、凄く可愛い~♪」
アタシはその可愛さに陥落した。
◇◇◇
危険は無いと判断したみんなも、恐る恐るではあるが近付いて来た。
「ホントにデッカイな全長10m以上あるんじゃないか?」
と殿下。
「産まれたばかりでこの大きさって...成長したらどこまで大きくなるのかしらね...」
とシャロン様。
「それにしても神秘的というか神々しいというか...不思議と怖さを感じない...」
とエリオット。
「ね、ねぇ! い、いきなりパクッと食われちゃったりしないよね? ねぇ、ねぇ!」
シルベスター、お前はちょっと落ち着け。食われるんならとっくに食われてるっつーの。
「うわぁ~♪ プニプニしてるよ~♪ 柔らかい~♪ 癒される~♪」
そしてアリシア、お前は馴れ馴れし過ぎだ! 竜が大人しいからって調子に乗んな! 首に抱き付くな! まぁこの竜、今んとこ何故かされるがままになってる訳なんだが。それでもねぇ...
「アリシア、そのくらいで。何がきっかけで急に怒り出すか分からないから」
「え~? この子そんなことしないよ~! ミナママの言うことちゃんと聞くよね?」
「キュイ!」
「いや、ミナママってなによ? あんたもタイミング良く返事しないように」
「えっ? だって卵から出て最初に見た者を親だと思うんでしょ? なんだっけ? イングリッシュ?」
「インプリンティングね。インしか合ってないじゃない...」
「そうそう、それ。だからこの子はミナをママだと思っているんだよ。ね?」
「キュイ!」
いやいやマジか!?
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