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「は~い、全員引き終わりましたね~ では行きますよ~」
『王様だ~れ?』
ソニアがそう言っても、またしても誰も手を上げなかった。
「あれれ? またですか? おかしいですね?」
ソニアは首を捻った後、徐に自分の手に残った木の棒を確認してみた。
「あ、すいません。またまた私が王様のようですね」
そう言ってソニアは全員に見えるように木の棒を見せた。
「ちょっと待ったぁ~!」
そこでライラが堪らんとばかりに声を上げた。
「あら? どうしましたか、ライラさん?」
ソニアはシレッとした顔で尋ねた。
「どうもこうもありませんよ! 明らかに! 確率的に! おかしいじゃないですか! ソニアさん、絶対なんか細工してるでしょう!?」
「失敬ですね! 変な言い掛かりを付けないで下さいよ! 私が細工したっていう証拠でもあるって言うんですか!?」
「ぐぬぬぬ...」
そう反論されてはライラとしてもどうしようもなかった。低く呻いてソニアを睨み付けるくらいしか出来なかった。
「それじゃあ続けますね~...う~ん...今回はどうしようかな~...良し! これにしよう!」
『4番の人が1番の人にプロポーズする』
「だからちょっと待ってってばぁ~!」
ソニアが言うが早いか、ライラは立ち上がって抗議した。
「またですか? ライラさん、どうかしました?」
ソニアはウンザリしたような表情を浮かべた。
「イカサマですよ! インチキですよ! 有り得ませんよぉ~!」
「だからその証拠が一体どこにあるって言うんですか? そもそも、なにを持ってイカサマだのインチキだのと言い掛かりを付けて来ているんですか?」
「だ、だってその...ま、また私の番号って明らかにおかしいじゃないですか~...」
ソニアに鋭く切り返されたライラは、ちょっと勢いを無くしてボソボソと呟いた。
「ライラさんは何番なんですか?」
「1番...」
「4番の人はどなたです?」
「僕だ」
ミハエルが手を上げた瞬間、
「ほらぁ~! やっぱりぃ~! ソニアさん、絶対なんか仕込んでるでしょうぉ~! 白状しなさいよぉ~!」
勢いを取り戻したライラは一気に捲し立てた。
「偶然ですよ偶然」
「んな訳あるかぁ!」
ライラはすっかり輩みたいな口調になってしまった。
「いやぁ、でもこんなに偶然が重なるなんて凄いですよねぇ~ もしかしたらぁ、お二人は赤い糸で結ばれてるんじゃないんですかねぇ~?」
「そんなことあって堪るかぁ~!」
「いやぁ、照れるなぁ~」
ミハエルが照れ隠しにのほほんと頭を掻いた。
「あんたも乗っかるなぁ~!」
勢いが止まらなくなったライラは、ついにミハエルにまで突っ込みを入れ始めた。
『王様だ~れ?』
ソニアがそう言っても、またしても誰も手を上げなかった。
「あれれ? またですか? おかしいですね?」
ソニアは首を捻った後、徐に自分の手に残った木の棒を確認してみた。
「あ、すいません。またまた私が王様のようですね」
そう言ってソニアは全員に見えるように木の棒を見せた。
「ちょっと待ったぁ~!」
そこでライラが堪らんとばかりに声を上げた。
「あら? どうしましたか、ライラさん?」
ソニアはシレッとした顔で尋ねた。
「どうもこうもありませんよ! 明らかに! 確率的に! おかしいじゃないですか! ソニアさん、絶対なんか細工してるでしょう!?」
「失敬ですね! 変な言い掛かりを付けないで下さいよ! 私が細工したっていう証拠でもあるって言うんですか!?」
「ぐぬぬぬ...」
そう反論されてはライラとしてもどうしようもなかった。低く呻いてソニアを睨み付けるくらいしか出来なかった。
「それじゃあ続けますね~...う~ん...今回はどうしようかな~...良し! これにしよう!」
『4番の人が1番の人にプロポーズする』
「だからちょっと待ってってばぁ~!」
ソニアが言うが早いか、ライラは立ち上がって抗議した。
「またですか? ライラさん、どうかしました?」
ソニアはウンザリしたような表情を浮かべた。
「イカサマですよ! インチキですよ! 有り得ませんよぉ~!」
「だからその証拠が一体どこにあるって言うんですか? そもそも、なにを持ってイカサマだのインチキだのと言い掛かりを付けて来ているんですか?」
「だ、だってその...ま、また私の番号って明らかにおかしいじゃないですか~...」
ソニアに鋭く切り返されたライラは、ちょっと勢いを無くしてボソボソと呟いた。
「ライラさんは何番なんですか?」
「1番...」
「4番の人はどなたです?」
「僕だ」
ミハエルが手を上げた瞬間、
「ほらぁ~! やっぱりぃ~! ソニアさん、絶対なんか仕込んでるでしょうぉ~! 白状しなさいよぉ~!」
勢いを取り戻したライラは一気に捲し立てた。
「偶然ですよ偶然」
「んな訳あるかぁ!」
ライラはすっかり輩みたいな口調になってしまった。
「いやぁ、でもこんなに偶然が重なるなんて凄いですよねぇ~ もしかしたらぁ、お二人は赤い糸で結ばれてるんじゃないんですかねぇ~?」
「そんなことあって堪るかぁ~!」
「いやぁ、照れるなぁ~」
ミハエルが照れ隠しにのほほんと頭を掻いた。
「あんたも乗っかるなぁ~!」
勢いが止まらなくなったライラは、ついにミハエルにまで突っ込みを入れ始めた。
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