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<タモリ>
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とある夜のマッサージ店。
「コブシさん、早速、指名が入ってますよ!」
出勤したばかりの私に、スタッフが声をかけた。
お客様の名前を確認しに行った。
「21時10分 S様」
S様?
私を指名してくれる人は、常連さんが多い。
だから、名前はだいたい把握している。
でも、私の記憶の中に、S様というお客様はいなかった。
データを調べてみると、1週間前に来店されて、私が施術していた。
記憶を辿る。
(あー、あの人か。でも、そんな感触感じひんかったけどなぁ?)
本当に、この「指名」というのは、わからない事がある。
すごく反応が良くて、こっちも手応えを十分すぎるほど感じてても、その後、とんと来なかったり。
かと思えば、このSさんのように無反応で、手応えさっぱり無しという人が指名してくれたり。
ホント、人の気持ちはわからんなぁと、しみじみ思う。
話をSさんに戻す。
このSさん、無口で外見は堅気ではない雰囲気。
でも、発する言葉は物腰が柔らかく丁寧。
それが逆に凄みを感じさせる。
「おたく力ありそうやな。」
マッサージを始める前に、私の体つきを見て、Sさんは言った。
しかしそれ以降、ほとんど喋らなかった。
私も、そんなに営業的なトークをする方ではないので、気になった身体の説明をし、Sさんは帰られた。
今日は二人で予約されていた。
もう1人の方は女性指名。
時間の少し前、Sさんたちは来店された。
もう1人のお連れさんもイカツかった。
会員カードを受け取りにSさんの元へ。
「コブシさん、髪切った?」
(タモリかっ!)
思わず心の中で、ツッコミを入れてしまった。
確かに昨日、一ミリのバリカンで坊主にしたばかりだった。
イカツい風貌とのコントラストに、思わず笑いそうになった。
先週、来店された時とはうってかわって、すごくフレンドリーだった。
お連れさんは舎弟・・・いや、部下みたいな方らしく、Sさんが全て支払っていた。
しかし、危うく「タモリかっ!」って、口に出してツッコむとこだった。
あのお客様の事、私の脳はカテゴリー「タモリ」でインプットされてしまった。(笑)
「コブシさん、早速、指名が入ってますよ!」
出勤したばかりの私に、スタッフが声をかけた。
お客様の名前を確認しに行った。
「21時10分 S様」
S様?
私を指名してくれる人は、常連さんが多い。
だから、名前はだいたい把握している。
でも、私の記憶の中に、S様というお客様はいなかった。
データを調べてみると、1週間前に来店されて、私が施術していた。
記憶を辿る。
(あー、あの人か。でも、そんな感触感じひんかったけどなぁ?)
本当に、この「指名」というのは、わからない事がある。
すごく反応が良くて、こっちも手応えを十分すぎるほど感じてても、その後、とんと来なかったり。
かと思えば、このSさんのように無反応で、手応えさっぱり無しという人が指名してくれたり。
ホント、人の気持ちはわからんなぁと、しみじみ思う。
話をSさんに戻す。
このSさん、無口で外見は堅気ではない雰囲気。
でも、発する言葉は物腰が柔らかく丁寧。
それが逆に凄みを感じさせる。
「おたく力ありそうやな。」
マッサージを始める前に、私の体つきを見て、Sさんは言った。
しかしそれ以降、ほとんど喋らなかった。
私も、そんなに営業的なトークをする方ではないので、気になった身体の説明をし、Sさんは帰られた。
今日は二人で予約されていた。
もう1人の方は女性指名。
時間の少し前、Sさんたちは来店された。
もう1人のお連れさんもイカツかった。
会員カードを受け取りにSさんの元へ。
「コブシさん、髪切った?」
(タモリかっ!)
思わず心の中で、ツッコミを入れてしまった。
確かに昨日、一ミリのバリカンで坊主にしたばかりだった。
イカツい風貌とのコントラストに、思わず笑いそうになった。
先週、来店された時とはうってかわって、すごくフレンドリーだった。
お連れさんは舎弟・・・いや、部下みたいな方らしく、Sさんが全て支払っていた。
しかし、危うく「タモリかっ!」って、口に出してツッコむとこだった。
あのお客様の事、私の脳はカテゴリー「タモリ」でインプットされてしまった。(笑)
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