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4章 文化祭
※ 二人で二次会しねぇ!?
しおりを挟む※誠也side
俺は勝手にぬか喜びした事を後悔して、ガッカリしていた。
すると、茜ちゃんが慌てたように話し始めた。
「違うんだ!犬飼が嫌とかじゃなくて……俺は湊と付き合ってるから、キスとかはしちゃダメだと思うんだ。だから、俺が言いたいのは……えっと……」
言葉に困ってる茜ちゃんは俺に気を使ってるようだった。
ガッカリはしたけど、こうして話してくれるだけでも喜ぶべきだよな。
「はは♪茜ちゃんだーいすき♡」
「い、犬飼……」
俺が笑って言うと、茜ちゃんは顔を赤くして見てきた。だからそう言うの期待しちゃうってば~。
「あーあ、このまま秋山達来なきゃいいのにな~。そしたら茜ちゃんと二人きりで話してられるのにな~」
「…………」
「って、んな事言ったら怒るか。茜ちゃんは秋山の事大好きだもんな。今どこにいるのか電話してみるか?」
「いや、いい。このまま待つ」
「そうですか」
いきなり大人しくなった茜ちゃん。
俺が秋山が来なければいいって言ったの気にしてるのか?えー、あれで怒らせるとか凡ミスっしょ。やべーな。せっかく良い雰囲気だったのに。
俺が内心ハラハラしてると、茜ちゃんは俺の着てたシャツの裾を引っ張った。
「犬飼が嫌じゃなければ一緒に待って欲しい。もっと話そう?」
「!?!?」
な、なんですって!?
茜ちゃん、それ甘えてるよな!?これは勘違いじゃないよな!?
恥ずかしいのか下を向いて困ったように眉毛を下げて、それでも俺のシャツをクイっと引っ張って……えー!これはヤバいって!
「ダメか?」
「ダメじゃないです!光栄です!てか茜ちゃん!今日二次会カラオケらしいけど、行く?」
「あ、せっかくだから行きたいとは思ってるけど、歌は自信がないからな」
「ならさ!二人で二次会しねぇ!?場所は茜ちゃんの好きなとこでいいから!」
「二人で?二次会を?」
俺がそんな思い付いたような提案をすると、茜ちゃんは目をパチクリさせていた。
この後の二次会は高校生だけで、参加出来る奴だけだ。主に裏方や中心メンバーだけになると思うけど、俺はそれを上手く使って茜ちゃんと二人きりになろうと思っていた。
秋山に頼ってたけど、あいつはいつ来るか分からないからな。
桃山にバレそうになったら茜ちゃんは二次会に参加したって事にすればいい。二次会に参加する奴らにも口裏合わせでおけば問題ない。
後は茜ちゃんが何て言うかだ。
「嫌なら断ってくれて構わない。茜ちゃんが決めて?」
「え……あ、する……場所は犬飼に任せる」
「嘘!?いいの!?」
信じられない展開に、確認で聞くと茜ちゃんはコクンと頷いた。
か、可愛いー♡場所は俺に任せるとかこりゃもうアレだろ!お持ち帰りオーケーってやつじゃん!?
って調子に乗らずにここは真摯に振る舞わないとな!
「でも犬飼こそいいのか?リーダーのお前が参加しないとみんな寂しがるだろ」
「全然寂しがらないから!俺がいなくてもトモや吉乃がいるから平気♪そんじゃ約束な♪」
「うん。ありがとう犬飼」
ニコッと笑ってお礼を言う茜ちゃんは、嬉しそうだった。
あーもう俺堪えられるかな?
茜ちゃんとのこの良い関係を保ちたくてずっと我慢して来たけど、今夜とうとう手出しちゃう?
だってさ、今日の茜ちゃんって何か違くね?
やけに俺に対してオープンだし、何か緩いよな?
桃山がいる事を気にしてるみたいだけど、二人で過ごす事にあっさりイエスって言っちゃうし、茜ちゃんってもしかして俺の事を?って思っちゃうじゃん♡
でもさ、もし茜ちゃんとそういう雰囲気になったらどうする?
本能のままにヤッちゃう?
それとも今まで築き上げて来た関係を守る為に友達として過ごす?
この場合どっちが正解だろうな?
「犬飼、中へ行こうか」
「おう♪」
茜ちゃんに言われて店内へ入る。
なんだかんだずっと茜ちゃんといられてるな。
店の中に入ると茜ちゃんに群がる男達。それに対して笑顔で対応する茜ちゃん。
こいつらはまだ知らない。
この後俺と茜ちゃんが二人きりで過ごす事を♡
少しだけ優越感に浸りながら、その後も俺は茜ちゃんの横で過ごした。
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