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2章 文化祭までのいろいろ
空よ、伊織を説得するのにしっかり作戦を立てようじゃないか
しおりを挟む俺は休み時間になる度に空と話して過ごしていた。
伊織は付き合い初めの頃は毎時間のように俺の所に来てたけど、今では落ち着いたのか、用がある時と、昼休み、帰りぐらいにしか俺のクラスには来なくなった。
だからこうして休み時間は空と過ごせるって訳。
「貴哉~♡久しぶりに長電話楽しかったな~♡」
「おう、遅くまで悪かったな。寝不足じゃないか?」
俺の前の席の椅子を借りて座ってる空は、俺の机に両手で頬杖をつきながらニコニコ嬉しそうに言った。
普通に可愛いなと思う。
「全然大丈夫♪てか貴哉と話せて元気出たしー?毎日でもしたいぐらいだよ」
「俺も、空となら毎日でも話せるな。あ、土曜日の事伊織には言ったから。夜までには帰らなきゃだけど」
朝の事を報告すると、空はプクッと膨れて見せた。
「ちぇ、貴哉んちに泊まりたかったのになぁ~」
「さすがにそれはマズいだろ」
「なぁ、貴哉は思わないか?俺と泊まりで過ごしたいって」
「思わなくはねぇけど、伊織を怒らせたくねぇし」
「桐原さんがいればいいのか!」
「ん?」
「夏休みに貴哉んちにみんなで泊まった事あったじゃん?あんな感じならいいんじゃね!?」
「あー、確かにそれなら伊織も文句言えねぇよな?でもお前は嫌じゃねぇの?伊織もいるとか」
「貴哉がいるなら全然嫌じゃないっ♡それに、俺桐原さんと貴哉と三人でやりたい事あるんだよな~♪」
ニヤリと笑う空。うわ、こいつなんか企んでるよ~。てか伊織もって何をやりたいってんだ?珍しく強気だけど、こんな空は久しぶりで俺は少し嬉しく思った。
「何をやりたいんだ?」
「えー、貴哉知りたい~?」
「さっさと言えよ。休み時間なくなるだろ」
「耳貸して~♪」
言われたから空に近付いて耳を向けてやる。そして空は俺の耳元で小さな声でとんでもない事を言って来た。
「貴哉と桐原さんとセックスがしたいんだ♡」
「はぁ!?おまっ!何言ってんだぁ!?」
俺は思わず立ち上がり大きな声で叫んじまった。周りに何事かと見られたからすぐに座り直して空を睨む。空はニコニコ笑顔のままだった。
こいつ、知らないおっさんとするようになってから体がおかしくなっちまったのか?前だったら絶対嫌がっただろ。
「だってさ、そうすれば貴哉に堂々と触れられるだろ?桐原さんにあの時の借り返さなきゃだし~」
空が言うあの時ってのはあれだ。まだ俺と空が付き合っていた頃に、伊織が空を挑発して三人でしてしまった3Pの事だ。空はとても嫌がっていたのに、伊織に流されてしてしまった正に俺達の黒歴史。
俺はあの時の事を思い出して恥ずかしさと後悔で吐きそうになった。
「俺やだ。てか伊織がやらせてくれねぇよそんなの」
「やらせてくれるように仕向けるんだ。これには貴哉の協力も必死なんだよ!貴哉は俺とセックスしたくないのか!?」
「やめろ!んな事大声で言うんじゃねぇ!」
「したいって言ってよ~♡なんなら俺、貴哉に挿れられてもいいし~♡」
「何!?今何て言った!?」
「あ♡食い付いた?俺もう経験済みだし、挿れてもいいよって言ったんだよ。おっさんとかとのは苦痛でしかなかったけど、愛する貴哉に挿れられたらどうなるのか試してみたいしな。本当は挿れたいけどな♡」
ぐぬぬ!それはかなり魅力的だぞ?これまでに俺は童貞を卒業する為に何度か男になろうとしていたけど、どれも失敗に終わっていたんだ。俺の童貞は伊織にあげるつもりだったけど、空にあげるのも悪くねぇな?
てか俺のケツの穴の童貞は伊織が初めてだったし……ん?この場合、ケツの穴の童貞って言うので合ってるのか?まぁんな事はどうでもいいか!
「空よ、伊織を説得するのにしっかり作戦を立てようじゃないか」
「ラジャー♪」
俺は空にニヤリと笑ってやる気を見せると、空はとても嬉しそうに笑っていた。
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