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3章 年下の友達

年下だからって簡単に奢ったりしねぇぞ

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 双葉に協力してもらって無事に空に渡すプレゼントを買えた。いろいろ見て回ったけど、あいつ良く音楽聞いてるのを見かけるから、新しいワイヤレスイヤホンにしてやった。奮発して少し高いやつだ。

 そして類の勧める中華屋で昼飯を食っていた。
 付き合ってくれた礼も兼ねてここは俺が出そうと決めていた。

 ちょうど昼休みなのかどの飲食店もそうだけど、スーツや作業着を着た人達でいっぱいだった。


「平日だけど、時間的に混んでるな」

「そうですね。嫌ですか?」

「嫌だけど、仕方ねぇだろ。食えりゃなんでもいい」


 俺は頼んだ油淋鶏を頬張りながらいつも通りにしてると、双葉はクスクス笑っていた。
 こいつ俺が何か言う度に良く笑うよな。
 別にこいつの笑い方は嫌味な感じがしねぇから悪い気はしねぇけど、俺が変な事言ってるみてぇじゃん。


「何笑ってんだよ」

「えー、だって貴哉面白いんですもん」

「面白い事言ったかぁ?お前も変わってるな」

「良く言われます。何を考えてるか分からないとか、怖いとか」

「怖い?双葉っていつもこうじゃねぇのか?」

「学校ではあまり喋りません。一人仲の良い友達がいますけど、その子がいなければ誰とも喋りません」

「一匹狼ってやつ?意外だな。お前は明るくて良い奴なのに。あ、分かった。お前周りを見下してんだろ?自分がかっこいいからってよ~」

「そんなつもりはないですけど、別に仲良くなろうとも思わないんでそうなんでしょうね」

「認めやがった!まぁお前みてぇな奴は俺の周りにゃたくさんいるから驚かねぇよ。それよりもこの後どーする?」

「…………」

「おい?双葉ー?」

「あ、じゃあ次は俺に付き合ってくれますか?行きたい所があるんです」

「いいぜ♪どこ行きたいんだ?」

「遊園地です。俺、友達と行った事がないから、是非貴哉と行ってみたいなぁって。ダメですか?」

「遊園地ぃ?今からかぁ?別にいいけど、それなら少し急ぐぞ!ほらさっさと食え!」


 意外な場所が出て来て、俺はすぐに残った皿の上のもんを食い始める。
 遊園地だと!?それならもっと早く言いやがれ!
 俺も遊園地は好きだ。でも行くからには乗り物たくさん乗りたいだろ?それに平日だから空いてるだろうし♪


「俺と行ってくれるんですか?」

「行くっての。でもここは出すけど、遊園地は自分で出せよ?年下だからって簡単に奢ったりしねぇぞ」


 ニヤリと笑って言うと、双葉は嬉しそうにニッコリ笑った。
 俺の知ってる先輩達は奢りたがりばっかだけど、俺は違う。てかそんな事してたら母ちゃんに怒られるだろーが。
 飯奢るぐれぇはしてやるけどな!


「ありがとう貴哉♪とても楽しみです♪」

「俺も♪ジェットコースターは外せねぇよな?てか久しぶりだな遊園地とか」

「貴哉は友達と行ったりするんですか?」

「行ってたな。高校上がってからはないけど、お前は乗り物何が好き?」

「俺、小さい頃に行ったのが最後で、それも家族とだったので、その頃はメリーゴーランドが好きでした」

「ぷはっ!やべぇ!そりゃいいな!んじゃお前乗ってるの写メ撮ってやるよ♪」

「今は乗りたいとは思いませんよ!あ、あと観覧車も好きでした。遠くの景色が見えてワクワクしたのを覚えてます」

「ああ、あれな~。風が強いとめっちゃ揺れるやつ。んじゃそれも乗るか。よし、行くぞー」


 お互い食い終わったのを確認して俺が会計を済ませて店を出る。後輩に奢るって何となく気分良いな♪頻繁には出来ねぇけど、たまにはやるか♪

 双葉が調べてくれたけど、遊園地までは電車一本で行けるらしい。だけど30分ぐらいかかるって。
 そしたら乗り物あんま乗れねぇかもなぁ。
 明日から学校あるし、遅くまではいられねぇしなぁ。
 てか双葉は中学生だったな。ちゃんと早めに帰してやらねぇとな。
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