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2章 球技大会
※ 貴ちゃんが二股掛けてるって事!?
しおりを挟む※伊織side
部活終わりに怜ちんと那智とマックに寄っていた。本当は貴哉と帰りたかったけど、さすがに今日は我慢する事にしたぜ。
それにしても顔のニヤけが止まらない。
それは怜ちん達にも伝わったようで、呆れたように言われた。
「ほんと、いーくんて気分屋だよね~!今日一日機嫌悪かったと思ったら帰りにはこの笑顔だもん!」
「でもいーくんは基本的にいつも笑ってね?気分屋なのって最近になってからじゃん」
既にバーガーを三個食べ終わってる那智が言う事に、怜ちんも「確かにー」って納得していた。
自分ではそんなつもりはねぇけどな。俺だって怒る時は怒る。ただ、今まで怒りの対象に出会わなかっただけだ。
中学の頃のあの事件以来何に対しても怒りの感情がわかなかったんだ。
そう、貴哉と出会って俺の怒りの感情がまた復活したんだ。なんせ貴哉はモテる。自覚ねぇみてぇだけど、見た目、タイプ問わずわらわらと寄せ付けやがる。
俺もその寄ってった一人だけどな。
でも理想の形ではないけど、やっと付き合う事が出来た!貴哉が俺の物になったんだ!
「それでー?どうして機嫌悪かったのー?」
「実は貴哉の事を諦めようとしてたんだ」
「貴ちゃんを?出来たの?」
「無理だった。嫌われようと嫌な事言ったりしたけど、出来なかった」
「だろうね。じゃあ機嫌が良くなった理由は?」
「え♡聞きたい?♡」
「うわっ!いーくんのそんな顔見た事ない!デレ過ぎじゃない!?」
「いーくんはデレてもイケメンだな!」
怜ちん達には言ってもいいよな?
てか自慢したい!貴哉は俺の物だって、誰かに言いたい!
「もしかして、貴ちゃんと上手く行ったとか?」
「でも秋山は早川と付き合ってんだろ?上手くいくもんなのか?」
「確かにー。あの二人ほんと仲良いよね~」
「おう!いつも一緒にいるもんな」
「ふっふっふ♪貴哉が早川と付き合ってられるのも今の内だぜ」
「どう言う事?」
「実はな?俺も貴哉と付き合う事になったんだよ♪もう貴哉は俺のだから♡」
「ん?ちょっと待てよ。怜ちん説明して?俺、どう言う事か分からねぇ」
「俺も混乱してる。いーくんてば何言ってるの?」
「だから~。俺と貴哉は恋人同士になったんだよ」
「いやいや、空くんは?」
「あいつとも付き合ってるよ」
「はぁ!?それって、貴ちゃんが二股掛けてるって事!?」
「そう言う事になるな。でもその内早川とは別れて俺だけのものになる予定だ」
恋人が二股とか言われるのは嫌だけど、貴哉と付き合う為なら仕方ない。
今はいい。少しずつ俺に気を向かせて早川とは別れさせれば問題無い。
「秋山もやるな~。ところでいーくん」
「何だよ那智」
恋愛とかには興味が無さそうな那智がポテトを食べながら聞いて来た。
「秋山っていいの?ずっと気になってたんだ」
「あ?」
「あはは!那智くんてば面白ーい!さすがに貴ちゃんには手出さないよね?」
怜ちんがこう言うのも、那智はファンに平気で手を出す男だからだ。でも絶対に付き合ったりはしない。
脳筋な那智からしたらセックスもスポーツになるらしい。
初めは止めてたけど、特に問題も起きてないからもう黙認している。
「出さないけど、二人はどういうセックスしてんのかなぁって。いーくん激しそうじゃん?そんないーくんに秋山はどんな風な反応するんだろうなって」
「間違っても想像すんじゃねぇぞ?那智でも許さねぇからな」
「貴ちゃんはね~、意外と甘えん坊な気がするな!普段はヤンキーみたいにオラオラ言ってるけど、いざベッドに入ると子猫みたいになるのー♪可愛い~」
「だから想像するんじゃねぇ!」
「いーくんのそういう話聞けて嬉しいんだよ俺らは」
「うんうん♪ずっと心配してたんだからね!このまま人を好きにならなかったらどうしよーってね!」
「お前ら……」
くそう。やっぱいい奴らだよな怜ちんと那智は!伊達に幼馴染やってねぇな!
だからこうしてヤバい話も出来るんだけど、俺から言わせてもらえば、二人も全然付き合ったりしねぇし、心配なんだけどな。
特に怜ちん!怜ちんは小柄な見た目で、男からの人気は俺らの中でダントツだ。まぁ怜ちんの理想が高いってのもあってなかなか浮いた話は聞けずにいる。
那智はこの通り好き勝手やってるから放っておいてる。いざ心に決めた人が出来ましたなんて言われたらそれはそれでおめでとうと言ってやりたいが、那智は当分ないだろうなー。
「まぁ相手は貴ちゃんだし、俺はいーくんが幸せになってくれればいいと思うよ」
「俺も俺も~♪いーくんと秋山が付き合ったって事は秋山が俺らと過ごす時間も増えるかもしれねぇもんな!それ楽しいな!」
「だな!今度からは貴哉も一緒だ♪」
やっぱり二人に話して良かった。
ああ、早く貴哉に会いてぇなぁ♪
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