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1章 写真ばら撒き事件

腰の痛みは同じ日に二人とヤったからです

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 怜ちんが戻って来るのを待ってる間、なっちが俺の腰をさすって来た。


「ぶつけたんだよな?それなら何もしないで安静にしてた方がいい。病院行って痛み止めとか貰うといいけど、あとは湿布だな!」

「さすがなっち!怪我には詳しいな」

「まだ若ぇし、2、3日もすりゃ治るだろ」

「なっちさんってスポーツ得意ですもんね~。こういうのも詳しいんですね」

「まぁな!怪我しないのが一番だけど、付きものだからな!」

「貴哉……かわいそう」

「大丈夫だって!朝よりはマシだから」


 四人で床に座って話してると、バタバタと慌ただしい音が聞こえて来て、息を切らした紘夢が部屋に飛び込んで来た。


「貴ちゃん!怪我してるって本当!?」

「いきなり何だよっ!ちょっと腰を痛めてるだけだっ」

「見せて!」

「はぁ!?何ともねぇって!おわっバカ紘夢っ!やめろ!」


 そのまま俺の近くまで歩いて来て、俺の背中のTシャツをガバッと捲った。
 そして履いていたズボンもパンツごとずらしやがった!

 ちょ、ケツ半分出たし!みんな見てるじゃねぇか!


「本当に何ともないね。平塚はベッドから落ちたって言ってたけど……」

「マジだ。綺麗だな」


 紘夢となっちが俺の腰を見て唸っていた。
 

「だから言ったじゃねぇか!離せよ!」

「秋山ー、本当にベッドから落ちたのか?」


 ここでなっちが首を捻って聞いていた。


「え、何でそんな事聞くんだよ?」

「もし打ったんなら内出血とかしててもおかしくねぇなって。軽くても赤みは出ると思うけど」

「へ……?」

「貴ちゃん、正直に言って。何で腰痛めたの?」


 おいおい、何だよこの空気!
 俺は半ケツで、それをみんなに見られてて、嘘ついてるような雰囲気になってやがる!

 腰が痛い理由ってそんなに大事か!?
 絶対言わなきゃいけねぇのかよ!?


「い、言いたくねぇ……」

「やっぱりあの二人か」

「やっぱりって何だよ?」

「空くんといーくんだよ。二人に無理矢理襲われて腰痛めたんだろ?」

「はぁ!?」


 紘夢は笑顔で言った。
 笑顔だけど、俺を掴む手は力が入っていてちょっと怖かった。

 しかも惜しい!


「ん?どう言う事だ?ぶつけて痛めたんじゃねぇの?」

「そうだよ。まったくあの二人はとんでもない事するね。それと、桃が言ってた3Pだけど、どう言う事!?」

「うわー、貴哉ってばあの二人とそんな事までしてたの?」

「や、やめろ!俺が全部悪いみてぇじゃねぇか!」

「俺は貴ちゃんを責めてないよ♪ただ二人が貴ちゃんを傷付けるのが許せないだけ」

「わ、分かった!全部話すから!だからケツしまわせてくれ!」


 これ以上紘夢を挑発するような事はやめよう。
 何事も正直が一番だ。

 紘夢から解放されてすぐにケツをしまう。
 どうしてみんなに俺の性事情を話さなくちゃならないんだっ。

 
「うう……腰の痛みは同じ日に二人とヤったからです。3Pはやりましたけど、あれは俺のせいじゃないですっ」

「同じ日にって、3Pじゃん!」

「秋山すげぇな!さすがに俺でもそれはねぇわ」

「違う!最初に伊織とヤって、伊織が帰った後に空とヤったんだっ!だから昨日のは3Pじゃねぇ!」

「い、一条さんっ貴哉が困ってる……から……あの、もう……やめて下さいっ」


 俺が必死で説明してると、数馬が俺の前に来て紘夢と壁を作っておどおどしながらそう言った。
 やっぱり数馬だなぁ!
 お前だけは俺の味方だぁ!

 そんな数馬に顔色変えずに紘夢が言った。


「広瀬数馬くんか。君、俺への恩を忘れたのかな?」

「っ……」

「君が今学校に通えてるのって誰のお陰だと思ってるの?教室に連れて来てくれた貴ちゃんのお陰?それ以前にあの学校に残れてる理由忘れたの?」

「わ、忘れて、ないですっ感謝してます!でも、それとこれとは別です。貴哉が困ってるの嫌なんです」

「数馬ぁ!お前最高♪何の事だか知らねぇけど、紘夢いい加減にしろよ!数馬を脅すなんて許さねぇぞ」

「……ふぅ、冗談だよ。数馬くんがここまで発言するようになった事に驚いたから少し意地悪したの。そもそも貴ちゃんと数馬くんを引き合わせたの俺だからね。二人共感謝するよーに♪」

「あのー、一条さん?それってどう言う事ですか?」


 直登が不思議そうに聞いていた。
 その話は俺も気になった。
 俺と数馬を引き合わせたって何の事だ?

 そもそも俺はボラ部で数馬と出会ったんだ。
 紘夢は関係なくないか?
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