19 / 55
目障りだから視界に入るな糞虫が
しおりを挟む授業中、中西はずっと机に伏せたままだった。中西の事だから寝てるって事はないんだろーけど、元気ない感じ。
何か調子狂うな~。
「おーい、中西?体調悪いのか?」
「貴哉……んーん。大丈夫」
ダルそうに体を起こす中西はまだ機嫌が悪そうだった。
「あのさ、原因は大体分かるけど、早川だよな?」
「はぁ、巻き込んじゃってごめんね~」
「いや、まぁ迷惑だけど、早川は金曜日に反省して謝るって言ってたんだぜ」
「ふーん。でも謝罪なんて一切ないよ」
「わ、忘れてんのかなアイツ~」
「貴哉は優しいよね。本当見た目からは想像出来ないぐらいの優しさ」
「ん?それ喜んでいいのか?」
「ぶっちゃけさ、気に入らないんだよね空くんが。急に貴哉にベタベタし出したでしょ?」
「ああ、調子に乗ってるよなアイツ」
「貴哉は空くんの事何とも思ってないんだよね?」
「ウザいと思ってるけど」
「それならハッキリ振ってあげればいいんだよ♪」
「振る?」
急に笑顔になったかと思ったらまた訳の分からない事を……
早川には十分ハッキリ言ってると思うけどな。
「とにかく空くんに、目障りだから視界に入るな糞虫がって言って」
「ぶ!お前そんな綺麗な顔してなんつー言葉を……」
「いいから言って!じゃないと俺イライラ死しちゃいそう!」
「でもいきなりそこまで言わなくても……」
「貴哉、やっぱり空くんの事が好きなんだ……」
「ちげーよ!言う!言うから変な噂広めんな!」
「やったー♡」
まぁ、これで中西が元気になってくれるんなら早川にはそれぐらいの事いつも言ってるしな。
授業が終わって、早川がこっちにやってくるのが目に入り後ろにいる中西を見ると親指を立てて行って来い!とGOサインを出された。
「たっかや~♡昼飯食堂行こうぜ~!冷やし中華始まったんだって~」
「あ、あのさ早川」
「何ー?」
「め、目障りだから視界に入るな……く、糞虫が……」
「え……?」
ど、どうだ言ってやったぜ中西さん!早川の反撃に備えるが、ボーッとしてなかなか言い返して来ない。一瞬悲しそうな顔に見えたのは気のせいか?
「は、早川?」
「分かった。今日は一人で食うよ」
「へ?」
ちょー意外な反応!絶対何か言い返してくると思ったのにあっさり引いて行ったぞ?
そして後ろで聞いていた中西はご満悦な様子だった。
「良く言ったね貴哉♡俺スッキリしちゃった♡」
「はは、なら良かった……」
あれ、本当に良かったのか?あんな早川の顔見た事ないぞ。
中西が元に戻ったのは良かったけど、早川に対しては心にモヤモヤが残った。
10
お気に入りに追加
73
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
目が覚めたら、妹の彼氏とつきあうことになっていた件
水野七緒
BL
一見チャラそうだけど、根はマジメな男子高校生・星井夏樹。
そんな彼が、ある日、現代とよく似た「別の世界(パラレルワールド)」の夏樹と入れ替わることに。
この世界の夏樹は、浮気性な上に「妹の彼氏」とお付き合いしているようで…?
※終わり方が2種類あります。9話目から分岐します。※続編「目が覚めたら、カノジョの兄に迫られていた件」連載中です(2022.8.14)
【完結・BL】DT騎士団員は、騎士団長様に告白したい!【騎士団員×騎士団長】
彩華
BL
とある平和な国。「ある日」を境に、この国を守る騎士団へ入団することを夢見ていたトーマは、無事にその夢を叶えた。それもこれも、あの日の初恋。騎士団長・アランに一目惚れしたため。年若いトーマの恋心は、日々募っていくばかり。自身の気持ちを、アランに伝えるべきか? そんな悶々とする騎士団員の話。
「好きだって言えるなら、言いたい。いや、でもやっぱ、言わなくても良いな……。ああ゛―!でも、アラン様が好きだって言いてぇよー!!」
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
ハイスペックストーカーに追われています
たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!!
と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。
完結しました。
食事届いたけど配達員のほうを食べました
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
なぜ自転車に乗る人はピチピチのエロい服を着ているのか?
そう思っていたところに、食事を届けにきたデリバリー配達員の男子大学生がピチピチのサイクルウェアを着ていた。イケメンな上に筋肉質でエロかったので、追加料金を払って、メシではなく彼を食べることにした。
プロデューサーの勃起した乳首が気になって打ち合わせに集中できない件~試される俺らの理性~【LINE形式】
あぐたまんづめ
BL
4人の人気アイドル『JEWEL』はプロデューサーのケンちゃんに恋してる。だけどケンちゃんは童貞で鈍感なので4人のアプローチに全く気づかない。思春期の女子のように恋心を隠していた4人だったが、ある日そんな関係が崩れる事件が。それはメンバーの一人のLINEから始まった。
【登場人物】
★研磨…29歳。通称ケンちゃん。JEWELのプロデューサー兼マネージャー。自分よりJEWELを最優先に考える。仕事一筋だったので恋愛にかなり疎い。童貞。
★ハリー…20歳。JEWELの天然担当。容姿端麗で売れっ子モデル。外人で日本語を勉強中。思ったことは直球で言う。
★柘榴(ざくろ)…19歳。JEWELのまとめ役。しっかり者で大人びているが、メンバーの最年少。文武両道な大学生。ケンちゃんとは義兄弟。けっこう甘えたがりで寂しがり屋。役者としての才能を開花させていく。
★琥珀(こはく)…22歳。JEWELのチャラ男。ヤクザの息子。女たらしでホストをしていた。ダンスが一番得意。
★紫水(しすい)…25歳。JEWELのお色気担当。歩く18禁。天才子役として名をはせていたが、色々とやらかして転落人生に。その後はゲイ向けAVのネコ役として活躍していた。爽やかだが腹黒い。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる