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「アリアベル、お前、そろそろ成人だな」
大大大好きな私の師匠である大賢者様は、最近、いやここ数年少し様子がおかしい。
私が幼い頃彼に拾われて弟子にしてもらってから、今まで見たことがないくらい悩んでいるみたいなのだ。眉を寄せながら何か言いたそうにじっとこちらを見つめてきたり、ため息が多かったり、帰る時間が遅かったり。
優しく笑ってくれたと思ったら急によそよそしい態度を見せたりもする。名前を呼んでもらったのだって、かなり久しぶりだ。
今も私が一人で済ませた夕食後のお茶を飲んでいると、遅く帰ってきた師匠が目を泳がせながら私の対面に座り、いきなりそんなことを言い出した。
「はい、なんですか師匠。成人したら結婚してくれるんですか?」
「阿呆! お前な、俺は真面目に話をしようと思って……!」
ダン! と師匠がテーブルを叩く。
危ない。お茶が溢れるところだった。
今日も私はいつものように師匠にアプローチして、いつものように怒られている。私はいつだって大真面目なのに。
この大賢者様、目付きが悪いくせに変なところで真面目なのだ。あ、目付きが悪いと言っても師匠はものすごく格好いい。三十を過ぎて男っぷりは上がるばかり、長めの深い青の髪はさらさらつやつやだし、鼻筋はすっと通っていて切れ長の輝く金色の目はずっと見ていたいほど綺麗だ。
しかも若干二十歳で魔術師の中で最高の称号“大賢者”を得た魔術の天才ときたら、それはもう国中の未婚女性が師匠を狙っていると言っても過言ではない。
そんな師匠に私はもうずっと夢中なのに、師匠は全く相手にしてくれない。初めて会った時は子供だったから仕方ないかも知れないけど、私はもうすぐ十八になるのに。
「……セイルフリート様」
「!」
いつもは呼ばない、師匠の名前。師匠が嫌がるから呼ばない、師匠の名前。
「私は、あなたが好きなんです。何回も何回も言ってますけど、毎回本気なんです。私だってそろそろ成人になるのですから、だから、その……えっと……わ、私のこと、もっと……」
……うああああ! 顔から湯気が出そう! 真面目に気持ちを伝えるの、すごく緊張する!!
でも、いつもみたいに軽い調子で伝えて流されるのはもう嫌なんだもん! いい加減、女の子として見て欲しい。
けれど、師匠は顔をしかめて、ふいっと視線を逸らした。
「名前で呼ぶなと言っているだろう」
「……はい。申し訳ありません……」
ああ、今日も撃沈。
いつもこんな感じなのに師匠のことを諦められないのは、女の子としてではなくても、師匠が私を特別大事に思ってくれているのを知っているからだ。
師匠は国一番の、いや世界で一番の魔術師なのに私以外に弟子をとらないし、お屋敷には私以外の若い女性は入れないし、みんなの前では滅多に笑わないのに、私といる時は優しい顔でよく笑うのだ。
こんなの、こんなの、期待するなっていう方が無理だからー! 師匠が私だけに見せる笑顔を見る度に惚れ直しちゃうのは当然だからー!
けれど師匠はやっぱり今日も私の気持ちに応えてくれないのだ。私は思わずため息を吐いてしまった。
そんな私を気遣わしげに見ながら、師匠はとんでもないことを言い出した。
「……実はお前に、見合い話があって」
「……はい?」
師匠が綺麗な装丁の釣書と思わしきものを取り出した。
「向こうが是非にと言っていて……俺もいい話だと思う」
師匠が目線を逸らしつつ差し出した釣書を呆然と見つめる。
……ええと、これは何? どういうこと?
つまり、私はついに師匠に引導を渡された、ということ?
駄目だ。目の前が真っ白になってきた。やばい倒れそう。
……いやダメだ、しっかりしろ私! 師匠が心配しちゃうでしょ!
「わかりました、後で確認します。今日は疲れてしまったので、もう寝ますね。失礼します」
「え、おい……」
私はなんとか笑顔を作り、師匠の言葉を無視して部屋を出た。まだ寝るには早いけど、自分の部屋に戻ろう。もうあと一秒だって、笑顔を作ってなんていられなかったもの。
私と師匠が出会ったのは、私が十歳、師匠が二十五歳の時だ。
実は私は、十歳より前の記憶がない。
一番古い記憶は、泣きじゃくる私を優しく抱きしめてくれる師匠のこと。
『大丈夫だ、俺がお前を引き取る。一緒に暮らすぞ、アリアベル』
膝をついて抱きしめながら私の頭を撫でる師匠の手がどこまでも優しくて温かくて、すごく安心したのを覚えている。
どうやら私は自力で魔力を使えない体質らしく、魔術が使えないと知るや親に捨てられてしまったらしいということを後で知った。貴族は魔力がない子を産むことは恥だとされているから、もしかしたら私の親は貴族だったのかもしれない。
ひどい親だと思うけど、そのおかげで師匠に会えたのだと思うとむしろ感謝したいくらいだ。会いたいとは思わないけど。
師匠は捨てられた私を拾って育ててくれて、一般的な魔術を使えない私に召喚術を教えてくれた。
召喚術は私に向いていたようで、今では国で一番の召喚師だと言われたりしている。
『召喚した精霊たちは勝手にお前の魔力を吸いとって使ってくれる。だからたくさんの精霊と契約できれば、お前だって他の魔術師と何ら変わらず魔術が使える』
師匠が私に教えてくれたことや与えてくれたことは数えきれない。
……なのに私は師匠に、何もあげられていなかった気がする。そりゃあ師匠もうんざりするよ、面倒ばっかりかける弟子が毎日のように気持ちを押し付けてくるんだから。
……うん、もういい加減、面倒をかけるのはやめよう。
師匠は私が他の人と結婚すればいいと思ってるのかもしれないけど、そんなのは無理だ。絶対無理。師匠以外の人を好きになれるわけがないもん。
でも、師匠はつまり私を他所へやりたいということなんだから、他の人と結婚しなくてもここから出て行けば同じことだよね。
そばにいたら絶対に気持ちを誤魔化せないから、迷惑をかけないようにするためには、もうそうするしかない。私が師匠の屋敷を出ていったら、いい加減諦めたんだと、一人立ちしたんだと、師匠はホッとするはずだ。
師匠は最近ずっと、この屋敷では私を避けていたもんね。ちゃんと気づいていたのに、往生際が悪い弟子でごめんなさい、師匠……。
私が師匠にできる最大の恩返しが離れることだなんて、本当に情けない。でも、師匠はお金持ちだし、一人で何でもできるし、私が他にしてあげられることなんてないのだ。
ならば、私は喜んで出て行こう。うすうす感じてはいたから大丈夫。師匠が私に向ける気持ちはあくまで家族愛で、いつまで待ったって、私と同じものにはならないんだって。
私は今夜の内に屋敷を出るべく、荷物をまとめはじめたのだった。
大大大好きな私の師匠である大賢者様は、最近、いやここ数年少し様子がおかしい。
私が幼い頃彼に拾われて弟子にしてもらってから、今まで見たことがないくらい悩んでいるみたいなのだ。眉を寄せながら何か言いたそうにじっとこちらを見つめてきたり、ため息が多かったり、帰る時間が遅かったり。
優しく笑ってくれたと思ったら急によそよそしい態度を見せたりもする。名前を呼んでもらったのだって、かなり久しぶりだ。
今も私が一人で済ませた夕食後のお茶を飲んでいると、遅く帰ってきた師匠が目を泳がせながら私の対面に座り、いきなりそんなことを言い出した。
「はい、なんですか師匠。成人したら結婚してくれるんですか?」
「阿呆! お前な、俺は真面目に話をしようと思って……!」
ダン! と師匠がテーブルを叩く。
危ない。お茶が溢れるところだった。
今日も私はいつものように師匠にアプローチして、いつものように怒られている。私はいつだって大真面目なのに。
この大賢者様、目付きが悪いくせに変なところで真面目なのだ。あ、目付きが悪いと言っても師匠はものすごく格好いい。三十を過ぎて男っぷりは上がるばかり、長めの深い青の髪はさらさらつやつやだし、鼻筋はすっと通っていて切れ長の輝く金色の目はずっと見ていたいほど綺麗だ。
しかも若干二十歳で魔術師の中で最高の称号“大賢者”を得た魔術の天才ときたら、それはもう国中の未婚女性が師匠を狙っていると言っても過言ではない。
そんな師匠に私はもうずっと夢中なのに、師匠は全く相手にしてくれない。初めて会った時は子供だったから仕方ないかも知れないけど、私はもうすぐ十八になるのに。
「……セイルフリート様」
「!」
いつもは呼ばない、師匠の名前。師匠が嫌がるから呼ばない、師匠の名前。
「私は、あなたが好きなんです。何回も何回も言ってますけど、毎回本気なんです。私だってそろそろ成人になるのですから、だから、その……えっと……わ、私のこと、もっと……」
……うああああ! 顔から湯気が出そう! 真面目に気持ちを伝えるの、すごく緊張する!!
でも、いつもみたいに軽い調子で伝えて流されるのはもう嫌なんだもん! いい加減、女の子として見て欲しい。
けれど、師匠は顔をしかめて、ふいっと視線を逸らした。
「名前で呼ぶなと言っているだろう」
「……はい。申し訳ありません……」
ああ、今日も撃沈。
いつもこんな感じなのに師匠のことを諦められないのは、女の子としてではなくても、師匠が私を特別大事に思ってくれているのを知っているからだ。
師匠は国一番の、いや世界で一番の魔術師なのに私以外に弟子をとらないし、お屋敷には私以外の若い女性は入れないし、みんなの前では滅多に笑わないのに、私といる時は優しい顔でよく笑うのだ。
こんなの、こんなの、期待するなっていう方が無理だからー! 師匠が私だけに見せる笑顔を見る度に惚れ直しちゃうのは当然だからー!
けれど師匠はやっぱり今日も私の気持ちに応えてくれないのだ。私は思わずため息を吐いてしまった。
そんな私を気遣わしげに見ながら、師匠はとんでもないことを言い出した。
「……実はお前に、見合い話があって」
「……はい?」
師匠が綺麗な装丁の釣書と思わしきものを取り出した。
「向こうが是非にと言っていて……俺もいい話だと思う」
師匠が目線を逸らしつつ差し出した釣書を呆然と見つめる。
……ええと、これは何? どういうこと?
つまり、私はついに師匠に引導を渡された、ということ?
駄目だ。目の前が真っ白になってきた。やばい倒れそう。
……いやダメだ、しっかりしろ私! 師匠が心配しちゃうでしょ!
「わかりました、後で確認します。今日は疲れてしまったので、もう寝ますね。失礼します」
「え、おい……」
私はなんとか笑顔を作り、師匠の言葉を無視して部屋を出た。まだ寝るには早いけど、自分の部屋に戻ろう。もうあと一秒だって、笑顔を作ってなんていられなかったもの。
私と師匠が出会ったのは、私が十歳、師匠が二十五歳の時だ。
実は私は、十歳より前の記憶がない。
一番古い記憶は、泣きじゃくる私を優しく抱きしめてくれる師匠のこと。
『大丈夫だ、俺がお前を引き取る。一緒に暮らすぞ、アリアベル』
膝をついて抱きしめながら私の頭を撫でる師匠の手がどこまでも優しくて温かくて、すごく安心したのを覚えている。
どうやら私は自力で魔力を使えない体質らしく、魔術が使えないと知るや親に捨てられてしまったらしいということを後で知った。貴族は魔力がない子を産むことは恥だとされているから、もしかしたら私の親は貴族だったのかもしれない。
ひどい親だと思うけど、そのおかげで師匠に会えたのだと思うとむしろ感謝したいくらいだ。会いたいとは思わないけど。
師匠は捨てられた私を拾って育ててくれて、一般的な魔術を使えない私に召喚術を教えてくれた。
召喚術は私に向いていたようで、今では国で一番の召喚師だと言われたりしている。
『召喚した精霊たちは勝手にお前の魔力を吸いとって使ってくれる。だからたくさんの精霊と契約できれば、お前だって他の魔術師と何ら変わらず魔術が使える』
師匠が私に教えてくれたことや与えてくれたことは数えきれない。
……なのに私は師匠に、何もあげられていなかった気がする。そりゃあ師匠もうんざりするよ、面倒ばっかりかける弟子が毎日のように気持ちを押し付けてくるんだから。
……うん、もういい加減、面倒をかけるのはやめよう。
師匠は私が他の人と結婚すればいいと思ってるのかもしれないけど、そんなのは無理だ。絶対無理。師匠以外の人を好きになれるわけがないもん。
でも、師匠はつまり私を他所へやりたいということなんだから、他の人と結婚しなくてもここから出て行けば同じことだよね。
そばにいたら絶対に気持ちを誤魔化せないから、迷惑をかけないようにするためには、もうそうするしかない。私が師匠の屋敷を出ていったら、いい加減諦めたんだと、一人立ちしたんだと、師匠はホッとするはずだ。
師匠は最近ずっと、この屋敷では私を避けていたもんね。ちゃんと気づいていたのに、往生際が悪い弟子でごめんなさい、師匠……。
私が師匠にできる最大の恩返しが離れることだなんて、本当に情けない。でも、師匠はお金持ちだし、一人で何でもできるし、私が他にしてあげられることなんてないのだ。
ならば、私は喜んで出て行こう。うすうす感じてはいたから大丈夫。師匠が私に向ける気持ちはあくまで家族愛で、いつまで待ったって、私と同じものにはならないんだって。
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