詩まとめ

谷岡藤不三也

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歌詞(詩)集3「五臓六腑」

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歌詞(詩)集3「五臓六腑」



「価値がないと知っている」

変わらない数字
空虚

君の創作には価値ないんだよと言われているようだ
実際そうなのだろう
価値の尺度は他人だから

動かない数字
イコールゼロ
結果という結果は何もない

自分が満足できればいいという詭弁
それじゃ生活できないわ

価値がない
ゴミ製造機のくせにいっぱしのアーティスト気取りかい?

拙い
面白くない
下手
ただそれだけ
シンプルな原因

きっと喜ばれていないのだろう
この反応が全てだ
喜ばれるためにしてるわけじゃないが
喜ばれなかったらそりゃ虚しいわ

価値のないものを、それでもいいと作り続けるのは意地か、執着か
価値か、無価値か
少なくともカッコ良くはない
礼賛されるべきものじゃないよ、諦めないというものも大概さ
ゴミクズだと自分でも思うよ
今を思うと、やっぱりね

舌を噛み切る勇気もなければ
打破しようとする力もない
だらだら流れていくだけのゴミ
流れるプールに浮いてるゴミと同じだよ俺は今
誰も否定できない事実さ

ゴミなんだからせめて燃えてエネルギーになって
なんかの役に立てよ



「夜空に吸い込まれてしまえばいいのに」

あったかい夜
君は必要ないと言われているようだ

明るい夜
マンションの灯り
街灯
車のライト
俺は求められていないようだ

夜中道路のど真ん中歩いて
人も車もいない広い道を歩いてて
何をどうしたいんだろうなって
何かに浸ってる

何もすることがないと空を見上げる
星や月や雲を見る
いつも違う
退屈しない
意味のあることのように思える



「息するの好き」

空気を吸って吐く
ゆっくり吸ってゆっくり吐く
これで十分じゃね
十分リラックス
十分気持ちが良い

タダです
無料(タダ)です
ありがたい

生命の特権

神秘に感謝
地球に感謝
宇宙に感謝

自分が生きている証
呼吸しよう
存分に呼吸しよう

いいもの吸って
悪いもの吐いて
循環させよう
換気させよう
巡らせよう

全身至る所に
赤血球に乗って
届けよう酸素



「マシーンじゃ不適正」

マシーンになろうとするな
マシーンの世界じゃお前は落第
どうやったってお前は人じゃん
マシーンにゃなれねえよ
マシーンは甘くないよ
隙なんかないよ
お前みたいに揺ら揺ら揺れることはないよ
いつでも完璧だよ
命令を完璧にこなす
それがマシーン
それがお前にできる?

固い意志ある?
鋼の叡智ある?
柔軟という聞こえのいい実行性のないやつなんじゃないの
お前はマシーンにはなれない
躊躇うな、恥ずかしいことなんかじゃない
みんなそうで、全て当たり前で
人なんだから人として胸張って生きてけよ



「がんばるんば」

頑張ってるとか言いたくない言われたくない
頑張ってないって
自分が一番わかってるから

というか頑張りたくない
頑張り続けられないから
継続しなかったら意味ないんだから

継続のバフ効果を得るために
頑張らずにコツコツ淡々と積み上げたい
意識の問題
でもそれは伝わらないし、自分じゃ頑張ってないと思ってるし
客観的に何をしていようと

頑張ってるとか言いたくない言われたくない
頑張ってないって
自分が一番わかってるから
頑張れって言われると
頑張らなきゃって思っちゃうのが嫌だ
真っ白になるまで頑張っても
身が粉になった後には何も残らないから
その先の人生風に吹かれるままからっからでいたくない
だから今日も頑張らない
できるギリギリを攻めない
飽きたらすぐに別のことをする
でも安心して
トータル戦法
トータルで考えたら、やらなきゃいけないことは少しずつ進んでるから
安心していいよ
頑張らなくていいよ



「私語厳禁」

ちゃんとやってるから
語らないでくれ

ちゃんとやってるから
覗き込まないでくれ

こっち見ないで調子狂う
焦る動揺する
震え出す

人には喋れない
何してるかを
なぜなら知られると語られるから
口伝、口伝染
俺の知らぬところで変異する

評価されるのも嫌だし
配慮されるのも嫌だ
ほっといてくれ!

ちゃんとやってるから
語らないでくれ

ちゃんとやってるから
覗き込まないでくれ

こっち見ないで調子狂う
焦る動揺する
震え出す

語られるから人には言いたくない
聞かれても答えない
でもちゃんとやってるから
これで今俺の心は安定してるから
知られないことで
自分だけが知ってることで
考えられる、頑張れるから
人の目がない方が俺は頑張るから
そういうやつだから
わかってくれなくてもいいから

とにかく構わないでくれ
どんな気もかけないでくれ
頼むから心はひとりにさせてくれ!
静かにしてくれ!



「依る」

依存して
体ボロボロになって
それでも依存して
哀れだな
惨めだな
かっこ悪い
ダサいと思う

指摘されて嫌に思うのは
思うところがあるから
無意識に己の非を認めているから
でも意識は認めない受け止めない理解しない
齟齬、食い違い、歪み
だから怒る
だからキレる
幼稚に
自己矛盾からくるストレスを他の何かにぶつけて発散しようとする
いっときの感情は解決できても
根本が未解決
だからまた指摘されたら
また同じように怒る
まるで成長がない
再放送が望まれるのはその番組が面白いからだ
君のキレた姿は滑稽だ
目も当てられない
二度と見たくない



「コミュ」

別に答えが欲しくて聞いてるわけじゃない
調べれば答えなんてものはすぐにわかるから
答えなんてつまらないものはどうでもよくて
一緒にわからないを楽しみたい
一緒に疑問を解き明かそうとしたい

思考こそが人間に与えられたいちばんの贅沢なのだから
一番の楽しみでありいちばん無価値であり、一番の暇つぶしなのだから

話したいだけなんだ
コミュニケーション取りたいだけなんだ

ああでもないこうでもないと考える時間の贅沢さを共に味わいたいのだ
テレビやスマホやらに与えられるのではなく
与えられるのを待つのではなく
私たちが生み出していきたい

他に依存せず
自分たちで自由に楽しみを生み出したいのだ

会話は心地いい
この気持ちよさを頭をひらいて解明してほしいものだ
私たちに意味はないけど

意味があるのは今この二人の間に生まれるやり取りのみ
楽しいのは今ここ



「スピード」

スピードがパワーになる
スピードが推進力になる
スピードが健康の秘訣

焦ることや雑になることと癒着しがちなスピード
それを忌避してゆっくりと歩むのもいいだろう
ただ気持ちはだんだんとその歩みに置いていかれる
興味を失う
だるい
かったるい
分離する

心理的抵抗感
重くなってく
初めて知った時の新鮮味と軽やかさはどこへ
ワクワクした気持ちは色褪せて枯れた?

洗って取り除いてスピードを取り戻せ

スピードがパワーになる
スピードが推進力になる
スピードが健康の秘訣

焦らずスピード
雑にならずにスピード
スピードだ
何をおいてもスピードだ
気持ちを離すな
スピードで引きつけて
分離しないうちに
高速で回していけ興味
飛びついていけ知識



「あの頃は宝」

今ならまだ間に合う!
今すぐに走り出せ
目の前の坂全力で駆け上がれ
てっぺんで見回して
いなかったら即下れ!
そこにもいなかったら、また坂駆け上がれ
見つけるまでひたすらぐるぐるしろ!

暑すぎる夏に負けないくらいの熱気
演じるのではなくありのままをぶつけるんだ!

めちゃくちゃになったっていいさ
頭に心に映像に残ってれば
振り返って笑い合える
こいつらとは一生の関係
崩れないと信じられる!

あの夏、駆け回ったあの夏を思い返して何を思う
あの頃は良かったな?
変わっちまったな?
それとも今も昔もあんま変わってねーな!?
心の真ん中、何事も楽しむ気持ちは変わりたくねーよな!

今ならまだ間に合う!
今すぐに走り出せ
目の前の坂全力で駆け上がれ
てっぺんで見回して
いなかったら即下れ!
そこにもいなかったら、また坂駆け上がれ
見つけるまでひたすらぐるぐるしろ!

見つけるまで粘れ!
水飲みながら粘れ!
今すぐに見つからなくていい
見つけようという心を取り戻せれば
自ずと見つかるはずのものだからな!



「エコーチェンバー」

何を聞くか、自分で選んでいるようで選ばされている
テーブルの上に準備されたもの
あらかじめ間引かれたもの
自分にとって気持ちのいい好みのものばかり

たまには知らないもんにもチャレンジしてみようぜ
食わず嫌いじゃもったいない
新しい好きが見つかるかもしれねーじゃん
自分の言葉のリフレクトに頭を破壊されて、体を縛られてしまう前に
壁ぶち壊して次の部屋へ次の部屋へ

狭い部屋が世界の全てで
その外は全部嘘なんて
そんなわけないこと、わかってんだろ?
わかってるなら出ていけよ、なーんて安っぽい正論は聞かないでいい
ただ少しずつノックしてみなよ
自分の部屋の壁の薄さくらいは感じてもいいんじゃないの

何を聞くか、自分で選んでいるようで選ばされている
テーブルの上に準備されたもの
あらかじめ間引かれたもの
自分にとって気持ちのいい好みのものばかり

でもそれじゃ退屈だから
窓ぶっ壊して飛び出そう
外にあるもの全部を自分の部屋にしてしまえ



「身近な異世界」

ここは夢の国
ショップの隅にある夢の国

暖簾をくぐって、卒業式
欲望が満たされる
あの空間にいるだけで

あれこれ妄想が溶け出していく
形になったものはここにある

見てるだけで楽しい
歩くだけで満たされる
喚起され、充足される
この世界のエコシステム

この世界の住人は他人に干渉しない
程よい距離感が心地いい
心遣い
ここでは皆、一つの方向を向いていて
ここでは皆、人に優しくできるのだ

地上の楽園はショップの隅っこにあったのだ

ここは夢の国
ショップの隅にある夢の国

暖簾をくぐって、卒業式
欲望が満たされる
あの空間にいるだけで

あれこれ妄想が溶け出していく
形になったものはここにある

出て行った時の満足感
しかし頭はすぐに切り替わる

ショップの中にある異世界
何か物足りないなと思ったら
勇気出してくぐってみなよ、その暖簾をさ



「自分ルール」

ストレスという免罪符で暴飲暴食しているお前の罪を数えろ

下卑た笑い
不愉快な笑い
鏡になってお前を映してやりたいよ

よくわからん報酬
手数料だ?100円チョコだ?
マッサージしろって?注文しとけって?
舐められてる、軽んじられてる
いつ欲しいと言った?
嫌だと断ったはずなんだけどな
そんな付加価値にもなってない条件出されて心変わりすると思うのか?
お前がただいくらか金払うだけだろ?
それは俺にとっちゃなんの得にもなってないんですけど?

身の程を弁えたい
身だしなみを整えたい
心も体も弛ませたくない
みっともない姿にはなりたくない

誰に説明できなくとも自分さえ分かってりゃいい
それで自戒できてりゃいい
自分ルール
甘くならないように
でも身を壊さぬように
己を戒める

自分ルールは言い訳の場所じゃない
甘える場所じゃない
誰よりも厳しく、触れられたくないと無意識で隠してる場所をつく
誹謗中傷にならぬように痛いところをつく
ツボみたいなもんだ
その痛みでハッとするだろ
頭をはっきりさせろ
血を巡らせろ
戒めるんだ自分を
自分に胸張れる自分に
頭の中だけにいる理想の自分ってやつを具現化しろ



「終わってる」

終わってんのはわかってんだよ
もう年だってわかってんだよ

でも地面這いつくばってるわけにはいかねえから
頑張ってアスファルト掘ってんだよ
地面掘って頑張って潜ってんだよ
潜水してんだよ

頑張って終わりまくってんだよ
取り返せねえんだからどうせ
とことんまで終わってやろうって腹括ってんだこちとらよ

自分で掘ってんだよ
墓穴掘ってんだよ自分のやつをよ
進んで終わりに行ってんだよ
もうそれ以外ないんだよ
閉じた未来に自分から頭突っ込んでズカズカその中を進んでくしかねえんだよ

やることなくて暇なんだよ
どうせなら終われるだけ終わろうぜ



「なんのためのバトルですか?」

いやもういいってお前の勘違いバトルはいいってば
内輪揉めばっかりしないでくれ
楽しくないって

相棒消して、安易にシリアス?ドラマチック?
いやいや重要なのはそこへ至る流れだろ

正義同士がぶつかり合う?
それ毎回そう?
ぶつかり合う画だけが欲しくて
理由は適当になっちゃってんじゃないの?

安易、安直、見下してるお前らが見透かされてるよ
見透かされてもなお、視聴者バカにしたスタンス貫けるの?
面の皮が厚くてもいいことないよ?
それは作家性でもなんでもないよ
こだわりを言い訳のために使わないでくれるかな?
固執してるだけなんだからさあ

特別な考えもなく、ただ型にはまってポーズ取ってりゃいいって
アホかよ
作ってる甲斐がないだろ
なんのためにをもう一度考え直してみたらいかが?



「やだよ、めんどくさい」

きもいきもいって
なんでも原因自分に引っ張って
被害者ヅラ?
普通になりたい?普通って言われると嬉しい?
なにそれ悲劇のヒロイン的な?
めんどくさい主人公観
付き合ってられないよ、だって俺も主人公
俺の人生捧げてまでお前の自演に付き合ってられんよ
俺の時間も有限だから
無駄にしていいってお前なんかは思ってるかもわかんねえけど
俺からしたらこんなに貴重なものねえから
ようやく自分のために時間を使うことの大事さとその実行ができてきつつあるんだから
邪魔しないでくれ



「ちぇ、チャンス失った」

嬉しいからと言って信用してはいけない
舞い上がるな、足元見られるぞ
利用されて馬鹿にされて
傷つくことになるぞ
いつでも奴らはお前の隙をうかがってるぞ
つけ入る隙をうかがってるぞ

チャンスは与えるな
気持ちは出していいが
見えないくらいの距離を取れ

相手に「はから」れるな
手札を見せるな
こんなもんなのねと値踏みされるな

こちらから仕掛けるな
仕掛けたら仕掛け返される
見たら見られる
途端に勝負
それは避けたい

人は大事
自分も大事
だからこそ摩擦が怖い
戦うのが怖い

関わっているようで関わってない
その距離感を心がけよう
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