6 / 13
6話 混乱
しおりを挟む
6話 混乱
瑞稀さんの部屋は、ライトが消され、戸川くんと同じように遺体の姿も見えなくなった。あれから、優子さんと恭子さんは言い争いを始め、久美さんは、関わるだけ無駄とでも言いたげな顔で、布団に寝転がっていた。鶴本くんも、女性2人の言い争いに顔を顰めながらも、2回も人間の死を目の当たりにして疲弊しているようで、壁にもたれかかったまま、動かなくなった。
僕はというと、このメンバーの中での発言権が失われていた。2人が言い争っているのも、僕のことが原因。きっかけは、恭子さんの発言だった。
「こいつが…佐々木が、傾向と対策を考えようとか言い出したから、回答者に助言ができなくなったんじゃない!」
恭子さんは、問題が出題された瞬間、瑞稀さんが答えるべき回答に予想がついていたらしい。でも、試験官が回答者以外の私語を禁止してしまったから、間接的ではあるけど、僕が瑞稀さんを殺したようなものだ、と責め立ててきた。優子さんは僕を庇って、僕の発言でみんなが前向きに生き残ろうと思えたんだ、私語が禁止になったのは結果論であり、僕に罪はない、と主張した。
(…僕は、少しでも生き残る可能性にかけて、動こうと思っただけだったけど…、まさか、こんなことになるなんて。恭子さんに恨まれても、仕方がない…)
「佐々木くんだけの責任じゃないわ。私だって、これは試験なら、傾向と対策ができるはず、って提案した。私も、こんなことになるなんて、思ってもなかった!それに、恭子だって、何とか生き残りたいと思ったから話にのってきたんでしょう?この中の誰にも、佐々木くんを責める資格なんてないわ!」
「…それでも、瑞稀に助言できなくなったのは、傾向と対策を読もうとしたせいってことは変わらない!優子に何を言われようと、私はこいつを恨む。瑞稀を、回答者を助けられなくなった状況を作った!」
「…そろそろ黙れ、お前ら。」
鶴本くんは、閉じ込められた当初のような、恫喝する勢いではなく、お前らの喧嘩は不毛だと言いたげな雰囲気で、2人を制した。
「恭子とか言ったか、てめぇは恨む相手を間違えてやがる。あのクソ試験官がルールを追加したってことしか見えてねぇ。」
「な、何よ、いきなり…」
「そもそも、俺らをここに閉じ込めたやつは誰だ?俺の隣にいるこいつか?それとも、今お前が口喧嘩してる優子ってやつか?」
鶴本くんの言葉に、恭子さんは押し黙った。
「わからねぇだろ。だが、俺らを閉じ込めたクソ野郎はどこかにいるんだ。戸川や鈴木を殺したのもそのクソ野郎。真っ先に恨むべき相手はそいつだろうが。」
「…そうよ、恭子。生き残りたかったら、とにかく冷静になって。怖いのはわかる、私も怖い。でも、何とかここから出ないと、死んでしまうのよ。」
「……もう、なんで私がこんな目に遭ってるのよ…。何で…」
恭子さんは、頭から怒りが引いていったのか、崩れ落ちるように座り込み、号泣し始めた。僕は何も言えないまま、ただ泣き崩れる恭子さんを見守ることしかできなかった。
「…佐々木くん。恭子はああ言ったけど、瑞稀が死んだのはあなたのせいじゃない。だから、気を落とさないで。」
「…ありがとう。優子さん。」
僕は、仲良しの友人である恭子さんに対して、僕を庇って必死に主張してくれた優子さんに、心からのお礼を言った。
「…それでも、恭子さんには、謝らせてほしい。…友達を助けられなくて、ごめん。」
「…いいわよ…あんたに謝られても、意味がないわ…」
「これからは、回答者は孤立無縁で質問に立ち向かわなきゃいけなくなる。…とにかく、考えよう。せめて、ここで生きてるみんなだけでも、生きてここを出るんだ。」
「…そうね。でも、今日はもう、みんな疲れてる。…休みましょう。」
優子さんの提案で、みんなそれぞれに布団に入って、睡眠に入った。
朝、6時の配給があったのか、すでにドアには食事が置かれていた。
「……まだ、配給されてから数分しか経ってないわ。」
そう僕に声をかけたのは、優子さんだった。
「……おはよう。良かったよ、次の指名は朝の配給から2時間後って言ってたから…」
「昨日、試験官が指名する時間を宣言してたから、早めに起きようと思ってたの。ここには時計もないし、時間感覚なくなるから…」
「…ちゃんと、寝られた?もし、気を遣って起きてたとかなら…」
「そんなことはしないわ。思考力が鈍るもの。」
なら、良かったと本心からの言葉を呟いて、僕は朝ごはんを口にした。優子さんは、そろそろ起こさないとね、と言って、恭子さんや鶴本くんを起こすために声をかけた。恭子さんは、自分より早く起きていた優子さんを見て、少し驚いた顔をしていたが、昨日の言い争いを思い出したのか、バツの悪そうな顔をして、呟くように挨拶をした。
「……おはよ、優子。」
「うん、おはよう。」
「……その、昨日は…ごめん。」
「私のことはいいよ。それよりも…」
「……わかってる。佐々木、ごめん。」
「いいよ、気にしないで。誰だって、友達が死んじゃったら、悲しいし、誰かにぶつけたくなるよ。」
「……お人好しね、あんた。あれだけ人殺し呼ばわりしたのに。」
「よく言われる。」
僕の返答の何が面白かったのか、恭子さんはふふっと笑ってくれた。ご飯を食べながら、鶴本くんが呟くようにある疑問を投げた。
「瑞稀ってやつ、犯した罪って部分正解だったんだよな?となりゃ、昨日お前らが話してた、その…」
「傾向と対策?」
「それだ、その話にいじめって予想があったが、それがビンゴだったってことか?」
「…それは、あたしも考えてた。2人ともいじめっていうキーワードが出てきてる。偶然なの?これって。」
「私は…偶然じゃないと思ってる。」
優子さんは、核心をついたかのように呟いた。
「……もう、隠すことじゃないと思うから、言うけど…、私と、恭子、久美、瑞稀は、高校が一緒なの。その当時、ある1人の女の子を、いじめてた。」
「…平川のこと、言ってんのよね、それ。」
「まーもう言っちゃっても良いよね。よくカツアゲとか、机に落書きとかしてた気がするなー、よく覚えてないけど。」
「……平川?」
名字に反応したのは鶴本くん。平川なんて名字は、珍しくもないはずだけど、何か引っかかるところがあるのか、平川…と呟いている。
「……俺も、高校の時に平川って女子をやってたな。」
「やってたって…いじめ?」
「やってたってのは、レイプのことだよ。何度かヤラせた。」
「…あんた…最低ね。」
「恭子、私たちも同じ穴の狢よ。…いじめてたんだから。」
恭子さんたち4人と、鶴本くんが同じ名字の人をいじめて、しかも性別が同じ、というところに、僕は何か引っかかりを覚えた。
「……僕は、県立西高校出身なんだけど、みんなは?」
「……は?」
「…私たちも、西高よ。」
「…俺もだ。」
「は?何それー…、ちょっと怖いんだけど。」
僕は、みんなの反応を見て確信した。初めに顔を合わせた時は、朧げな記憶しかなかったけど、同じ高校に通っていた、ということは同じ校舎内で、何度か顔を合わせていたんだ。
「…これは、平川さんの、復讐…?」
「ちょい待ち、戸川ってやつは?あいつも同高?」
「ここまで一致してたら、そう考えてもおかしくないでしょ。平川と同じクラスだった、ってことなんじゃないの?」
「…佐々木くんは?平川って女子に覚えはある?」
「…それが、全く。」
そう、僕には平川さんという女子を知らない。恭子さんたちと鶴本くんは、繋がりがあるようだが、僕には全くなかった。何とか高校時代の記憶を探ろうとするが、何も出てきそうにない。
「…そう…。」
優子さんは僕が回答者になった時の心配をしたのか、不安そうな顔で俯いた。
「…大丈夫、何とか思い出してみるよ。ここまでみんなで考えて、対策を立てたんだ。後は、僕が思い出せばいい。」
「…まだ、時間はある。言い出しっぺが諦めてんじゃないわよ。」
「うん、ありがとう。恭子さん。」
恭子さんは、昨日の僕に対して酷いことを言ってしまったという償いのためか、僕を励ましてくれた。
(そう、まだ時間はある。何か、覚えてないのか…。)
そう思考を巡らせた瞬間、何度目かわからないスピーカーが繋がる雑音が、みんなの部屋中に響いた。
瑞稀さんの部屋は、ライトが消され、戸川くんと同じように遺体の姿も見えなくなった。あれから、優子さんと恭子さんは言い争いを始め、久美さんは、関わるだけ無駄とでも言いたげな顔で、布団に寝転がっていた。鶴本くんも、女性2人の言い争いに顔を顰めながらも、2回も人間の死を目の当たりにして疲弊しているようで、壁にもたれかかったまま、動かなくなった。
僕はというと、このメンバーの中での発言権が失われていた。2人が言い争っているのも、僕のことが原因。きっかけは、恭子さんの発言だった。
「こいつが…佐々木が、傾向と対策を考えようとか言い出したから、回答者に助言ができなくなったんじゃない!」
恭子さんは、問題が出題された瞬間、瑞稀さんが答えるべき回答に予想がついていたらしい。でも、試験官が回答者以外の私語を禁止してしまったから、間接的ではあるけど、僕が瑞稀さんを殺したようなものだ、と責め立ててきた。優子さんは僕を庇って、僕の発言でみんなが前向きに生き残ろうと思えたんだ、私語が禁止になったのは結果論であり、僕に罪はない、と主張した。
(…僕は、少しでも生き残る可能性にかけて、動こうと思っただけだったけど…、まさか、こんなことになるなんて。恭子さんに恨まれても、仕方がない…)
「佐々木くんだけの責任じゃないわ。私だって、これは試験なら、傾向と対策ができるはず、って提案した。私も、こんなことになるなんて、思ってもなかった!それに、恭子だって、何とか生き残りたいと思ったから話にのってきたんでしょう?この中の誰にも、佐々木くんを責める資格なんてないわ!」
「…それでも、瑞稀に助言できなくなったのは、傾向と対策を読もうとしたせいってことは変わらない!優子に何を言われようと、私はこいつを恨む。瑞稀を、回答者を助けられなくなった状況を作った!」
「…そろそろ黙れ、お前ら。」
鶴本くんは、閉じ込められた当初のような、恫喝する勢いではなく、お前らの喧嘩は不毛だと言いたげな雰囲気で、2人を制した。
「恭子とか言ったか、てめぇは恨む相手を間違えてやがる。あのクソ試験官がルールを追加したってことしか見えてねぇ。」
「な、何よ、いきなり…」
「そもそも、俺らをここに閉じ込めたやつは誰だ?俺の隣にいるこいつか?それとも、今お前が口喧嘩してる優子ってやつか?」
鶴本くんの言葉に、恭子さんは押し黙った。
「わからねぇだろ。だが、俺らを閉じ込めたクソ野郎はどこかにいるんだ。戸川や鈴木を殺したのもそのクソ野郎。真っ先に恨むべき相手はそいつだろうが。」
「…そうよ、恭子。生き残りたかったら、とにかく冷静になって。怖いのはわかる、私も怖い。でも、何とかここから出ないと、死んでしまうのよ。」
「……もう、なんで私がこんな目に遭ってるのよ…。何で…」
恭子さんは、頭から怒りが引いていったのか、崩れ落ちるように座り込み、号泣し始めた。僕は何も言えないまま、ただ泣き崩れる恭子さんを見守ることしかできなかった。
「…佐々木くん。恭子はああ言ったけど、瑞稀が死んだのはあなたのせいじゃない。だから、気を落とさないで。」
「…ありがとう。優子さん。」
僕は、仲良しの友人である恭子さんに対して、僕を庇って必死に主張してくれた優子さんに、心からのお礼を言った。
「…それでも、恭子さんには、謝らせてほしい。…友達を助けられなくて、ごめん。」
「…いいわよ…あんたに謝られても、意味がないわ…」
「これからは、回答者は孤立無縁で質問に立ち向かわなきゃいけなくなる。…とにかく、考えよう。せめて、ここで生きてるみんなだけでも、生きてここを出るんだ。」
「…そうね。でも、今日はもう、みんな疲れてる。…休みましょう。」
優子さんの提案で、みんなそれぞれに布団に入って、睡眠に入った。
朝、6時の配給があったのか、すでにドアには食事が置かれていた。
「……まだ、配給されてから数分しか経ってないわ。」
そう僕に声をかけたのは、優子さんだった。
「……おはよう。良かったよ、次の指名は朝の配給から2時間後って言ってたから…」
「昨日、試験官が指名する時間を宣言してたから、早めに起きようと思ってたの。ここには時計もないし、時間感覚なくなるから…」
「…ちゃんと、寝られた?もし、気を遣って起きてたとかなら…」
「そんなことはしないわ。思考力が鈍るもの。」
なら、良かったと本心からの言葉を呟いて、僕は朝ごはんを口にした。優子さんは、そろそろ起こさないとね、と言って、恭子さんや鶴本くんを起こすために声をかけた。恭子さんは、自分より早く起きていた優子さんを見て、少し驚いた顔をしていたが、昨日の言い争いを思い出したのか、バツの悪そうな顔をして、呟くように挨拶をした。
「……おはよ、優子。」
「うん、おはよう。」
「……その、昨日は…ごめん。」
「私のことはいいよ。それよりも…」
「……わかってる。佐々木、ごめん。」
「いいよ、気にしないで。誰だって、友達が死んじゃったら、悲しいし、誰かにぶつけたくなるよ。」
「……お人好しね、あんた。あれだけ人殺し呼ばわりしたのに。」
「よく言われる。」
僕の返答の何が面白かったのか、恭子さんはふふっと笑ってくれた。ご飯を食べながら、鶴本くんが呟くようにある疑問を投げた。
「瑞稀ってやつ、犯した罪って部分正解だったんだよな?となりゃ、昨日お前らが話してた、その…」
「傾向と対策?」
「それだ、その話にいじめって予想があったが、それがビンゴだったってことか?」
「…それは、あたしも考えてた。2人ともいじめっていうキーワードが出てきてる。偶然なの?これって。」
「私は…偶然じゃないと思ってる。」
優子さんは、核心をついたかのように呟いた。
「……もう、隠すことじゃないと思うから、言うけど…、私と、恭子、久美、瑞稀は、高校が一緒なの。その当時、ある1人の女の子を、いじめてた。」
「…平川のこと、言ってんのよね、それ。」
「まーもう言っちゃっても良いよね。よくカツアゲとか、机に落書きとかしてた気がするなー、よく覚えてないけど。」
「……平川?」
名字に反応したのは鶴本くん。平川なんて名字は、珍しくもないはずだけど、何か引っかかるところがあるのか、平川…と呟いている。
「……俺も、高校の時に平川って女子をやってたな。」
「やってたって…いじめ?」
「やってたってのは、レイプのことだよ。何度かヤラせた。」
「…あんた…最低ね。」
「恭子、私たちも同じ穴の狢よ。…いじめてたんだから。」
恭子さんたち4人と、鶴本くんが同じ名字の人をいじめて、しかも性別が同じ、というところに、僕は何か引っかかりを覚えた。
「……僕は、県立西高校出身なんだけど、みんなは?」
「……は?」
「…私たちも、西高よ。」
「…俺もだ。」
「は?何それー…、ちょっと怖いんだけど。」
僕は、みんなの反応を見て確信した。初めに顔を合わせた時は、朧げな記憶しかなかったけど、同じ高校に通っていた、ということは同じ校舎内で、何度か顔を合わせていたんだ。
「…これは、平川さんの、復讐…?」
「ちょい待ち、戸川ってやつは?あいつも同高?」
「ここまで一致してたら、そう考えてもおかしくないでしょ。平川と同じクラスだった、ってことなんじゃないの?」
「…佐々木くんは?平川って女子に覚えはある?」
「…それが、全く。」
そう、僕には平川さんという女子を知らない。恭子さんたちと鶴本くんは、繋がりがあるようだが、僕には全くなかった。何とか高校時代の記憶を探ろうとするが、何も出てきそうにない。
「…そう…。」
優子さんは僕が回答者になった時の心配をしたのか、不安そうな顔で俯いた。
「…大丈夫、何とか思い出してみるよ。ここまでみんなで考えて、対策を立てたんだ。後は、僕が思い出せばいい。」
「…まだ、時間はある。言い出しっぺが諦めてんじゃないわよ。」
「うん、ありがとう。恭子さん。」
恭子さんは、昨日の僕に対して酷いことを言ってしまったという償いのためか、僕を励ましてくれた。
(そう、まだ時間はある。何か、覚えてないのか…。)
そう思考を巡らせた瞬間、何度目かわからないスピーカーが繋がる雑音が、みんなの部屋中に響いた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
とある女の身の上話
紅羽 もみじ
ミステリー
主人公の岡田ひろみは、夫と幼稚園に入園する息子の3人暮らし。ひろみの教育方針で夫を説得し、息子を私立の幼稚園に通わせることにした。入園後には、保護者同士のつながり、いわゆるママ友との交友もできていく。そんな折、1人のママ友からの一言で、ひろみの人生は少しずつ変化していくこととなる。変化した先で待っているひろみの運命とは。
あなたの声を聴かせて
紅羽 もみじ
ミステリー
刑事課に所属する主人公は、『通常』の証拠とは別に、『特殊』な方法で事件の真相を追うことができる。それは、事件現場に残った被害者の霊から出される思念を読み取ること。
霊達から感じる後悔、無念、時には背筋が凍るような恨み…、様々な声にならない声に、主人公は耳を傾けながら事件の真相に迫る。
「あなたは、なぜ死んでしまったの?」
追記(3/4)
題名はミステリアスな雰囲気を醸し出してますが、だんだんと主人公(平端)の奔放さに振り回される先輩(塚本)、みたいな話になってきました。ホラー要素は全くありません(私がホラー苦手なので書けません)ので、気軽に見ていただけたら嬉しいです。
「鏡像のイデア」 難解な推理小説
葉羽
ミステリー
豪邸に一人暮らしする天才高校生、神藤葉羽(しんどう はね)。幼馴染の望月彩由美との平穏な日常は、一枚の奇妙な鏡によって破られる。鏡に映る自分は、確かに自分自身なのに、どこか異質な存在感を放っていた。やがて葉羽は、鏡像と現実が融合する禁断の現象、「鏡像融合」に巻き込まれていく。時を同じくして街では異形の存在が目撃され、空間に歪みが生じ始める。鏡像、異次元、そして幼馴染の少女。複雑に絡み合う謎を解き明かそうとする葉羽の前に、想像を絶する恐怖が待ち受けていた。
リモート刑事 笹本翔
雨垂 一滴
ミステリー
『リモート刑事 笹本翔』は、過去のトラウマと戦う一人の刑事が、リモート捜査で事件を解決していく、刑事ドラマです。
主人公の笹本翔は、かつて警察組織の中でトップクラスの捜査官でしたが、ある事件で仲間を失い、自身も重傷を負ったことで、外出恐怖症(アゴラフォビア)に陥り、現場に出ることができなくなってしまいます。
それでも、彼の卓越した分析力と冷静な判断力は衰えず、リモートで捜査指示を出しながら、次々と難事件を解決していきます。
物語の鍵を握るのは、翔の若き相棒・竹内優斗。熱血漢で行動力に満ちた優斗と、過去の傷を抱えながらも冷静に捜査を指揮する翔。二人の対照的なキャラクターが織りなすバディストーリーです。
翔は果たして過去のトラウマを克服し、再び現場に立つことができるのか?
翔と優斗が数々の難事件に挑戦します!
残響鎮魂歌(レクイエム)
葉羽
ミステリー
天才高校生、神藤葉羽は幼馴染の望月彩由美と共に、古びた豪邸で起きた奇妙な心臓発作死の謎に挑む。被害者には外傷がなく、現場にはただ古いレコード盤が残されていた。葉羽が調査を進めるにつれ、豪邸の過去と「時間音響学」という謎めいた技術が浮かび上がる。不可解な現象と幻聴に悩まされる中、葉羽は過去の惨劇と現代の死が共鳴していることに気づく。音に潜む恐怖と、記憶の迷宮が彼を戦慄の真実へと導く。
ウツクシ村のミチル
岡本ジュンイチ
大衆娯楽
警察官の息子である主人公の少年、トメラ・ズリーブは、ある日両親とともに異国の過疎地・ウツクシ村へ旅行に出かける。
その旅行の途中で、トメラは好奇心のあまりウツクシ村の森の奥へ進んでいってしまい、結果的に迷子になってしまう。
そして、トメラは肉食の野獣たちと出くわしてしまい、絶体絶命のピンチに陥ってしまう。
そんな状況を救ってくれたのは、高貴な衣服をまとった少女であった……。
パンドラは二度闇に眠る
しまおか
ミステリー
M県の田舎町から同じM県の若竹学園にある街へと移り住んだ和多津美樹(ワダツミキ)と、訳ありの両親を持つ若竹学園の進学コースに通う高一男子の来音心(キネシン)が中心となる物語。互いに絡む秘密を暴くと、衝撃の事実が!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる