22 / 31
事件録5-1
しおりを挟む
正義とはなんだろう。
悪を裁くことか。善を積むことか。
悪はどう裁けば悪が消えるのか。
善はどこまで積めば善と呼べるのか。
正義と呼べる行動とは、なんだろう。
現場は、凄惨な状況となっていた。ベテランの刑事でも顔を顰めるほどで、刑事となって歴の浅い刑事に至っては現場から逃げるように出ていく者もいた。
「ここまでやるってことは、被害者に相当な恨みがあるんだな。」
「ですねぇ…、この様子だと、息が絶えた後もやり切ってますね。」
「……お前、よく耐えられるな。他の奴ら、外で吐いてるぞ。」
「それ褒めてます?それとも、私が冷徹な女だと思ってます?」
「…単純に感心してんだよ。」
平端と塚本は、そんな会話を交わしながら遺体を観察していた。現場に出た経験をそれなりに積んだ刑事でも逃げ出すほど惨殺された遺体は、損壊が激しいために身元判明まで時間がかかると思われた。だが、現場から採取された血液からDNAを照合した結果、被害者は前科があったために判明までは早かった。
被害者は中山智樹、45歳、男性。中山の前科とは、20代の頃に強盗殺害事件を3件起こしたことで、実刑判決を受けていた。中山は数年前に出所し、社会復帰に向けて保護司の支援を受けていたという。
「こうなってくると、被害者に恨みを持つ人間なんて、いくらでもいますよねぇ…。」
「それもあるが、確か中山は暴力団関係者じゃなかったか?事件を起こしたのも、自分のシノギが落ち目になってきて、上納金をかき集めるために起こしたってことだったはずだ。そうなると、暴力団関係者あたりも洗い出す必要がありそうだぞ。」
「えぇー、あそこの捜査官たち苦手なんですよねぇ…、暴力団より怖い人いますもん。」
「そりゃ暴力で威圧してくる奴らが相手なんだ、仕方ねぇだろ。というか、この遺体見て動じないほどの神経持ってんだから、怖いもんねぇだろうよ。」
「遺体は威圧してこないでしょ!別問題です。」
変な奴だな、と毒づかれる平端は、遺体から目を離すと、遺体のそばで立ち尽くしている中山の霊を見つける。表情は青ざめており、彼から感じられる思念は、殺された恨みというより、無念さの方が強く感じられた。
(確か、保護司の支援を受けて社会復帰しようとしてたんだっけ…。罪も償って、復帰しようとしてた最中に殺されたわけだし、無念さが強いのもおかしくはない、か…)
平端は、んー…と腕を組み、考える仕草をする。塚本が、何か気になることがあんのか、と聞くと、平端はそうですね、と応え、
「まずは、保護司のところに行きません?中山が出所してから、一番近しい人間だったと思うので。そこで中山の霊が、無念だって思念を強烈なくらい出してるんです。確か、この近辺に住んでるんですよね、行きましょ。」
「……ほんと変な奴だよ。」
塚本は呆れたように呟くが、平端はほら、はやく、先行きますよ!と塚本を引っ張って行った。
中山の支援をしていた保護司は、現場から数キロメートルのところにあった。保護司とは、警察官が定年後に選ぶ役割の一つであり、再犯防止のために出所してきた人間の社会復帰を支援する、という役割を持っている。中山の支援をしていたとされる、保護司の家には、加藤、という表札が付けられていた。インターホンを押すと、70歳を迎えようとしているとは思えないほど元気な男性の老人が出迎え、突然来訪した2人を快く家の中へ招待した。加藤は、中山の死亡を伝えると、悲しそうな顔で呟いた。
「ほうか…、中山は殺されよったか…」
「中山は出所後、加藤さんの支援を受けて社会復帰をしようとしてたんですよね?」
「ほうよ。特に彼奴は元暴(元暴力団)ってこともあったからの。務所に入った時点で、トカゲの尻尾切りで破門されたらしいが、そういう奴を出所後に別の組が引っ張ることもあるもんでな。中山に悪い虫がつかんよう、なるべく見張る様にしとった。」
「加藤さんが支援されてる人の中でも、特に親交があったということですか?」
「彼奴に戻れる場所はなかったからの。儂が彼奴の家に行くか、逆に彼奴が儂の家に来るかで毎日の様に顔を合わしとった。両親も引っ越し先を告げずに消えよったし、何より彼奴が起こした事件は全国に報道されとったからに、周りからの目が怖ぁてしゃあないと、口癖の様に言うとったわ。その度に、儂も励ましとったつもりがなぁ…。」
はぁ、と重たいため息をついて、加藤は俯いた。
「最後に加藤さんと被害者が会ったのはいつ頃ですか?」
「ほれ、それよ。今しがた、儂と中山は毎日の様に顔を合わしとったと言うたが、ここ数ヶ月は顔も合わしとらなんだ。家に行っても、居留守使うとるのか、どこかに出かけとるんかわからんが、反応がなくての。かと言って、彼奴が家に来ることもない。どうしたもんかと思うても、組織を出た儂に出来ることは、彼奴の家に行くか、電話を入れることくらいでな…」
「そうですか…」
平端は、塚本と加藤の会話に耳を傾けながら、加藤の家に来てから着いてきている中山の思念を感じ取っていた。今のところ、中山が発する思念と、加藤の話す内容に違和感は感じない。一つ感じられるものが増えたとすれば、加藤に対する感謝と同時に、申し訳ない、という謝罪の念だった。
「……一つ、聞いていいやろうか。」
加藤は、聞きにくいが、どうしても知っておきたい、という様子で2人に問いかけた。
「彼奴は…中山は、最期どうなっとったんやろうか。」
「……相当、恨みを持った人間の犯行なのか、刃物と鈍器で何度も刺され、殴られたことによるものかと。遺体の損壊が激しいため、まだ死因になったのかは特定できていません。」
「遺体を見ても、身元がわからないほどでしたが、採取した血液と中山に前科があったことから、DNA鑑定で中山であると断定されました。それで、加藤さんからお話を聞きたくて、お邪魔したんです。」
「……ほうか。」
加藤は、涙を浮かべながら悔しそうに顔を歪めた。保護司として手厚い支援をしていた加藤にとっても、中山の死は無念としか言いようがないのだろうと平端は推測した。
(被害者自身も、加藤さんの支援に応えようと頑張ってたみたいだし…。ここまで思ってくれる人がいたのは、中山にとって唯一の救いだっただろうな。)
涙を拭った加藤は、捜査に先入観をいれてまうのはようないかもしらんけど、と前置きし、話し始めた。
「確かに、中山は人の命を奪った罪人やった。ただ、彼奴は務所に入って、罪を償った。そして、この地では彼奴は、一度も事件も事故も起こしとらん。それだけは、この儂がずっと見張っとった、断言する。でもな、このご時世、誰が喋らんでも中山の過去を知る機会はいくらでもある。それを知った奴らは、彼奴が何もしとらんでも疑いの目を向け、人付き合いを避け、タチの悪いもんはわざわざ過去を掘っくり返して叩きよる奴もおる。実際、彼奴からもそういう相談を受けとったこともあった。これから何やかんやと聞き込んで話を聞くかも知らんが、どうかそれだけは頭のどこやらで覚えてやっといてほしい…、頼む。」
加藤は、自分からしたら塚本すらヒラになるほどの2人の後輩に対して、頭を深く下げた。それだけ、中山の更生に力を入れていたということなのだろう。
「……わかりました。捜査の目を曇らせないよう、気を引き締めます。」
「今はネットで何でも出てきますからね…、そういうのを探しだしては、ネットで書き散らす輩もいます。加藤さんの言葉、肝に銘じます。」
「……おおきに。おおきになぁ…。」
加藤はまた涙ぐみ、また捜査で気になることがあったらいつでも来い、何でも協力する、と2人に宣言した。加藤宅を出た2人は、一先ず捜査方針を固めるため、署に戻ることにした。
「……そういえば、娘さんの容体は大丈夫ですか?」
「あぁ、もう退院して体は元気だな。ただ、大きな音を怖がるようになってな…。事件を過去のものにするには、まだ時間がかかりそうだ。」
「…そうですか。」
「何だ、またお前にしては元気がないな。」
「……いえ、さっきの加藤さん見てたら、色々考えちゃって。葵ちゃんを殺した中学生の件、報道で何度も取り上げられて、その度にこんな奴許せるもんかって思ってました。でも、加藤さんみたいに、社会復帰のために頑張ろうとしてる元犯罪者を必死に支援してる姿見ると、ね…」
「…何が正しくて、何が間違ってるかなんて、区別できないもんの方が多いだろ。ただ、お前の思想はお前のもん、それだけは確かだ。それに正誤をつける必要はねぇよ。」
「…先輩にしては、哲学的なことを言いますね。」
「お前がその話を振ったんだろうがよ。小難しいこと考える前に、事件解決のために頭使え。」
(…塚本さんの思想は、どうなんだろう。さすがに今聞く気にはなれないけど。)
「はいはーい」
ほんとに分かったのかよ…と呟く塚本をよそに、平端はどこかスッキリしたような気分で、軽く返事をした。
悪を裁くことか。善を積むことか。
悪はどう裁けば悪が消えるのか。
善はどこまで積めば善と呼べるのか。
正義と呼べる行動とは、なんだろう。
現場は、凄惨な状況となっていた。ベテランの刑事でも顔を顰めるほどで、刑事となって歴の浅い刑事に至っては現場から逃げるように出ていく者もいた。
「ここまでやるってことは、被害者に相当な恨みがあるんだな。」
「ですねぇ…、この様子だと、息が絶えた後もやり切ってますね。」
「……お前、よく耐えられるな。他の奴ら、外で吐いてるぞ。」
「それ褒めてます?それとも、私が冷徹な女だと思ってます?」
「…単純に感心してんだよ。」
平端と塚本は、そんな会話を交わしながら遺体を観察していた。現場に出た経験をそれなりに積んだ刑事でも逃げ出すほど惨殺された遺体は、損壊が激しいために身元判明まで時間がかかると思われた。だが、現場から採取された血液からDNAを照合した結果、被害者は前科があったために判明までは早かった。
被害者は中山智樹、45歳、男性。中山の前科とは、20代の頃に強盗殺害事件を3件起こしたことで、実刑判決を受けていた。中山は数年前に出所し、社会復帰に向けて保護司の支援を受けていたという。
「こうなってくると、被害者に恨みを持つ人間なんて、いくらでもいますよねぇ…。」
「それもあるが、確か中山は暴力団関係者じゃなかったか?事件を起こしたのも、自分のシノギが落ち目になってきて、上納金をかき集めるために起こしたってことだったはずだ。そうなると、暴力団関係者あたりも洗い出す必要がありそうだぞ。」
「えぇー、あそこの捜査官たち苦手なんですよねぇ…、暴力団より怖い人いますもん。」
「そりゃ暴力で威圧してくる奴らが相手なんだ、仕方ねぇだろ。というか、この遺体見て動じないほどの神経持ってんだから、怖いもんねぇだろうよ。」
「遺体は威圧してこないでしょ!別問題です。」
変な奴だな、と毒づかれる平端は、遺体から目を離すと、遺体のそばで立ち尽くしている中山の霊を見つける。表情は青ざめており、彼から感じられる思念は、殺された恨みというより、無念さの方が強く感じられた。
(確か、保護司の支援を受けて社会復帰しようとしてたんだっけ…。罪も償って、復帰しようとしてた最中に殺されたわけだし、無念さが強いのもおかしくはない、か…)
平端は、んー…と腕を組み、考える仕草をする。塚本が、何か気になることがあんのか、と聞くと、平端はそうですね、と応え、
「まずは、保護司のところに行きません?中山が出所してから、一番近しい人間だったと思うので。そこで中山の霊が、無念だって思念を強烈なくらい出してるんです。確か、この近辺に住んでるんですよね、行きましょ。」
「……ほんと変な奴だよ。」
塚本は呆れたように呟くが、平端はほら、はやく、先行きますよ!と塚本を引っ張って行った。
中山の支援をしていた保護司は、現場から数キロメートルのところにあった。保護司とは、警察官が定年後に選ぶ役割の一つであり、再犯防止のために出所してきた人間の社会復帰を支援する、という役割を持っている。中山の支援をしていたとされる、保護司の家には、加藤、という表札が付けられていた。インターホンを押すと、70歳を迎えようとしているとは思えないほど元気な男性の老人が出迎え、突然来訪した2人を快く家の中へ招待した。加藤は、中山の死亡を伝えると、悲しそうな顔で呟いた。
「ほうか…、中山は殺されよったか…」
「中山は出所後、加藤さんの支援を受けて社会復帰をしようとしてたんですよね?」
「ほうよ。特に彼奴は元暴(元暴力団)ってこともあったからの。務所に入った時点で、トカゲの尻尾切りで破門されたらしいが、そういう奴を出所後に別の組が引っ張ることもあるもんでな。中山に悪い虫がつかんよう、なるべく見張る様にしとった。」
「加藤さんが支援されてる人の中でも、特に親交があったということですか?」
「彼奴に戻れる場所はなかったからの。儂が彼奴の家に行くか、逆に彼奴が儂の家に来るかで毎日の様に顔を合わしとった。両親も引っ越し先を告げずに消えよったし、何より彼奴が起こした事件は全国に報道されとったからに、周りからの目が怖ぁてしゃあないと、口癖の様に言うとったわ。その度に、儂も励ましとったつもりがなぁ…。」
はぁ、と重たいため息をついて、加藤は俯いた。
「最後に加藤さんと被害者が会ったのはいつ頃ですか?」
「ほれ、それよ。今しがた、儂と中山は毎日の様に顔を合わしとったと言うたが、ここ数ヶ月は顔も合わしとらなんだ。家に行っても、居留守使うとるのか、どこかに出かけとるんかわからんが、反応がなくての。かと言って、彼奴が家に来ることもない。どうしたもんかと思うても、組織を出た儂に出来ることは、彼奴の家に行くか、電話を入れることくらいでな…」
「そうですか…」
平端は、塚本と加藤の会話に耳を傾けながら、加藤の家に来てから着いてきている中山の思念を感じ取っていた。今のところ、中山が発する思念と、加藤の話す内容に違和感は感じない。一つ感じられるものが増えたとすれば、加藤に対する感謝と同時に、申し訳ない、という謝罪の念だった。
「……一つ、聞いていいやろうか。」
加藤は、聞きにくいが、どうしても知っておきたい、という様子で2人に問いかけた。
「彼奴は…中山は、最期どうなっとったんやろうか。」
「……相当、恨みを持った人間の犯行なのか、刃物と鈍器で何度も刺され、殴られたことによるものかと。遺体の損壊が激しいため、まだ死因になったのかは特定できていません。」
「遺体を見ても、身元がわからないほどでしたが、採取した血液と中山に前科があったことから、DNA鑑定で中山であると断定されました。それで、加藤さんからお話を聞きたくて、お邪魔したんです。」
「……ほうか。」
加藤は、涙を浮かべながら悔しそうに顔を歪めた。保護司として手厚い支援をしていた加藤にとっても、中山の死は無念としか言いようがないのだろうと平端は推測した。
(被害者自身も、加藤さんの支援に応えようと頑張ってたみたいだし…。ここまで思ってくれる人がいたのは、中山にとって唯一の救いだっただろうな。)
涙を拭った加藤は、捜査に先入観をいれてまうのはようないかもしらんけど、と前置きし、話し始めた。
「確かに、中山は人の命を奪った罪人やった。ただ、彼奴は務所に入って、罪を償った。そして、この地では彼奴は、一度も事件も事故も起こしとらん。それだけは、この儂がずっと見張っとった、断言する。でもな、このご時世、誰が喋らんでも中山の過去を知る機会はいくらでもある。それを知った奴らは、彼奴が何もしとらんでも疑いの目を向け、人付き合いを避け、タチの悪いもんはわざわざ過去を掘っくり返して叩きよる奴もおる。実際、彼奴からもそういう相談を受けとったこともあった。これから何やかんやと聞き込んで話を聞くかも知らんが、どうかそれだけは頭のどこやらで覚えてやっといてほしい…、頼む。」
加藤は、自分からしたら塚本すらヒラになるほどの2人の後輩に対して、頭を深く下げた。それだけ、中山の更生に力を入れていたということなのだろう。
「……わかりました。捜査の目を曇らせないよう、気を引き締めます。」
「今はネットで何でも出てきますからね…、そういうのを探しだしては、ネットで書き散らす輩もいます。加藤さんの言葉、肝に銘じます。」
「……おおきに。おおきになぁ…。」
加藤はまた涙ぐみ、また捜査で気になることがあったらいつでも来い、何でも協力する、と2人に宣言した。加藤宅を出た2人は、一先ず捜査方針を固めるため、署に戻ることにした。
「……そういえば、娘さんの容体は大丈夫ですか?」
「あぁ、もう退院して体は元気だな。ただ、大きな音を怖がるようになってな…。事件を過去のものにするには、まだ時間がかかりそうだ。」
「…そうですか。」
「何だ、またお前にしては元気がないな。」
「……いえ、さっきの加藤さん見てたら、色々考えちゃって。葵ちゃんを殺した中学生の件、報道で何度も取り上げられて、その度にこんな奴許せるもんかって思ってました。でも、加藤さんみたいに、社会復帰のために頑張ろうとしてる元犯罪者を必死に支援してる姿見ると、ね…」
「…何が正しくて、何が間違ってるかなんて、区別できないもんの方が多いだろ。ただ、お前の思想はお前のもん、それだけは確かだ。それに正誤をつける必要はねぇよ。」
「…先輩にしては、哲学的なことを言いますね。」
「お前がその話を振ったんだろうがよ。小難しいこと考える前に、事件解決のために頭使え。」
(…塚本さんの思想は、どうなんだろう。さすがに今聞く気にはなれないけど。)
「はいはーい」
ほんとに分かったのかよ…と呟く塚本をよそに、平端はどこかスッキリしたような気分で、軽く返事をした。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
特殊捜査官・天城宿禰の事件簿~乙女の告発
斑鳩陽菜
ミステリー
K県警捜査一課特殊捜査室――、そこにたった一人だけ特殊捜査官の肩書をもつ男、天城宿禰が在籍している。
遺留品や現場にある物が残留思念を読み取り、犯人を導くという。
そんな県警管轄内で、美術評論家が何者かに殺害された。
遺体の周りには、大量のガラス片が飛散。
臨場した天城は、さっそく残留思念を読み取るのだが――。
マクデブルクの半球
ナコイトオル
ミステリー
ある夜、電話がかかってきた。ただそれだけの、はずだった。
高校時代、自分と折り合いの付かなかった優等生からの唐突な電話。それが全てのはじまりだった。
電話をかけたのとほぼ同時刻、何者かに突き落とされ意識不明となった青年コウと、そんな彼と昔折り合いを付けることが出来なかった、容疑者となった女、ユキ。どうしてこうなったのかを調べていく内に、コウを突き落とした容疑者はどんどんと増えてきてしまう───
「犯人を探そう。出来れば、彼が目を覚ますまでに」
自他共に認める在宅ストーカーを相棒に、誰かのために進む、犯人探し。
ファクト ~真実~
華ノ月
ミステリー
主人公、水無月 奏(みなづき かなで)はひょんな事件から警察の特殊捜査官に任命される。
そして、同じ特殊捜査班である、透(とおる)、紅蓮(ぐれん)、槙(しん)、そして、室長の冴子(さえこ)と共に、事件の「真実」を暴き出す。
その事件がなぜ起こったのか?
本当の「悪」は誰なのか?
そして、その事件と別で最終章に繋がるある真実……。
こちらは全部で第七章で構成されています。第七章が最終章となりますので、どうぞ、最後までお読みいただけると嬉しいです!
よろしくお願いいたしますm(__)m
失踪した悪役令嬢の奇妙な置き土産
柚木崎 史乃
ミステリー
『探偵侯爵』の二つ名を持つギルフォードは、その優れた推理力で数々の難事件を解決してきた。
そんなギルフォードのもとに、従姉の伯爵令嬢・エルシーが失踪したという知らせが舞い込んでくる。
エルシーは、一度は婚約者に婚約を破棄されたものの、諸事情で呼び戻され復縁・結婚したという特殊な経歴を持つ女性だ。
そして、後日。彼女の夫から失踪事件についての調査依頼を受けたギルフォードは、邸の庭で謎の人形を複数発見する。
怪訝に思いつつも調査を進めた結果、ギルフォードはある『真相』にたどり着くが──。
悪役令嬢の従弟である若き侯爵ギルフォードが謎解きに奮闘する、ゴシックファンタジーミステリー。
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる