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高2
初の出来事(2)
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亜姫との触れ合いにほんのり甘さが混ざるようになって、和泉は知った。好きな子との触れ合いは、些細なことでも全身から沸き立つような喜びと心地良さが伴うものなのだと。
その喜びに浸りながら温もりを堪能していた時、それは聞こえた。
「ねぇ、和泉? 心と体の準備が出来たら……って、どんな状態?」
最初、なにを聞かれたのか良く分からなかった。
子供が些細な疑問を口にするような口調だったので、言葉が意味することを想像できなかったのかもしれない。
「和泉が言う『体を重ねるのに準備が出来たら』って、どんな状態を言うの?
私がセックスしたい! って一日中思い始めたら?
私にもっと色気が出て来たら?
それとも、私のおっぱいが大きくなったら?
そもそも私って……準備、できてきてるの?」
矢継ぎ早に繰り出される質問。和泉は問いを理解する前に、危険な匂いを察知した。
──これはまた、ぶっ飛んだ思考に入り始めたのでは……?
和泉は、話がおかしな方向へ進む前に会話の主導権を取り返そうとした。しかし、亜姫は止まらない。
「最近ね……足りないって思っちゃうの。
和泉とこういう触れ合いをしない日もあるでしょう? そういう日は、家に帰ってからちょっと寂しいって思うの。触れてほしかったな、って……。
私、もっと和泉に触りたいな、って……」
予想に反して、亜姫の話はいつもと違う方向へ向かい始めた。
和泉はその顔をじっと見つめる。好奇心を発動させたものなのかそれとは異なるものなのか、測りかねたからだ。
それに気づくはずもない亜姫は、1人でポツポツとこぼしていく。
「ね、こう思うの……おかしい? い、いやらしい、かな……? こんな私じゃ、嫌になっちゃう……?
でも、もっと……和泉に近づきたい……」
亜姫はちょっとした疑問を口にしたつもりだったのだろうか、なぜこんな話になっているのか自分でも良くわかってないように見えた。困ったように少し目を潤ませて、けれど一生懸命言葉を探して気持ちを紡いでいく。
和泉は何も言わず、そっと手を伸ばして亜姫の顔に触れた。
「和泉? どうして何も言ってくれないの……?
わ、私……私ね……和泉をもっと近くに感じたい……私は和泉の一番近くにいるんだって、思いたくなっちゃった……。
ね……な、なんか言って……私にばっかり喋らせないで……は、恥ずかし、から……もぅ……バカァァァ……」
言いながらだんだん声が小さくなり、代わりにどんどん首まで真っ赤になり……最後は和泉から視線を外して、亜姫は俯いた。
その瞬間、顔からポタリと水滴が落ちる。
和泉はその顔を上向かせ、羞恥から零れた涙を優しく親指で拭う。
すると、亜姫が小さな声で言った。
「和泉……私、もぅ……準備、出来た……?
………出来たって、言って………………」
いつもの亜姫なら、羞恥心を感じるような事を言葉にすることはない。もしそんな状況になったとしても、顔ごと隠して絶対に見せないようにする。
そんな亜姫が視線を合わせ、自ら心の奥底にある本音を語る。それは、どれだけの勇気を必要としたのだろう。
そう考えたら、目の前にいるこの存在がいじらしくて愛しくて可愛くて……どうしようもなく大切で。
この世にこれ以上大事なものなんて存在し得ないと、和泉は心の底から思った。
和泉は亜姫の髪を優しく撫でながら、静かに告げる。
「亜姫……もし、お前が怖くなって泣いたとしても。俺は、止められる自信がない」
「それで、いい……」
亜姫は消え入るような声で呟き、和泉にギュウッと抱きついた。
和泉はその体をそっと包みこみ、耳元で囁く。
「お前を…俺のものにしても、いい……?」
腕の中で、亜姫は小さく頷いた。
心と体の準備が出来たら。
抱かれる時は、幸せと心地よさしか感じてほしくない。
その気持ちに偽りはない。今は殊更そう思う。
その想いを込めて、和泉は愛しい存在に愛を捧げた。
その喜びに浸りながら温もりを堪能していた時、それは聞こえた。
「ねぇ、和泉? 心と体の準備が出来たら……って、どんな状態?」
最初、なにを聞かれたのか良く分からなかった。
子供が些細な疑問を口にするような口調だったので、言葉が意味することを想像できなかったのかもしれない。
「和泉が言う『体を重ねるのに準備が出来たら』って、どんな状態を言うの?
私がセックスしたい! って一日中思い始めたら?
私にもっと色気が出て来たら?
それとも、私のおっぱいが大きくなったら?
そもそも私って……準備、できてきてるの?」
矢継ぎ早に繰り出される質問。和泉は問いを理解する前に、危険な匂いを察知した。
──これはまた、ぶっ飛んだ思考に入り始めたのでは……?
和泉は、話がおかしな方向へ進む前に会話の主導権を取り返そうとした。しかし、亜姫は止まらない。
「最近ね……足りないって思っちゃうの。
和泉とこういう触れ合いをしない日もあるでしょう? そういう日は、家に帰ってからちょっと寂しいって思うの。触れてほしかったな、って……。
私、もっと和泉に触りたいな、って……」
予想に反して、亜姫の話はいつもと違う方向へ向かい始めた。
和泉はその顔をじっと見つめる。好奇心を発動させたものなのかそれとは異なるものなのか、測りかねたからだ。
それに気づくはずもない亜姫は、1人でポツポツとこぼしていく。
「ね、こう思うの……おかしい? い、いやらしい、かな……? こんな私じゃ、嫌になっちゃう……?
でも、もっと……和泉に近づきたい……」
亜姫はちょっとした疑問を口にしたつもりだったのだろうか、なぜこんな話になっているのか自分でも良くわかってないように見えた。困ったように少し目を潤ませて、けれど一生懸命言葉を探して気持ちを紡いでいく。
和泉は何も言わず、そっと手を伸ばして亜姫の顔に触れた。
「和泉? どうして何も言ってくれないの……?
わ、私……私ね……和泉をもっと近くに感じたい……私は和泉の一番近くにいるんだって、思いたくなっちゃった……。
ね……な、なんか言って……私にばっかり喋らせないで……は、恥ずかし、から……もぅ……バカァァァ……」
言いながらだんだん声が小さくなり、代わりにどんどん首まで真っ赤になり……最後は和泉から視線を外して、亜姫は俯いた。
その瞬間、顔からポタリと水滴が落ちる。
和泉はその顔を上向かせ、羞恥から零れた涙を優しく親指で拭う。
すると、亜姫が小さな声で言った。
「和泉……私、もぅ……準備、出来た……?
………出来たって、言って………………」
いつもの亜姫なら、羞恥心を感じるような事を言葉にすることはない。もしそんな状況になったとしても、顔ごと隠して絶対に見せないようにする。
そんな亜姫が視線を合わせ、自ら心の奥底にある本音を語る。それは、どれだけの勇気を必要としたのだろう。
そう考えたら、目の前にいるこの存在がいじらしくて愛しくて可愛くて……どうしようもなく大切で。
この世にこれ以上大事なものなんて存在し得ないと、和泉は心の底から思った。
和泉は亜姫の髪を優しく撫でながら、静かに告げる。
「亜姫……もし、お前が怖くなって泣いたとしても。俺は、止められる自信がない」
「それで、いい……」
亜姫は消え入るような声で呟き、和泉にギュウッと抱きついた。
和泉はその体をそっと包みこみ、耳元で囁く。
「お前を…俺のものにしても、いい……?」
腕の中で、亜姫は小さく頷いた。
心と体の準備が出来たら。
抱かれる時は、幸せと心地よさしか感じてほしくない。
その気持ちに偽りはない。今は殊更そう思う。
その想いを込めて、和泉は愛しい存在に愛を捧げた。
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