緋色の月と破滅の炎

睦月夜風

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第二章 破壊の月と優しい白色の鳥

第10話 宗古の一族

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「わぁ、中も広い、私の神社も此処まで広くないよ」
「まぁ、その分、掃除が大変だけどね」
「あ、そっか」
はなって何歳だっけ?」
「私は15だよ」
「あ、俺より一歳年上か」
「そうだね」
「あ、え?月龍つきりゅう君私と3歳も年下なんだ」
「え?お前って17歳だったの?」
「そうだよ、言ってなかったけ?」
「うん」
「そうだっけ、あ、かい君達は?」
「うーんとな、確か···今年で」
「うん」
「(絶対ヤバい年齢だろうなー)」
「600歳くらいかなぁー」
「え!?」
「私は570歳なのだー」
「さ、30も差があるの?貴方達··」
「いや、妖怪として見たらかなり幼いぞ?俺達」
「つ、つまりさ月龍つきりゅう君って妖怪としてみたら···」
「生まれて3ヶ月の赤ん坊」
「ひっど!」
「へ、へぇ」
 はなちゃんは私達が手を繋いでいるのを見た
「···仲良しなんだね、二人とも」
「あ、えっと」
「俺達は恋人同士だよ」
「え?」
「あ、ちょっと」
「え?言ったらダメだった感じ?」
「は、恥ずかしいよ」
「ごめん、ごめん、確かにそうだな」
「もう」
「え?え?恋人?恋人?月龍つきりゅう君が?こんな可愛い子と?」
 はなちゃんは混乱していた
「お、落ち着いて」
「·····そんな、やばい反応されるとは思わなかった」
「よし、よし、落ち着け私、落ち着け落ち着け、ふぅ····`よし!····って落ち着けるかぁぁぁ!!」
「ですよねー」
「え?え?恋人できたの?嘘でしょ···元々あんな、ロボットや人形みたいだったのに!?」
「まぁ、うん」
「お母さん、多分この事聞いたら転げ落ちそう···」
「あれ?お前の母さんにも会ったこと会ったっけ?」
「いや、会ったて言うか、私達が遊んでいた?のを見てたらしいよ」
「あれは本当に遊んでいましたか?」
「どう考えても遊んではない」
 その時
「あ、その子達ね耐性つけてほしいって言ってた子は」
 巫女服を着た大人の女性がやって来た
「あ、うん、そうだよお母さん」
「それで?何があったの?」
「まずさ、そこの長髪の子分かる?」
「いや、知らないよ、君、名前は何て言うんだい」
月龍冷刃つきりゅうれいばです、元の名前は睦月夜風むつきよかぜだけど」
「·····え?睦月むつきちゃん?」
「は、はい」
「あらまぁ、凄く変わっちゃって、前に会った時はこんな明るい雰囲気出してなかったのに」
「まぁ、白馬はくばとかに色々してもらいましたからね」
「そう、良かったわね、それで、はな、この子達の禁忌と代償は?」
「はい、この紙に書いてるよ」
「ありがとう、ふむふむ、分かった、君達は此処に居なさい、はな、あんたも此処に居て良いからね」
「はい」
「それじゃ、また後でね」
 そしてはなちゃんのお母さんは行ってしまった
「あの人がお母さん?」
「うん、とっても優しいお母さんだよ、私、お母さん大好きなんだよね~、宗古そうこさんは~?」 
「·····ノーコメントで」
「あ、はい」
「それじゃ、そこの二人は?」
「お母様はうーん、優しかった···かなぁ?」
「むー、少なくとも二人みたいに虐待とかは無かったな」
「俺の母さんは俺を殺そうとしてきてるから虐待の領域越えてるぞ?」
「そうだな、宗古そうこも···」
 皆は私の顔を見てはっとしていた
「え?どうかしたの?」
「お前···何で泣いてるんだ?」
「え?」
 私は自分が涙を流していることに気が付いた
「え?あ、あれ、何で····」
 その時、月龍つきりゅう君は何かを決心したような顔をし、私の近くに来た
「···宗古そうこ前から聞こうと思ってたんだけどさ実は追い出されただけじゃないだろ」
「そ、そんなこと···」
「じゃあさ、その額の切り傷はなんだ?」
「あっ·····」
「明らかにその傷は今回の戦いで負った傷じゃない、かなり古いときの傷だ」
「·····」
「正直に言ってくれ、何があった」
「分かった····月龍つきりゅう君に話すから、皆は後から聞いて」
「「「うん」」」
「奥の部屋、使わせてもらうね」
「良いよ」
 そして私達は奥の部屋に入った




「で?何があった?」
「実は貴方とほとんど同じなの···」
「成る程、殺されかけたんだな」
「···うん、私と三奈みながね」
「そっか、一応、理由聞いていい?」
「···私は歴代禿鷲はげわし家の中で落ちこぼれだった、妖術はたくさんあるけどまともに使えない、まとも使えるのは料理と鳥の術だけ、しかも刀を扱えない」
「でも、さ、今は刀を使えるし、術だって禁忌を解放してる、親に会ったら見返してやれよ」
「だめ!」
「···なんで?」
「あ····ごめん、それは···こんなに強くなったら私の親は私を無理矢理にでも自分の物としようとする、そしたら、月龍つきりゅう君や他の皆に会えなくなる···それが心の底から嫌なの」
「成る程な、俺も宗古そうこに会えなくなるのはかなり辛いよ」
「それに······あの仮面だけは何があっても被りたくない」
「あの仮面?」
「厄王の仮面っていう、呪いの仮面で、被させられたその人の自我は完全に無くなって乗っ取られるの、それを私達の一族は禁忌の領域に入った者に被せるの」 
「はぁ?何でだよ」
「厄王を復活させて、自分達の地位を高くするために」
「····自分の一族も終わってるけどさふざけてんのか、お前の一族は···」
「私もそれを聞いた時、そう思ったよ、ってか月龍つきりゅう君の一族は···」
「簡単に言ったら 残酷、脳筋、裏切られる」
「え、えっと、どういう意味?」
「まず、戦争大好きな頭おかしい連中、敵の一家は子孫まで殺すそして自分の仲間に裏切られる」
「私よりはましなのでは?」
「·····確かに、生け贄とか滅茶苦茶拒むしな、多分、俺の場合は母さんが頭がおかしかったんだろう」
「ふぅーん····月龍つきりゅう君、一つ約束して欲しいことがあるの」
「なんだ?」
「もしもだよ?もしも私が厄王の仮面に乗っ取られたら全力で戦って、最悪、私を殺しても良いから」
「····」
「辛いって事は分かる、だけど、だけど、私にとって貴方を傷付ける事が本当に嫌だから···お願い」
「·····分かった、だけど······だけど」
私は月龍つきりゅう君が涙を落としていることに気が付いた
「俺だって····俺だってさ、辛い、恋人を手にかけるなんて、自分の腹を斬るより辛い」
月龍つきりゅう君·····」
「だから、俺はお前がそんなことになったら死ぬ気でお前を助ける」
「私を···私を助ける方法が無かったら?」
「絶対に見つけ出す、例え、禁忌を犠牲にしてでも」
「どうして···そこまで私を···貴方には私が居なくなってもルザルスちゃんが居るのに」
「例えお前が俺の恋人じゃなくても俺はこうするよ、だってお前は俺の····親友だから····だから絶対に助ける」
月龍つきりゅう君は涙を拭き取りそう言った
「·······うん!」
私もそう泣きながらそう言った


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