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巡り合う定め
34:疑い その2
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「染まってないってなにかな。俺はっ! 俺だって、ローウェンの一人だ!」
「ローウェンパーティマスターの俺よりも、外部の指示に従う奴がか?」
アグノスの温度のない瞳は、オーラムにむけられていた。
何も感じられないその瞳に、トルムは思わず後退る。仲間にして良い目ではない。
巡り逢う定めとは、この世界において重要な意味を持つ。
前世、それよりも前の縁によって結ばれる人々が巡り巡って出逢う世界。それは、まだ赤子の時から聞かされる絵本にも出てくる、この世界の当然の摂理。出逢うのは宿命。幸せを結ぶのも定めならば、不幸に落ちるのも定めなのだと。
「定めに従うか、抗うか。決めるのはお前だ」
それは、トルムがお祖父様からよく聞いた台詞でもあった。
世界には決まった流れというのが存在する。決まった結末に収束しようとする定めに抗うか、従うか。
オーラムは、カルディアがパーティに入る、もしくはアグノスが居なくなるという定めの可能性に抗った。アグノスが望む望まないには関わらずに。その結果どうなろうとも、結果は背負わなくてはならない。
話は終わったと、アグノスはホールにある館内放送が出来るボタンを押した。
「パーティハウスにいる全メンバーに通達」
それは、落ち着いた声でありながらも、少しばかり怒りが滲んでいた。
「依頼人が襲撃された。今頃捕まっている可能性が高い。全員で依頼人の救出、及び襲撃者を潰す」
アグノスがそう言えば、ホールに足音もなく、人影が集まってくる。
中には気配すら感じさせない者もいて、トルムは思わずびくりと体を震わせた。
「りぃだぁ。なんで捕まっているんですかあ?」
そういうのは殺されているのが定石でしょう。
と、首を傾げたのは、玄関ホールを見下ろせる2階の手摺に座った小柄なエルフの少年であった。
「殺されはしない。大公の前に連れ出されるまではな」
「大公! 大物ねぇ」
紫の波打つ長髪をかき上げながら、妖艶な美女が笑い声を上げる。
ローウェンパーティ。現在グラディエルに依頼で赴いている者もいるので全員ではないが、それでも依頼に赴いていない者は全員この場にいた。
ざわざわとあるものは楽しげに、あるものはつまらなそうに。そしてあるものは恐れを抱いて。
「ミスティ。探せ」
見上げてそういえば、水色の髪の少女がぴょんっと、階下に降りてきた。
「ほいほいっと。依頼人さんの毛髪とか服とか、とか。魔力が宿った物でもなんでもいいんだけど、何かあるのかな、かな?」
トルムよりも少し年上の少女ーーミスティはそう言って首を傾げる。
そんな家族でもない依頼人の服や毛髪を持っているだなんて変態ではないか? と誰しもが考えた。けれど、それを口にすることはしない。
魔力が宿った物、というワードにトルムはもたつきながらも、ペンダントをミスティへ差し出した。
「こ、これ。今日、守護の刻印魔法を刻んでもらって……!」
トルムからペンダントを受け取ったミスティは、へぇっと声を上げる。
「うわぁ。凄い綺麗な刻印魔法! しかも守護の印も二重にしてあるし、腕のいい魔法使いさんだね、だねぇ」
「ミスティ、急げ」
様々な角度からペンダントを眺めて興奮するミスティに、ため息混じりでアグノスは指示をする。
そう言えばそうでしたと舌を出したミスティは、まだまだ子供の雰囲気が抜けていない。
ミスティはこほん、と一つ咳払い。
どこにそんな物をしまっていたとツッコミどころはあるものの、懐から王都の地図を取り出して床に敷く。
右手に短杖を操って、左手でペンダントを揺らしながら詠唱を始めた。
【血は風。心は隼。我がミスティリオーネ・ラテスの名において命ずる。探し人の行方を示せ】
魔法円が描き上がり、すいっと地図の上に投げればペンダントは宙に浮かんだ。
そのまま地図の上を回転し、やがて王宮の更に奥の宮の上でピタリと止まる。
「紅宮……」
グラジオラスが咲き誇るその宮の名前を呟いたのはオーラムか、それともトルムか。
魔法が切れてぽとりと地図の上にペンダントが落ちる。
それをミスティがすいっと短杖を上げて魔力で持ち上げると、持ち主であるトルムの手のひらに落とした。
「それ、とてもとても綺麗なの、なの。後でまた見せてほしい、ほしい!」
独特な話し方をするミスティがぐいぐいと迫ってきて、トルムが目を白黒させながらも、
「き、機会があれば」
と、躱してみせる。ミスティの目は爛々と輝いており、上手く躱せているのかは謎ではあるが。
そんな少年少女の様子を微笑ましく見ている余裕はなく、ピリッとした緊張感がはしった。
派手な音と共に、アグノスがパーティハウスの入り口を開いたからだ。
「ローウェンは、売られた喧嘩は買う主義だ」
依頼中に拐かされたともなれば、つまりはローウェンに喧嘩を売ったということ。
「久々に暴れるかあ!」
「ぼぼぼぼくは、ここにのこっ」
「はいはい。貴方も行くのよ」
身軽に2階から飛び降りた少年が腕を回し、柱に隠れようとした白衣の男を紫の女が引っ張っていく。
それぞれに年齢も、性別も。あるいは種族さえも違う。
「王宮とか、やりがいがあるかな、かなあ」
「大将が喧嘩だって言うのなら、面白いだろうよ!」
ミスティが地図を畳んでくるりと回りながら駆ければ、その後に大男が大きな斧を担いで歩く。
そうして、アグノスの元に、一人、また一人とメンバーが集まった。
残ったのはトルムとオーラムだ。
「兄上……」
ぐっと胸元を握り込んだオーラムを、トルムは心配で見上げた。
オーラムは葛藤している。この事態を招いたのは自分であるのだから。
このまま思惑通りに進めば、何も憂いることはない。
けれど、アグノスは矛先を完全にオーラムから別の人物へと向けていた。
まるで自分は端から視界にないといわんばかりに。
いや、オーラムはただ、手のひらの上で踊らされていたに過ぎない。
従えば、許しを得られるなどと幻をみたばかりに、こんな事になってしまったのだから。
「オーラム」
俯いたオーラムに、アグノスは呼びかける。
「定めに従うか、抗うか。決めるのはお前だ」
オーラムの宿命とはなにか。それは、トルムにはわからない。
「トルム。ここでいい子にしているんだよ」
けれど、次に顔を上げたオーラムは、トルムにいつものような優しい笑みを浮かべていた。
そして、彼は一歩一歩踏みしめて、アグノスの元へ集った。
トルムはペンダントを握りしめながら、彼等を見送る。
せめて全員が無事であるように、祈ることしか出来なかった。
「ローウェンパーティマスターの俺よりも、外部の指示に従う奴がか?」
アグノスの温度のない瞳は、オーラムにむけられていた。
何も感じられないその瞳に、トルムは思わず後退る。仲間にして良い目ではない。
巡り逢う定めとは、この世界において重要な意味を持つ。
前世、それよりも前の縁によって結ばれる人々が巡り巡って出逢う世界。それは、まだ赤子の時から聞かされる絵本にも出てくる、この世界の当然の摂理。出逢うのは宿命。幸せを結ぶのも定めならば、不幸に落ちるのも定めなのだと。
「定めに従うか、抗うか。決めるのはお前だ」
それは、トルムがお祖父様からよく聞いた台詞でもあった。
世界には決まった流れというのが存在する。決まった結末に収束しようとする定めに抗うか、従うか。
オーラムは、カルディアがパーティに入る、もしくはアグノスが居なくなるという定めの可能性に抗った。アグノスが望む望まないには関わらずに。その結果どうなろうとも、結果は背負わなくてはならない。
話は終わったと、アグノスはホールにある館内放送が出来るボタンを押した。
「パーティハウスにいる全メンバーに通達」
それは、落ち着いた声でありながらも、少しばかり怒りが滲んでいた。
「依頼人が襲撃された。今頃捕まっている可能性が高い。全員で依頼人の救出、及び襲撃者を潰す」
アグノスがそう言えば、ホールに足音もなく、人影が集まってくる。
中には気配すら感じさせない者もいて、トルムは思わずびくりと体を震わせた。
「りぃだぁ。なんで捕まっているんですかあ?」
そういうのは殺されているのが定石でしょう。
と、首を傾げたのは、玄関ホールを見下ろせる2階の手摺に座った小柄なエルフの少年であった。
「殺されはしない。大公の前に連れ出されるまではな」
「大公! 大物ねぇ」
紫の波打つ長髪をかき上げながら、妖艶な美女が笑い声を上げる。
ローウェンパーティ。現在グラディエルに依頼で赴いている者もいるので全員ではないが、それでも依頼に赴いていない者は全員この場にいた。
ざわざわとあるものは楽しげに、あるものはつまらなそうに。そしてあるものは恐れを抱いて。
「ミスティ。探せ」
見上げてそういえば、水色の髪の少女がぴょんっと、階下に降りてきた。
「ほいほいっと。依頼人さんの毛髪とか服とか、とか。魔力が宿った物でもなんでもいいんだけど、何かあるのかな、かな?」
トルムよりも少し年上の少女ーーミスティはそう言って首を傾げる。
そんな家族でもない依頼人の服や毛髪を持っているだなんて変態ではないか? と誰しもが考えた。けれど、それを口にすることはしない。
魔力が宿った物、というワードにトルムはもたつきながらも、ペンダントをミスティへ差し出した。
「こ、これ。今日、守護の刻印魔法を刻んでもらって……!」
トルムからペンダントを受け取ったミスティは、へぇっと声を上げる。
「うわぁ。凄い綺麗な刻印魔法! しかも守護の印も二重にしてあるし、腕のいい魔法使いさんだね、だねぇ」
「ミスティ、急げ」
様々な角度からペンダントを眺めて興奮するミスティに、ため息混じりでアグノスは指示をする。
そう言えばそうでしたと舌を出したミスティは、まだまだ子供の雰囲気が抜けていない。
ミスティはこほん、と一つ咳払い。
どこにそんな物をしまっていたとツッコミどころはあるものの、懐から王都の地図を取り出して床に敷く。
右手に短杖を操って、左手でペンダントを揺らしながら詠唱を始めた。
【血は風。心は隼。我がミスティリオーネ・ラテスの名において命ずる。探し人の行方を示せ】
魔法円が描き上がり、すいっと地図の上に投げればペンダントは宙に浮かんだ。
そのまま地図の上を回転し、やがて王宮の更に奥の宮の上でピタリと止まる。
「紅宮……」
グラジオラスが咲き誇るその宮の名前を呟いたのはオーラムか、それともトルムか。
魔法が切れてぽとりと地図の上にペンダントが落ちる。
それをミスティがすいっと短杖を上げて魔力で持ち上げると、持ち主であるトルムの手のひらに落とした。
「それ、とてもとても綺麗なの、なの。後でまた見せてほしい、ほしい!」
独特な話し方をするミスティがぐいぐいと迫ってきて、トルムが目を白黒させながらも、
「き、機会があれば」
と、躱してみせる。ミスティの目は爛々と輝いており、上手く躱せているのかは謎ではあるが。
そんな少年少女の様子を微笑ましく見ている余裕はなく、ピリッとした緊張感がはしった。
派手な音と共に、アグノスがパーティハウスの入り口を開いたからだ。
「ローウェンは、売られた喧嘩は買う主義だ」
依頼中に拐かされたともなれば、つまりはローウェンに喧嘩を売ったということ。
「久々に暴れるかあ!」
「ぼぼぼぼくは、ここにのこっ」
「はいはい。貴方も行くのよ」
身軽に2階から飛び降りた少年が腕を回し、柱に隠れようとした白衣の男を紫の女が引っ張っていく。
それぞれに年齢も、性別も。あるいは種族さえも違う。
「王宮とか、やりがいがあるかな、かなあ」
「大将が喧嘩だって言うのなら、面白いだろうよ!」
ミスティが地図を畳んでくるりと回りながら駆ければ、その後に大男が大きな斧を担いで歩く。
そうして、アグノスの元に、一人、また一人とメンバーが集まった。
残ったのはトルムとオーラムだ。
「兄上……」
ぐっと胸元を握り込んだオーラムを、トルムは心配で見上げた。
オーラムは葛藤している。この事態を招いたのは自分であるのだから。
このまま思惑通りに進めば、何も憂いることはない。
けれど、アグノスは矛先を完全にオーラムから別の人物へと向けていた。
まるで自分は端から視界にないといわんばかりに。
いや、オーラムはただ、手のひらの上で踊らされていたに過ぎない。
従えば、許しを得られるなどと幻をみたばかりに、こんな事になってしまったのだから。
「オーラム」
俯いたオーラムに、アグノスは呼びかける。
「定めに従うか、抗うか。決めるのはお前だ」
オーラムの宿命とはなにか。それは、トルムにはわからない。
「トルム。ここでいい子にしているんだよ」
けれど、次に顔を上げたオーラムは、トルムにいつものような優しい笑みを浮かべていた。
そして、彼は一歩一歩踏みしめて、アグノスの元へ集った。
トルムはペンダントを握りしめながら、彼等を見送る。
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