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第4章 アグレット大炎上!
第4話 アグレットの終焉(前編)
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イリエナちゃんとのコラボ動画の再生数や評価はとても良かった。
彼女の【歌魔法】についても、ネットの掲示板とかで話題になっているらしい。
イリエナちゃんの夢とぼくの夢に、少しずつ近づいている。
話し合った結果、ぼくとイリエナちゃんは正式にパーティを組むことにした。
そこで、翌日の朝、ぼくらは早速一緒に冒険者ギルドに行くことになった。
一時の共闘やコラボなら別だけど、本格的にパーティを組むなら登録は冒険者の義務だからね。
「ここが冒険者ギルドですか」
「うん。イリエナちゃんは初めて来たの?」
「はい。芸能ギルドの建物よりちょっとだけ大きいですね」
これからイリエナちゃんとパーティを組むんだ。
そう思うと、ぼくはドキドキわくわくしていた。
ちょっと浮かれていたのかもしれない。
それに緊張もしていた。
だから、あんな判断ミスをしちゃったんだと思う。
「ごめん、イリエナちゃん」
「どうかしましたか?」
「ぼく、ちょっとおしっこ行ってくる」
ギルドのトイレは建物の外にある。
くみ取り式だから、外の方が都合が良いらしい。
「あらあら」
「ちょっとギルドの中で待っていて。大丈夫、冒険者さんはみんないい人ばかりだし」
「わかりました」
だけど、おしっこをすませてギルドの入り口に行ったとき、ぼくは自分の判断を悔やむことになった。
入り口付近で、あろうことかアグレットがイリエナちゃんを捕まえて、ショートソードを彼女の首にあてていたのだ。
ぼくは反射的に叫んだ。
「何をやっているんだっ、アグレット!!!」
なにこれ? どういうこと?
なんでアグレットが冒険者ギルドにいるの?
たしか、ギルドから追い出されて、30日間の登録禁止になったはずじゃなかったっけ?
あ、30日間経ったから冒険者に再登録したのかな?
だとして、どうしてこうなったの?
ぼくはギルド全体の状況を確認してみた。
ギルドの職員を含め冒険者達が、アグレットに敵意と警戒心をむき出しにしていた。
しかも、ラッカさんが右腕を押さえて苦しそうにしていた。
怪我しているみたいで、床に血液がしたたっていた。
早めに回復魔法が必要かな?
やっぱり事情はよく分からないけど……
なににしても、まずはイリエナちゃんを助けないと。
イリエナちゃんの首筋には薄く傷がついていた。
そこから、ほんの少しだけど血も流れている。
ゆるせない!
あんなにすてきな歌を奏でるイリエナちゃんに、なんてことをするんだ!
イリエナちゃんは不安そうな声を出した。
「カイさん……」
ぼくはイリエナちゃんを安心させるために、ニッコリ笑って言った。
「大丈夫だよ、イリエナじゃん。すぐに助けるからね」
「はい」
ぼくは改めてアグレットに言った。
「アグレット、今すぐ、イリエナちゃんを放して!」
だが、アグレットは怒りあふれる声で威嚇してきた。
「うっせーんだよ、このクソガキがぁぁぁ!! この娘の命が惜しかったら、そこをどきやがれ!!」
叫んだアグレットの目は血走っていた。
もしかすると、正気を失っているのかもしれない。
冒険者達もアグレットに警告した。
「アグレット、いい加減にしろ!」
「これ以上は許されんぞ」
「今すぐ降伏するんだ」
だが、今のアグレットにそんな言葉は通じない様子だった。
「うるせぇ!」
叫び狂うアグレットに、ぼくは言った。
「このまま逃げられると思っているの?」
「うっせーっつってんだろうが!」
完全に正気を失っているとしか思えない。
こっちも怒りでおかしくなりそうだけど。
ぼくは『冷静になれ』と自分に言い聞かせながらアグレットにたずねた。
「ラッカさんに怪我させたのもアグレット?」
「だったらどうした!?」
「やっぱりそうなんだね」
ラッカさんの傷はどう見ても切り傷だ。
アグレットが切りつけたのだろう。
細かい事情はさておき、ギルド内で他の冒険者を切りつけたのなら、厳罰だ。
今度は一時の登録抹消じゃすまないと思う。
まして、イリエナちゃんを人質に取るなんて!
「アグレット、もう一度言うよ。今すぐイリエナちゃんを解放して武器をすてて」
「うるせぇぇっつってんだろうが! てめぇこそ、そこをどきやがれ!」
ダメだ。
もう交渉の余地はないみたいだ。
「アグレットにイリエナちゃんは殺せないよ」
「俺様がいまさら人殺しにビビるとでも思っているのか!?」
「そんなのは知らないよ。でも、イリエナちゃんを殺したら……」
ぼくはそこで言葉を句切った。
そして、怒りを抑え込んだまま言った。
「……ぼくがアグレットを殺すよ。それこそ、できないと思っているの?」
いくら鈍いぼくでも、さすがにもうアグレットがそんなに強くないってことくらい分かっている。
強かったら人質をとるなんて卑怯なことしないだろうしさ。
しかも、この場には他の冒険者達もいる。
今、みんながかろうじて手を出さないのはイリエナちゃんという人質がいるからだ。
ぼくは最後の確認をした。
「交渉の余地はないんだね?」
「あるわけねーだろうが!」
「そう、残念だよ」
アグレットには色々ひどい目にあわされたけど。
それでも、1人で困っていたぼくを、パーティに入れてくれたのも事実だ。
できれば、素直にイリエナちゃんを解放して投降してほしかったのだけど。
これ以上、イリエナちゃんに恐い思いをさせるわけにはいかない。
これはイリエナちゃんを先にギルドに行かせた僕のミスなのだから。
ぼくは周りの冒険者達に言った。
「みんなは手出ししないで」
そして、次の瞬間、ぼくは【俊足】のスキルを使った。
彼女の【歌魔法】についても、ネットの掲示板とかで話題になっているらしい。
イリエナちゃんの夢とぼくの夢に、少しずつ近づいている。
話し合った結果、ぼくとイリエナちゃんは正式にパーティを組むことにした。
そこで、翌日の朝、ぼくらは早速一緒に冒険者ギルドに行くことになった。
一時の共闘やコラボなら別だけど、本格的にパーティを組むなら登録は冒険者の義務だからね。
「ここが冒険者ギルドですか」
「うん。イリエナちゃんは初めて来たの?」
「はい。芸能ギルドの建物よりちょっとだけ大きいですね」
これからイリエナちゃんとパーティを組むんだ。
そう思うと、ぼくはドキドキわくわくしていた。
ちょっと浮かれていたのかもしれない。
それに緊張もしていた。
だから、あんな判断ミスをしちゃったんだと思う。
「ごめん、イリエナちゃん」
「どうかしましたか?」
「ぼく、ちょっとおしっこ行ってくる」
ギルドのトイレは建物の外にある。
くみ取り式だから、外の方が都合が良いらしい。
「あらあら」
「ちょっとギルドの中で待っていて。大丈夫、冒険者さんはみんないい人ばかりだし」
「わかりました」
だけど、おしっこをすませてギルドの入り口に行ったとき、ぼくは自分の判断を悔やむことになった。
入り口付近で、あろうことかアグレットがイリエナちゃんを捕まえて、ショートソードを彼女の首にあてていたのだ。
ぼくは反射的に叫んだ。
「何をやっているんだっ、アグレット!!!」
なにこれ? どういうこと?
なんでアグレットが冒険者ギルドにいるの?
たしか、ギルドから追い出されて、30日間の登録禁止になったはずじゃなかったっけ?
あ、30日間経ったから冒険者に再登録したのかな?
だとして、どうしてこうなったの?
ぼくはギルド全体の状況を確認してみた。
ギルドの職員を含め冒険者達が、アグレットに敵意と警戒心をむき出しにしていた。
しかも、ラッカさんが右腕を押さえて苦しそうにしていた。
怪我しているみたいで、床に血液がしたたっていた。
早めに回復魔法が必要かな?
やっぱり事情はよく分からないけど……
なににしても、まずはイリエナちゃんを助けないと。
イリエナちゃんの首筋には薄く傷がついていた。
そこから、ほんの少しだけど血も流れている。
ゆるせない!
あんなにすてきな歌を奏でるイリエナちゃんに、なんてことをするんだ!
イリエナちゃんは不安そうな声を出した。
「カイさん……」
ぼくはイリエナちゃんを安心させるために、ニッコリ笑って言った。
「大丈夫だよ、イリエナじゃん。すぐに助けるからね」
「はい」
ぼくは改めてアグレットに言った。
「アグレット、今すぐ、イリエナちゃんを放して!」
だが、アグレットは怒りあふれる声で威嚇してきた。
「うっせーんだよ、このクソガキがぁぁぁ!! この娘の命が惜しかったら、そこをどきやがれ!!」
叫んだアグレットの目は血走っていた。
もしかすると、正気を失っているのかもしれない。
冒険者達もアグレットに警告した。
「アグレット、いい加減にしろ!」
「これ以上は許されんぞ」
「今すぐ降伏するんだ」
だが、今のアグレットにそんな言葉は通じない様子だった。
「うるせぇ!」
叫び狂うアグレットに、ぼくは言った。
「このまま逃げられると思っているの?」
「うっせーっつってんだろうが!」
完全に正気を失っているとしか思えない。
こっちも怒りでおかしくなりそうだけど。
ぼくは『冷静になれ』と自分に言い聞かせながらアグレットにたずねた。
「ラッカさんに怪我させたのもアグレット?」
「だったらどうした!?」
「やっぱりそうなんだね」
ラッカさんの傷はどう見ても切り傷だ。
アグレットが切りつけたのだろう。
細かい事情はさておき、ギルド内で他の冒険者を切りつけたのなら、厳罰だ。
今度は一時の登録抹消じゃすまないと思う。
まして、イリエナちゃんを人質に取るなんて!
「アグレット、もう一度言うよ。今すぐイリエナちゃんを解放して武器をすてて」
「うるせぇぇっつってんだろうが! てめぇこそ、そこをどきやがれ!」
ダメだ。
もう交渉の余地はないみたいだ。
「アグレットにイリエナちゃんは殺せないよ」
「俺様がいまさら人殺しにビビるとでも思っているのか!?」
「そんなのは知らないよ。でも、イリエナちゃんを殺したら……」
ぼくはそこで言葉を句切った。
そして、怒りを抑え込んだまま言った。
「……ぼくがアグレットを殺すよ。それこそ、できないと思っているの?」
いくら鈍いぼくでも、さすがにもうアグレットがそんなに強くないってことくらい分かっている。
強かったら人質をとるなんて卑怯なことしないだろうしさ。
しかも、この場には他の冒険者達もいる。
今、みんながかろうじて手を出さないのはイリエナちゃんという人質がいるからだ。
ぼくは最後の確認をした。
「交渉の余地はないんだね?」
「あるわけねーだろうが!」
「そう、残念だよ」
アグレットには色々ひどい目にあわされたけど。
それでも、1人で困っていたぼくを、パーティに入れてくれたのも事実だ。
できれば、素直にイリエナちゃんを解放して投降してほしかったのだけど。
これ以上、イリエナちゃんに恐い思いをさせるわけにはいかない。
これはイリエナちゃんを先にギルドに行かせた僕のミスなのだから。
ぼくは周りの冒険者達に言った。
「みんなは手出ししないで」
そして、次の瞬間、ぼくは【俊足】のスキルを使った。
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