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第12章 ラグナロク-神との戦い-
第134話 赤道へ
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大陸の南部地方、ガゼノラ帝国を越えて砂漠地帯に入った頃からずっと、軌道ステーションからの直接攻撃が続いている。
「荷電粒子砲でまた護衛の戦闘機が一機落とされました」
長距離ビーム砲と長距離レーザー砲。レーザーは光速で照射されるため避ける事は不可能だ。戦闘機と爆撃機の表面に施した銀のミラーコートで反射させるしかない。
でも数秒同じ場所に当てられるとミラーコートが蒸発してしまうため、左右にローリングする回避行動を取りながら飛んでいる。
レーザー砲が効かないとみて、ビーム砲を多用してきた。最初の内は大気層を通り拡散していたけど、赤道に近づくにつれて高い位置からの攻撃となりビームの威力も増してくる。回避が遅れて掠るだけでも機体が損傷する。
「ビームの光跡は見えているんだ。回避と防御を徹底させろ」
ネイトスが指示を飛ばす。
ビームの来る方向は分かっている。真南の正面方向、今は地平線から二十五度の上空からだ。爆撃機はビームの光が見えてから土の壁を多重に張って防いでいる。戦闘機もビームを正面に受けないように回避する。
「パイロットも疲れてきていますな」
照準レーザーを狂わせるため、戦闘機の後部に乗った魔術師による陽炎を周辺一帯に発生してもらっている。四十機の三交代でローテーションを組んでいるけど、攻撃が頻繁になり撃墜される機体もでてきた。
「一体いつまで続くのよ~。バカスカ、 バカスカ撃って来て、ほんと頭にくるわね!」
「前方の山で休憩できるから、ウィッチアももう少し頑張ってよ」
先行した戦闘機が着陸できる山間を見つけている。一旦休憩を取らないと物資を運んでいる爆撃機が撃墜されかねない。
「よし、みんな。あの山影に退避するよ」
軌道ステーションは地平線から三十度上空にあるけど、ここなら山の陰に隠れて直接攻撃する事はできない。無事着陸して、やっと落ち着くことができた。
「リビティナ様。空へと向かう柱がここからでも見えますね」
休憩場所から少し離れた所でティーアが望遠鏡を覗き込んでいる。そそり立つ白く光る四本のメインシャフトを確認しているようだ。
「上空のステーションも見えるかい」
「ちょっとお待ちください……最大望遠にしますね。あっ、ありました」
丸く光るステーションを目視で確認できた。太陽の位置からするとここから千キロ程南に行けば赤道。メインシャフトの地上部に到達できる。
「そのメインシャフトを壊せば、ステーションが落ちてくるんですか?」
「いいや。多少安定性はなくなるだろうけど、同じ位置でこの星を回り続けるよ」
軌道ステーションはその先の静止軌道にある、アンカー衛星に吊り下げられている状態だからね。あの女の企みを阻止するためには軌道ステーションを何とかしないといけないんだけど……。
ティーアには、ステーションの位置を正確に測定してもらうように頼んでおいて、ネイトスのいる作戦本部へ向かう。
「今パイロット達には休憩を取ってもらっています。明日には出発できるでしょう」
「メインシャフトから二十キロの位置まで進みたいんだけどね」
長距離弾道ミサイルをステーションに当てるためにはその辺りまで行く必要がある。
爆撃機の速度でここから約五時間、あの空からの攻撃に耐え続けないといけない。少し厳しいかもしれないね。
「回避行動を取りつつ、低空を飛んで近づくしかありませんな」
「メインシャフト自体にも防御兵器が装備されているはずだからね。上空と正面、両方の攻撃を躱しながらになるね」
近づけば近づくほど攻撃が激しくなるのは確実だ。
「この先に高い山があると地図には示されていますが」
赤道の手前、五十キロの位置に標高五千メートル級の山がある。でもそこまで近づくと、ステーションは真上ぐらいにあって山を盾にする事もできない。
「でも、ステーション攻略のための橋頭堡は必要になる。山の麓に前線基地を作りたいところだね」
洞窟のような横穴でもあれば、ステーションからの攻撃を防げるんだけど……。何とかならないか考えていたら見張り役が大声を上げる。
「後方より、何か巨大な物体がこちらに向かって飛んで来ます!!」
「後方だって!!」
前方のステーションじゃなくて、北側から敵! これはまずいぞ。
リビティナが慌てて双眼鏡で確かめて愕然とした。二足歩行の人型機動兵器がフライボードに乗って飛んでいるじゃないか!
「なんであんな物がこの世界にあるんだよ!!」
挟み撃ちにするつもりで、空のあの女が送り込んできたのか!?
いや、違うようだ。上空のステーションから攻撃を受けている。フライボードを巧みに操りビームを躱しながらこちらに近づいて来た。
「リビティナよ、リビティナはおるか」
巨大スピーカーからなのか、音声でこちらに呼びかけてきた。その声には聞き覚えがある。
『お前は空の上にいた男の神様なのか!?』
魔力波を飛んでいる機動兵器に向かって放つ。
「ほう、このような方法で意思伝達するとはな。これより先はワレが護衛してやろう」
相変わらず上から目線の物言いだけど、若返ったかのように張のある声だ。爆撃機の駐機している山影に入り停止した。
「あの女は狂っておる。ワレを追放し空の管理者の座を奪いおった。リビティナよ、奴を倒すのならワレも共に戦ってやるぞ」
自称神というこの男、死んだと聞かされていたけど、生きて地上で反撃のチャンスをうかがっていたんだね。
『その機動兵器ならステーションを撃ち抜けるのかい』
十五メートルを超える巨大な人型のボディ。装甲が厚いのかマッチョな感じの姿だね。対レーザー用にミラーコートが施されていて、全身が七色に輝いている。その両肩には大型の砲塔が二門装備されていた。
「射程には入っておるが、砲門の連携が必要でな。簡単に打ち抜くことはできんのだ」
一方はビーム砲で、もう一方がレーザー砲のようだね。ミラーコートされたステーションの外壁をビームで破壊し、同じ場所をレーザー砲で二十秒間、正確に攻撃しないとダメージを与えられないらしい。単独で攻撃しても失敗する可能性が高く、リビティナ達に声を掛けてきたようだね。
でもこれが決戦兵器になる事は確実だ。展望が見えて来たよ。
「荷電粒子砲でまた護衛の戦闘機が一機落とされました」
長距離ビーム砲と長距離レーザー砲。レーザーは光速で照射されるため避ける事は不可能だ。戦闘機と爆撃機の表面に施した銀のミラーコートで反射させるしかない。
でも数秒同じ場所に当てられるとミラーコートが蒸発してしまうため、左右にローリングする回避行動を取りながら飛んでいる。
レーザー砲が効かないとみて、ビーム砲を多用してきた。最初の内は大気層を通り拡散していたけど、赤道に近づくにつれて高い位置からの攻撃となりビームの威力も増してくる。回避が遅れて掠るだけでも機体が損傷する。
「ビームの光跡は見えているんだ。回避と防御を徹底させろ」
ネイトスが指示を飛ばす。
ビームの来る方向は分かっている。真南の正面方向、今は地平線から二十五度の上空からだ。爆撃機はビームの光が見えてから土の壁を多重に張って防いでいる。戦闘機もビームを正面に受けないように回避する。
「パイロットも疲れてきていますな」
照準レーザーを狂わせるため、戦闘機の後部に乗った魔術師による陽炎を周辺一帯に発生してもらっている。四十機の三交代でローテーションを組んでいるけど、攻撃が頻繁になり撃墜される機体もでてきた。
「一体いつまで続くのよ~。バカスカ、 バカスカ撃って来て、ほんと頭にくるわね!」
「前方の山で休憩できるから、ウィッチアももう少し頑張ってよ」
先行した戦闘機が着陸できる山間を見つけている。一旦休憩を取らないと物資を運んでいる爆撃機が撃墜されかねない。
「よし、みんな。あの山影に退避するよ」
軌道ステーションは地平線から三十度上空にあるけど、ここなら山の陰に隠れて直接攻撃する事はできない。無事着陸して、やっと落ち着くことができた。
「リビティナ様。空へと向かう柱がここからでも見えますね」
休憩場所から少し離れた所でティーアが望遠鏡を覗き込んでいる。そそり立つ白く光る四本のメインシャフトを確認しているようだ。
「上空のステーションも見えるかい」
「ちょっとお待ちください……最大望遠にしますね。あっ、ありました」
丸く光るステーションを目視で確認できた。太陽の位置からするとここから千キロ程南に行けば赤道。メインシャフトの地上部に到達できる。
「そのメインシャフトを壊せば、ステーションが落ちてくるんですか?」
「いいや。多少安定性はなくなるだろうけど、同じ位置でこの星を回り続けるよ」
軌道ステーションはその先の静止軌道にある、アンカー衛星に吊り下げられている状態だからね。あの女の企みを阻止するためには軌道ステーションを何とかしないといけないんだけど……。
ティーアには、ステーションの位置を正確に測定してもらうように頼んでおいて、ネイトスのいる作戦本部へ向かう。
「今パイロット達には休憩を取ってもらっています。明日には出発できるでしょう」
「メインシャフトから二十キロの位置まで進みたいんだけどね」
長距離弾道ミサイルをステーションに当てるためにはその辺りまで行く必要がある。
爆撃機の速度でここから約五時間、あの空からの攻撃に耐え続けないといけない。少し厳しいかもしれないね。
「回避行動を取りつつ、低空を飛んで近づくしかありませんな」
「メインシャフト自体にも防御兵器が装備されているはずだからね。上空と正面、両方の攻撃を躱しながらになるね」
近づけば近づくほど攻撃が激しくなるのは確実だ。
「この先に高い山があると地図には示されていますが」
赤道の手前、五十キロの位置に標高五千メートル級の山がある。でもそこまで近づくと、ステーションは真上ぐらいにあって山を盾にする事もできない。
「でも、ステーション攻略のための橋頭堡は必要になる。山の麓に前線基地を作りたいところだね」
洞窟のような横穴でもあれば、ステーションからの攻撃を防げるんだけど……。何とかならないか考えていたら見張り役が大声を上げる。
「後方より、何か巨大な物体がこちらに向かって飛んで来ます!!」
「後方だって!!」
前方のステーションじゃなくて、北側から敵! これはまずいぞ。
リビティナが慌てて双眼鏡で確かめて愕然とした。二足歩行の人型機動兵器がフライボードに乗って飛んでいるじゃないか!
「なんであんな物がこの世界にあるんだよ!!」
挟み撃ちにするつもりで、空のあの女が送り込んできたのか!?
いや、違うようだ。上空のステーションから攻撃を受けている。フライボードを巧みに操りビームを躱しながらこちらに近づいて来た。
「リビティナよ、リビティナはおるか」
巨大スピーカーからなのか、音声でこちらに呼びかけてきた。その声には聞き覚えがある。
『お前は空の上にいた男の神様なのか!?』
魔力波を飛んでいる機動兵器に向かって放つ。
「ほう、このような方法で意思伝達するとはな。これより先はワレが護衛してやろう」
相変わらず上から目線の物言いだけど、若返ったかのように張のある声だ。爆撃機の駐機している山影に入り停止した。
「あの女は狂っておる。ワレを追放し空の管理者の座を奪いおった。リビティナよ、奴を倒すのならワレも共に戦ってやるぞ」
自称神というこの男、死んだと聞かされていたけど、生きて地上で反撃のチャンスをうかがっていたんだね。
『その機動兵器ならステーションを撃ち抜けるのかい』
十五メートルを超える巨大な人型のボディ。装甲が厚いのかマッチョな感じの姿だね。対レーザー用にミラーコートが施されていて、全身が七色に輝いている。その両肩には大型の砲塔が二門装備されていた。
「射程には入っておるが、砲門の連携が必要でな。簡単に打ち抜くことはできんのだ」
一方はビーム砲で、もう一方がレーザー砲のようだね。ミラーコートされたステーションの外壁をビームで破壊し、同じ場所をレーザー砲で二十秒間、正確に攻撃しないとダメージを与えられないらしい。単独で攻撃しても失敗する可能性が高く、リビティナ達に声を掛けてきたようだね。
でもこれが決戦兵器になる事は確実だ。展望が見えて来たよ。
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