85 / 107
第84話『第三階層:中退』
しおりを挟む
シンは目を覚ます。
第三階層、体育館。
担当講師はシャドウ。漆黒の団長。
授業部屋《クラスルーム》の特徴は何も無い。
遮蔽物のないただただ広いだけのフロア。
「よう、やっとお目覚めかァ?」
「……僕ぁッ……イヤだッ……」
「テメェの足りねぇ頭でもちったぁ理解できたかッ?」
「……恐怖、絶望、痛み……僕の聖なる心に刻まれた。汚されたッ!!」
「そりゃ、よかったなァ」
「だから、帰る」
「……はぁ?」
言っている意味が分からず反応が遅れる。
「僕ぁね。もう、帰る」
「……テメェナンつった?」
「はいはい! ギブアップ! 僕の、負けねッ!」
「……テメェ、自分で始めたことほっぽり出すつもりか?」
「とても勉強になりましたッッ! もう十分です! ありがとうございましたッ!!! もう二度と君たちにも、王都にも関わりませんッッッ! もうオシマイッ!! バイバイッ!!!」
「テメェ……ナニ逆ギレしてンだッ」
シンは子供のように癇癪を起こしキレている。
「めんごめんご! 僕がすべて悪かったですッ! もう、そういう事で良いよ。はいはい! 全部僕が、悪うございましたッ!! 改心したので二度と関わらないでネッ! ちゃんと謝罪したからねッ! ちゃんと許してねッ!!! キミも大人になろうね?! 思いやりとか人の基本だよ? 謝ったら、ノーサイド・ノーゲームッ! 恨みっこなし! スポーツマンシップで行こうネッ!!!」
「なにトチ狂ったこと言ってンだッ。許すわけねぇだろ」
「あー……イマ……取り込み中だから……ちょっと話しかけないで……くれるかなぁ……イマ、良いアイディアを思いついているところだからさぁ……僕ぁね、イマ、面白いことを考えてる最中なんでよね? イマは、新しいワクワクの構想のことで頭がイッパイだから、もう……話しかけて邪魔しないでねッ! 無視するからッ! イマ、僕は集中して新しい独創的なドキドキとワクワクをクリエイトしてる最中だからさッ! 決めた! ステルスゲームとスローライフを合わせた、略して、ステルスローライフッ!! 僕ぁ、ステルスローライフを始めるッ!!!」
「あぁン……?」
「このダンジョン出たらここから遠く離れた、田舎の村でスローライフして暮らす事に決めたッ! 冒険者シンの旅はオシマイッ! コレからの僕ぁね、田舎の村に住む優しき隣人シンだよ? だからとっととここから出してねッ! もう二度とお前たちにも王都にも関わらないからさッ! サイナラッ!!」
シャドウは知識や学問に精通している訳ではない。
だから……この状態を言葉ではうまく説明できない。
本能がシンを、見逃すなと告げている。
その場を逃げ切るために言っているようではない。
本気でコイツは二度と姿を現さないつもりだ。
「僕はね、心が優しくて繊細だからもう……こういう、残酷な事は、限界なんだよッ! 僕ぁねぇ……決めたよ。これからはスローライフの時代だよね。僕はね、毎週かかさず徹腕ダッシュ見てたほどのプロのスラーライフ男だからさ! 今日、ここで傷つけられた心と体の傷は、田舎の誰かを傷つけて発散する事にするよ。江戸の仇を長崎で討てッ! て言うでしょ? 僕にとっては、ココが江戸で、まだ見ぬ村が長崎! 僕はきっちり、仇を討つッ!!! 今日の痛みは、君たちとは一切関係のない田舎の女子供を、強姦したり、痛めつけて発散することにしたから! もう、君たちは、関係ないネッ! よかったねッ!!! バイバイッ!」
「……――させるかよッ」
第三階層、体育館。
担当講師はシャドウ。漆黒の団長。
授業部屋《クラスルーム》の特徴は何も無い。
遮蔽物のないただただ広いだけのフロア。
「よう、やっとお目覚めかァ?」
「……僕ぁッ……イヤだッ……」
「テメェの足りねぇ頭でもちったぁ理解できたかッ?」
「……恐怖、絶望、痛み……僕の聖なる心に刻まれた。汚されたッ!!」
「そりゃ、よかったなァ」
「だから、帰る」
「……はぁ?」
言っている意味が分からず反応が遅れる。
「僕ぁね。もう、帰る」
「……テメェナンつった?」
「はいはい! ギブアップ! 僕の、負けねッ!」
「……テメェ、自分で始めたことほっぽり出すつもりか?」
「とても勉強になりましたッッ! もう十分です! ありがとうございましたッ!!! もう二度と君たちにも、王都にも関わりませんッッッ! もうオシマイッ!! バイバイッ!!!」
「テメェ……ナニ逆ギレしてンだッ」
シンは子供のように癇癪を起こしキレている。
「めんごめんご! 僕がすべて悪かったですッ! もう、そういう事で良いよ。はいはい! 全部僕が、悪うございましたッ!! 改心したので二度と関わらないでネッ! ちゃんと謝罪したからねッ! ちゃんと許してねッ!!! キミも大人になろうね?! 思いやりとか人の基本だよ? 謝ったら、ノーサイド・ノーゲームッ! 恨みっこなし! スポーツマンシップで行こうネッ!!!」
「なにトチ狂ったこと言ってンだッ。許すわけねぇだろ」
「あー……イマ……取り込み中だから……ちょっと話しかけないで……くれるかなぁ……イマ、良いアイディアを思いついているところだからさぁ……僕ぁね、イマ、面白いことを考えてる最中なんでよね? イマは、新しいワクワクの構想のことで頭がイッパイだから、もう……話しかけて邪魔しないでねッ! 無視するからッ! イマ、僕は集中して新しい独創的なドキドキとワクワクをクリエイトしてる最中だからさッ! 決めた! ステルスゲームとスローライフを合わせた、略して、ステルスローライフッ!! 僕ぁ、ステルスローライフを始めるッ!!!」
「あぁン……?」
「このダンジョン出たらここから遠く離れた、田舎の村でスローライフして暮らす事に決めたッ! 冒険者シンの旅はオシマイッ! コレからの僕ぁね、田舎の村に住む優しき隣人シンだよ? だからとっととここから出してねッ! もう二度とお前たちにも王都にも関わらないからさッ! サイナラッ!!」
シャドウは知識や学問に精通している訳ではない。
だから……この状態を言葉ではうまく説明できない。
本能がシンを、見逃すなと告げている。
その場を逃げ切るために言っているようではない。
本気でコイツは二度と姿を現さないつもりだ。
「僕はね、心が優しくて繊細だからもう……こういう、残酷な事は、限界なんだよッ! 僕ぁねぇ……決めたよ。これからはスローライフの時代だよね。僕はね、毎週かかさず徹腕ダッシュ見てたほどのプロのスラーライフ男だからさ! 今日、ここで傷つけられた心と体の傷は、田舎の誰かを傷つけて発散する事にするよ。江戸の仇を長崎で討てッ! て言うでしょ? 僕にとっては、ココが江戸で、まだ見ぬ村が長崎! 僕はきっちり、仇を討つッ!!! 今日の痛みは、君たちとは一切関係のない田舎の女子供を、強姦したり、痛めつけて発散することにしたから! もう、君たちは、関係ないネッ! よかったねッ!!! バイバイッ!」
「……――させるかよッ」
0
お気に入りに追加
138
あなたにおすすめの小説
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
本当の仲間ではないと勇者パーティから追放されたので、銀髪ケモミミ美少女と異世界でスローライフします。
なつめ猫
ファンタジー
田中一馬は、40歳のIT会社の社員として働いていた。
しかし、異世界ガルドランドに魔王を倒す勇者として召喚されてしまい容姿が17歳まで若返ってしまう。
探しにきた兵士に連れられ王城で、同郷の人間とパーティを組むことになる。
だが【勇者】の称号を持っていなかった一馬は、お荷物扱いにされてしまう。
――ただアイテムボックスのスキルを持っていた事もあり勇者パーティの荷物持ちでパーティに参加することになるが……。
Sランク冒険者となった事で、田中一馬は仲間に殺されかける。
Sランク冒険者に与えられるアイテムボックスの袋。
それを手に入れるまで田中一馬は利用されていたのだった。
失意の内に意識を失った一馬の脳裏に
――チュートリアルが完了しました。
と、いうシステムメッセージが流れる。
それは、田中一馬が40歳まで独身のまま人生の半分を注ぎこんで鍛え上げたアルドガルド・オンラインの最強セーブデータを手に入れた瞬間であった!
隠しスキルを手に入れた俺のうぬ惚れ人生
紅柄ねこ(Bengara Neko)
ファンタジー
【更新をやめております。外部URLの作品3章から読み直していただければ一応完結までお読みいただけます】
https://ncode.syosetu.com/n1436fa/
アウロス暦1280年、この世界は大きな二つの勢力に分かれこの後20年に渡る長き戦の時代へと移っていった
リチャード=アウロス国王率いる王国騎士団、周辺の多種族を率いて大帝国を名乗っていた帝国軍
長き戦は、皇帝ジークフリードが崩御されたことにより決着がつき
後に帝国に組していた複数の種族がその種を絶やすことになっていった
アウロス暦1400年、長き戦から100年の月日が流れ
世界はサルヴァン=アウロス国王に統治され、魔物達の闊歩するこの世界は複数のダンジョンと冒険者ギルドによって均衡が保たれていた
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
転生貴族の異世界無双生活
guju
ファンタジー
神の手違いで死んでしまったと、突如知らされる主人公。
彼は、神から貰った力で生きていくものの、そうそう幸せは続かない。
その世界でできる色々な出来事が、主人公をどう変えて行くのか!
ハーレム弱めです。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
世界最強の勇者は伯爵家の三男に転生し、落ちこぼれと疎まれるが、無自覚に無双する
平山和人
ファンタジー
世界最強の勇者と称えられる勇者アベルは、新たな人生を歩むべく今の人生を捨て、伯爵家の三男に転生する。
しかしアベルは忌み子と疎まれており、優秀な双子の兄たちと比べられ、学校や屋敷の人たちからは落ちこぼれと蔑まれる散々な日々を送っていた。
だが、彼らは知らなかったアベルが最強の勇者であり、自分たちとは遥かにレベルが違うから真の実力がわからないことに。
そんなことも知らずにアベルは自覚なく最強の力を振るい、世界中を驚かせるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる