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 そう璃玖が言うと、相良は顔を引き攣らせて明らかに動揺した。

「えっ? 神山は……聖が好きなのか? だってお前、堂島のことが……。あっ……」

 まるで、聖を取られてしまうことに焦っているかのように聞こえると自分で気が付いた相良は、思わず口元に手を当て視線を逸らした。

「相良先生、認めたらどうですか? 僕に取られるって焦るくらい……聖さんが好きなんですよね?」

「別に、俺は聖のことなんて……」

「相良先生は一体何に怖がっているんですか?」

「俺は怖がってなんか……」

「僕には、聖さんを好きだと認めることを怖がっているようにしか見えないです。一体どうしてなんですか?」

「……」

「相良先生……。榛名さんは……相良先生の本当の気持ちに最初から気が付いていたと思いますよ」

「えっ?」

「榛名さんが奪ってしまったって言っていたのは、ユニットの相手じゃなくて、結ばれるはずだった人を奪ってしまったって意味なんですよ……」

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