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「利用……」
璃玖はしていないと言いかけたが、また言葉に詰まってしまう。
聖がフォトスタジオで璃玖に気付かせてくれた出来事が聖を利用したことになるのではと思い、言葉が出てこなかった。
「もし聖を利用するだけなら、俺は絶対に許さない。これ以上聖に近づけさせない。どうなんだ?」
「僕は……」
璃玖は一度言葉を飲み込むが、何かを決心したように深呼吸をして、隼人の目を真っ直ぐ見つめた。
「ごめんなさい、詳しくは言えないんです。でも……」
隼人に嘘や誤魔化しをしたくなかった璃玖は、今言えることを隼人に伝えた。
「僕、どうしても譲れない場所があるんです」
「譲れない場所?」
「聖さんが相良先生の隣にいたかったように、僕も隣に立っていたい人がいるんです。でも、今の僕には手に入れることができないから、それで聖さんが声を掛けてくれたんです」
「聖がか?」
「はい。だから僕もお返しに……なれるかどうかわからないですが、聖さんの役に立とうと思っています」
「役にね……。ったく、二人揃って俺には詳しく教えてくれないわけね」
「えっ? 二人って?」
「璃玖と聖だよ。あいつも、なーんも話してくれないんだ」
「それは……。きっと僕が内緒にしてくださいとお願いしたからで……。聖さんは悪くないんです!」
璃玖は必死に隼人に訴えかける。
「わかったよ。お前たちが何をしようとしているかは知らないけど、いつかは教えてくれよな。あと、手伝えることがあれば言えよ」
「……! はいっ! ありがとうございます、隼人さん!」
「そうとなると……。榛名さんのこと、俺よりもよく知っている人に会わせててやるよ」
隼人はスマホを取り出して立ち上がると、どこかに電話をかけ始めた。
璃玖はしていないと言いかけたが、また言葉に詰まってしまう。
聖がフォトスタジオで璃玖に気付かせてくれた出来事が聖を利用したことになるのではと思い、言葉が出てこなかった。
「もし聖を利用するだけなら、俺は絶対に許さない。これ以上聖に近づけさせない。どうなんだ?」
「僕は……」
璃玖は一度言葉を飲み込むが、何かを決心したように深呼吸をして、隼人の目を真っ直ぐ見つめた。
「ごめんなさい、詳しくは言えないんです。でも……」
隼人に嘘や誤魔化しをしたくなかった璃玖は、今言えることを隼人に伝えた。
「僕、どうしても譲れない場所があるんです」
「譲れない場所?」
「聖さんが相良先生の隣にいたかったように、僕も隣に立っていたい人がいるんです。でも、今の僕には手に入れることができないから、それで聖さんが声を掛けてくれたんです」
「聖がか?」
「はい。だから僕もお返しに……なれるかどうかわからないですが、聖さんの役に立とうと思っています」
「役にね……。ったく、二人揃って俺には詳しく教えてくれないわけね」
「えっ? 二人って?」
「璃玖と聖だよ。あいつも、なーんも話してくれないんだ」
「それは……。きっと僕が内緒にしてくださいとお願いしたからで……。聖さんは悪くないんです!」
璃玖は必死に隼人に訴えかける。
「わかったよ。お前たちが何をしようとしているかは知らないけど、いつかは教えてくれよな。あと、手伝えることがあれば言えよ」
「……! はいっ! ありがとうございます、隼人さん!」
「そうとなると……。榛名さんのこと、俺よりもよく知っている人に会わせててやるよ」
隼人はスマホを取り出して立ち上がると、どこかに電話をかけ始めた。
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