63 / 179
22-5
しおりを挟む
そのままスタジオのカメラの前に置かれた、アンティークを思わせるデザインが特徴的なカウチソファーまで隼人は璃玖を担いでいくと、そっと璃玖を下ろし、ソファーに座らさせた。
カウチソファーには事前にセットされた照明が当てられていて、璃玖はその明るさでより自分の格好が鮮明にされた気がして、縮こまったまま俯いてしまう。
そんな璃玖をよそに、隼人はカメラのある位置まで下がり、璃玖の仕上がりを改めて確認する。
璃玖のシャツから見え隠れする白い肌は照明の明るさにより強調され、視線を逸らしつつ紅潮した顔とシャツの裾から見える細い足が、なんとも優艶な雰囲気を醸し出していた。
「うーん、俺のイメージ通り。しかし、生足いいな……。痛っ」
隼人が腕を組みながら顎に手を当てボソッと呟くと、聖に後ろから叩かれてしまう。
「バカなこと言ってないで、さっさと出て行け。お前は廊下で誰も来ないか見張り」
「えー! 俺、こんなに頑張ったのに見学もさせてもらえないのかよ」
「こんな璃玖君を見てて、お前が平常心でいられるとは思えないからね。お前の性癖に口を出すつもりけど、璃玖君は駄目だ」
「ちぇっ。まぁ、たしかに……この出来栄えなら否定はできないな。それじゃあ、必要な時は呼んでくれ。聖も璃玖に手を出すなよ」
「僕は出さないよ、絶対に」
「絶対……か。じゃあ、お前をそこまでさせる理由はなんだろうな」
「それは内緒」
「あっそ。けっ、この秘密主義め! じゃあ璃玖、またあとでな」
隼人は璃玖に声を掛けると、俯いていた璃玖は明らかに不安そうな顔で顔を上げた。
「えっ? 隼人さん、どこかにいっちゃうんですか」
「この撮影はどうやら極秘らしいからさー。俺は廊下で見張り役。じゃあ頑張れよー」
「そ、そんなっ」
そのまま隼人は聖と廊下への扉に向かって話しながら歩いていってしまう。
二人が扉の前に到着して何か話し込んでいるように璃玖から見えたが、程なく隼人は璃玖と聖を残して本当にスタジオから出て行ってしまった。
カウチソファーには事前にセットされた照明が当てられていて、璃玖はその明るさでより自分の格好が鮮明にされた気がして、縮こまったまま俯いてしまう。
そんな璃玖をよそに、隼人はカメラのある位置まで下がり、璃玖の仕上がりを改めて確認する。
璃玖のシャツから見え隠れする白い肌は照明の明るさにより強調され、視線を逸らしつつ紅潮した顔とシャツの裾から見える細い足が、なんとも優艶な雰囲気を醸し出していた。
「うーん、俺のイメージ通り。しかし、生足いいな……。痛っ」
隼人が腕を組みながら顎に手を当てボソッと呟くと、聖に後ろから叩かれてしまう。
「バカなこと言ってないで、さっさと出て行け。お前は廊下で誰も来ないか見張り」
「えー! 俺、こんなに頑張ったのに見学もさせてもらえないのかよ」
「こんな璃玖君を見てて、お前が平常心でいられるとは思えないからね。お前の性癖に口を出すつもりけど、璃玖君は駄目だ」
「ちぇっ。まぁ、たしかに……この出来栄えなら否定はできないな。それじゃあ、必要な時は呼んでくれ。聖も璃玖に手を出すなよ」
「僕は出さないよ、絶対に」
「絶対……か。じゃあ、お前をそこまでさせる理由はなんだろうな」
「それは内緒」
「あっそ。けっ、この秘密主義め! じゃあ璃玖、またあとでな」
隼人は璃玖に声を掛けると、俯いていた璃玖は明らかに不安そうな顔で顔を上げた。
「えっ? 隼人さん、どこかにいっちゃうんですか」
「この撮影はどうやら極秘らしいからさー。俺は廊下で見張り役。じゃあ頑張れよー」
「そ、そんなっ」
そのまま隼人は聖と廊下への扉に向かって話しながら歩いていってしまう。
二人が扉の前に到着して何か話し込んでいるように璃玖から見えたが、程なく隼人は璃玖と聖を残して本当にスタジオから出て行ってしまった。
0
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説
ハッピーエンド
藤美りゅう
BL
恋心を抱いた人には、彼女がいましたーー。
レンタルショップ『MIMIYA』でアルバイトをする三上凛は、週末の夜に来るカップルの彼氏、堺智樹に恋心を抱いていた。
ある日、凛はそのカップルが雨の中喧嘩をするのを偶然目撃してしまい、雨が降りしきる中、帰れず立ち尽くしている智樹に自分の傘を貸してやる。
それから二人の距離は縮まろうとしていたが、一本のある映画が、凛の心にブレーキをかけてしまう。
※ 他サイトでコンテスト用に執筆した作品です。
誰よりも愛してるあなたのために
R(アール)
BL
公爵家の3男であるフィルは体にある痣のせいで生まれたときから家族に疎まれていた…。
ある日突然そんなフィルに騎士副団長ギルとの結婚話が舞い込む。
前に一度だけ会ったことがあり、彼だけが自分に優しくしてくれた。そのためフィルは嬉しく思っていた。
だが、彼との結婚生活初日に言われてしまったのだ。
「君と結婚したのは断れなかったからだ。好きにしていろ。俺には構うな」
それでも彼から愛される日を夢見ていたが、最後には殺害されてしまう。しかし、起きたら時間が巻き戻っていた!
すれ違いBLです。
ハッピーエンド保証!
初めて話を書くので、至らない点もあるとは思いますがよろしくお願いします。
(誤字脱字や話にズレがあってもまあ初心者だからなと温かい目で見ていただけると助かります)
11月9日~毎日21時更新。ストックが溜まったら毎日2話更新していきたいと思います。
※…このマークは少しでもエッチなシーンがあるときにつけます。
自衛お願いします。
ふしだらオメガ王子の嫁入り
金剛@キット
BL
初恋の騎士の気を引くために、ふしだらなフリをして、嫁ぎ先が無くなったペルデルセ王子Ωは、10番目の側妃として、隣国へ嫁ぐコトが決まった。孤独が染みる冷たい後宮で、王子は何を思い生きるのか?
お話に都合の良い、ユルユル設定のオメガバースです。
運命の番と別れる方法
ivy
BL
運命の番と一緒に暮らす大学生の三葉。
けれどその相手はだらしなくどうしょうもないクズ男。
浮気され、開き直る相手に三葉は別れを決意するが番ってしまった相手とどうすれば別れられるのか悩む。
そんな時にとんでもない事件が起こり・・。
僕の追憶と運命の人-【消えない思い】スピンオフ
樹木緑
BL
【消えない思い】スピンオフ ーオメガバース
ーあの日の記憶がいつまでも僕を追いかけるー
消えない思いをまだ読んでおられない方は 、
続きではありませんが、消えない思いから読むことをお勧めします。
消えない思いで何時も番の居るΩに恋をしていた矢野浩二が
高校の後輩に初めての本気の恋をしてその恋に破れ、
それでもあきらめきれない中で、 自分の運命の番を探し求めるお話。
消えない思いに比べると、
更新はゆっくりになると思いますが、
またまた宜しくお願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる