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10 モンスからの疑問

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 それはモンスからの当然の質問だった。

「そもそも、絵が上手いのか?」

 曰く、いくら道具があっても使う人の腕が無ければ意味がないだろう。

 モンスはそう言った。

「……えーと、判らない」
「判らないのか」

 だって、見せたことがないんだもの。

「まあ、俺も絵に詳しいわけじゃないからな。一度持ってこい」
「分かった」
「あと、出来れば大きい奴だぞ。あんな手のなかに収まるサイズじゃダメだ」
「なんで?」
「見にくいだろう」

 老眼のお爺ちゃんみたいな発言だと一瞬思った。

 まあ、モンスの結構なお歳らしいし、間違っていないのかも。

「分かった。じゃあ、大きめに書いて持ってくるよ」
「おう。上手かったら俺が買ってやるよ」
「え、本当!?」
「おお。本当だとも。上手かったらな」

 やったぜ!

 7歳にして自分でお金を稼ぐチャンスが来るとは!

 かなり燃えてきたぞ!

 あ、でも……。

「作るのに時間がかかるかもしれないけど、いい?」
「別に構わんぞ」
「うん。分かった」

 これで催促されることはないだろう。とはいえ、早い方が越したことはない。

 後で忘れたー、と言われるのはだけは避けないと。

 どんな絵を描こうかなー。
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