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40話 冬の章2② 〜ルカくんは性格が悪いので友達とかいなかったです、だから他人との距離感の取り方がポンコツだよ〜

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その日、ルカの機嫌はとても悪かった。

年中春風がS級酪農品をその価格で売るな、業界を破滅させる気かと怒られている商会ギルドだが、
(ちなみに春風は価格破壊をしているつもりなど毛頭無い、知らない間に春風への好感度と一緒に酪農品の品質を上げることのできる面白異世界生物の尾長くんや牛くんが悪いのだ)
それでも王国の管理下だった敷地でいきなり牧場経営を始め、1年ほどで伝説の酪農品を量産している凄腕牧場主である春風へのギルドの面々の言動はまだ可愛いもので、
例えば年中よそ様を煽り散らかしている嫌な金持ちのルカの嫌われっぷり、ネチネチ言われっぷりはものすごかった。


「はぁ……困りますね、
 本日の集会は12:00からと言っていたでしょう、
 いくらお忙しい闇牧場のオーナー様とはいえ4時間も遅刻されると……へへ、
 それはもうとっくに話はまとまってしまっておりますのでね、はい」

「いただいた回覧板に夕方からと記載があったのですがぁ?
 満足に伝言ゲームもできないなら田舎に帰られてはいかがでしょう」

「回覧板……はてなんのことで?
 それにお隣の……わくもり牧場のオーナーにも同じ話が伝わっていた筈ですが、
 彼は朝一番集会場に来て待機していましたよ」

「それは彼が阿呆なだけでは?」

「まぁ……」

こんな感じに、まともに共有事項を回さない村八分まがいの扱いを受ける事も茶飯事だ。

(いつかこの一帯ダムにして沈めてやる……)



今日も憤慨したままギルドを後にしようとしたルカと、
別室でこってり無自覚価格破壊を叱られてから値上げの手続きを済ませた春風がこの日は偶然、ギルドの出口で邂逅した。

「あっ」

「おや」

気まずく見つめ合う2人、

(こんな顔、オーナーさんには見られたく無かったのですが)

ルカの方は特に、なんだか違う意味でももじもじ春風を見つめていた。


「ルカさん……」

「き、奇遇ですねえ!
 こんなところでしみったれた雑魚オーナーさんに会えるなんて……思いませんでしたぁ♡
 いやはや、『雑魚の集まる虫籠』もたまには覗いてみるものです!」

「えぇ……?」

ルカはこんなことをしているから嫌われるのだ、と言いたくなるような暴言をわざわざ吐き捨ててから春風と肩を組んでギルドを後にする、
巻き込まれた春風は訳もわからず、挙動不審のままルカに連行された。



それから数時間、立ち寄ったバーでルカが訥々と愚痴を吐くのをうんうん頷いて聞き、
「まだ……帰りたくないのですが♡」なんて酔った言い出したので指を絡めて手頃な宿屋にしけ込んだ、
春風は無自覚だったがこれはあまりに典型的な“どしたん?話聞こか?”の流れだ。


「ふふ♡普段、あまりこういう話はしないのですがぁ……」

正確にはルカがこういう話をすることはあまりどころか一切ない、何故なら性格が悪いので悩みを打ち明けられる友達も相手も居なかったからだ。

「すいませんオーナーさん、
あなた相手にはなんだか話しすぎてしまいました、酔ってるんですかねぇ♡」

「ドウデショウ」

それでも特に不自由なく生きて来たルカだったが、
こうして記憶にある限り始めて、自分の弱みを見せることの出来る相手にもたれかかり、ちゅう♡と頬に吸い付いて甘えてみると酷く心地いい。

(ワタクシ、結構甘えただったのでしょうか♡)

戸惑い、それを誤魔化すよう春風の胸元を撫でた。

「こんな気分……初めてなんですよ」

胸の中のなんだかきゅんきゅんする気持ちのまま、自分だけさっさとシャワーを浴びて火照った身体で春風を押し倒そうとしたが、春風は慌ててその肩を掴んだ。

「るるる、ルカさん、ちょっと待ってください、アッ、俺もシャワー、」

「オーナーさんはそのままでお構いなく。
 待ちきれませんので」

結局押し切られ、上に覆い被さったルカに唇をゆっくり重ねられる。

「……♡」

(なんだこれ!?)

ルカが先ほどまで機嫌の悪かった反動ですり♡と冷たく柔らかい頬を春風の胸につけ頬擦りし、
はむ♡と首筋を唇で食んで甘えてお誘いをしている下で、
春風はついこの間まで散々喧嘩を売られ、
この間何かの間違いで一回セックスをした相手にベタベタと甘えてメス媚びされているので、本当に意味がわからなくて挙動不審になっていた。

もはやハニートラップとかそういうのを疑いクローゼットの隙間から誰か覗いてたりしないか確認したほどだ。

「オーナーさん?何をキョロキョロしてるんですか?
 今は、ワタクシだけ見ている時間でしょう……?♡」

「あっはいすいません」

だが何を企んでいたとしても、ルカは悔しいほど顔が良い。

この世界準拠で見ても顔が良く、顔の良さでいくつかの危機を乗り越えて来たルカが、自分のスキルを悪用してとろ♡と甘えた視線を送って来ているのだ。

経験回数ばかり増えている恋愛童貞の春風がこの耳元で囁きながらすり♡と股間を繊細に指で撫でる動きに耐えられるわけがない。


ルカの指の下、むく♡と陰茎は硬くなり、ルカも同時に先日の行為を思い出して下半身でじわ♡と熱を溢れさせた。


「ん゛っ……♡」

観念した春風に唇を重ねて吸われ、ルカも嬉しくて、はむ♡はむ♡と唇を動かしてそれに応えた。

春風の手がルカの金髪を撫で、腰を抱き寄せるとそれ自体はささいな刺激の筈なのに、ぞくぞくルカの背中に電流のような快感が流れて下半身へ集まり、
ついへこ♡と腰を揺らして春風の股間へ押し当ててしまう。

自分だけがバスローブ姿で、露出した太ももを春風に擦り付けているのにもなんだか興奮してアナルがきゅんっ♡と深く収縮した。

「ふーっ゛♡うぶ♡っ゛♡」

事実乳首をかり♡かりっ♡と服越しにかかれ、眼球だけ上の方を向いてほとんど白目になって喘ぎ、
春風の舌をしゃぶりながら口元を下品に唾液まみれにして腰をへこへこ揺らしている姿は立派な淫乱メスにしか見えず、
ルカからすればこんな、キスだけでつま先を丸めて肉穴をぐぱぐぱさせてしまうほど気分が上がるのは春風相手だからこそなのだが、
残念なことに春風はそう言ったルカの心境には気づかず、
なぜルカとイチャイチャキスしながら下半身を擦り付けあっているのかわからなくて、ずっと内心首を傾げていた。

「ちょっと、オーナーさん!♡」

「えっ、はい」

「っ♡あ゛っ♡あ゛っ♡まって♡♡っ、ぉ♡こ、これイヤですっ♡あっ♡こんな、っ♡恥ずかしい♡」

春風の上で潰れたカエルのように大股を開いたポーズでうつ伏せに寝転がされ、
小ぶりな尻をむち♡むち♡と揉みながら陰茎を重ねて下から腰を打ち付けられる。

ほとんどはだけてぷり♡と露出した尻を直に揉まれ、アナルの縁をくち♡くち♡と指でかかれてぷぴぷぴと発情おまんこから腸液を垂らしてしまっているのはもちろんのこと、
ゆさ♡と突き上げられるような振動がルカの気分を昂らせ、
腹の奥をぽかぽかと温かく発情させていった。

「はぁ……♡」

しまいに自らへこへこと情けなく腰を振り、布越しに春風に尻を打ち付け擬似挿入の動きだけで、ぴゅ♡ぴゅ♡と精子を飛ばしてしまう。

疲れた身体で春風の隣に寝転がっていると、イキたての敏感ちんぽと取り出した春風の陰茎を重ね、
手のひらでくちくちと2本まとめて扱かれてしまった。

「おぉ゛~……っ!?♡」

一瞬、くすぐったいような息苦しい感覚がして、
その後すぐにまた下半身がじくじくと疼いて睾丸から何かが迫り上がるよう脈打ち苦しくなる。

春風の硬い陰茎で裏筋をにゅる♡と掻いて亀頭を押しつぶされ、
枕に真っ赤な顔を埋めて悶えながら勢いよく潮を噴射し、
雄失格の敗北アクメを迎えるまでそう時間はかからなかった。

(顔見えない方がエロいな……)

「お゛っ♡お゛っ♡おーなーさっ、っ♡ゆるじでっ♡おっ♡ちんこ壊れる♡っ♡♡ばかになう♡♡っ♡」

せっかくの美形が隠れる代わりに真っ赤になった耳たぶや、無理やり顔を枕に埋めているせいで首筋に筋がくっきり浮いているのがよく見える。

恥ずかしげもなくイって、潮をぴゅ♡ぴゅっ♡噴いている竿をそれでもまだ扱くとルカは顔が見えないまま腕を伸ばして竿を掴んだ春風の手を握り、弱々しく爪で引っ掻いて抵抗した。

「すいません、けど、ルカさんめちゃくちゃエロくて……」

「っ!?♡ゔぅ~~~っ♡♡♡」

普段、あれだけ態度の尊大なルカから漏れたメス声と情けない抵抗に春風は興奮し、ルカを仰向けにすると両手首を押さえつけ、
ぷく♡と男にしては目立つデカ乳首とふっくら乳輪に齧り付いて歯で乳首を固定し、
ちゅぱちゅぱ先端を吸い上げ、ぴこぴこと逃げられなくなった乳首を舌で弾いてルカを追い詰める。

「お゛っ♡ふーっ♡ふーっ♡……おっ♡なーさんっ♡♡
 い、いちどそれ、辞めま……ほぉおっ♡やめましょっか♡♡っ♡ふっ♡♡♡
 は、ずかしいですよ♡っんな、ん゛ひっ♡♡胸ちゅう♡って、吸わ゛っ、お゛っ♡ん゛ぉお゛っ♡♡♡
 がまんでき、っおぉお♡♡♡」

以前、ねっとりと終日ルカの乳首をいじめて、こんな吸われるだけで仰け反ってアクメ必須の恥ずかしいマゾ乳首にした張本人手ずからに、丁寧に乳首をしゃぶって唇で扱き、
こりこり♡と芯のある肥大化したそれの先端をくちゅくちゅ舌で掻かれて、ルカの腰は持ち上がり、背を逸らしたままえぐえぐと泣いて潮を漏らす。

酔いのせいか、いつもより素直に快感を受け取ってしまう身体はちゅぱちゅぱと春風の口内で乳首を転がされる刺激をしっかりと下半身に快感として届け、
触れられていないもう片方の乳首すら、ちく♡ちく♡と疼いて春風の舌を期待し、
服が当たる些細な刺激にもじわ……♡と陰茎からカウパーを溢れさせた。

「あ゛……♡あ゛ぁ……っ♡はっ♡」

ちゅぱっ♡と勢いよく唇が離れ、赤く腫れじんじんと熱を持った右乳首を指で転がす代わりに、
寂しく勃起していた左乳首にも期待通り舌が近づいてルカは先ほどまでの乳首アクメを想像し、ぐ♡と唇を噛んで人知れず身震いする、
こんなに限界が近いマゾ乳首で、もう一度さっきの舌技を味わわされるのかと思うと、絶望感と興奮で力無く足を放り出した中央でぷしっ♡と潮を漏らして涙目になった。

唇がゆっくり迫ってくると怖気付き、無意識に逃げようと身じろぎしたが、
足を開かされ、ちゅぱ……♡とねっとり、アナルに陰茎の先端だけを咥えさせられ、
ちゅむ♡ちゅむ♡と疼いたアナルが竿に吸い付いて歓迎している中では、ただただ怯えながら乳首アクメを覚悟するしか出来なかった。

「……っ、お゛っ♡お゛ぉほっ♡♡ちくび、
 ~~~っ、イきま、……っ♡♡イった♡ん゛ぉ゛♡♡♡もっ、いきました、からぁっ♡はぁっ♡あ゛っ!?♡♡♡また、んぉ……、っ♡
 これ、キツ……っ、ゆるし、っ♡♡ん゛ほぉ♡ゆるじでっ♡はぁっ♡あ゛っ♡♡♡~~~っ♡♡♡」

最初はちゅ♡ちゅ♡と先端を尖らせた唇で強目に吸われ、その時点でルカは白めになり腰を浮かせてきゅうきゅうと竿を咥え込んで奥までメス穴を収縮させるほど発情していたのに、
一度ちゅぱ♡と唇が離れた後、中途半端な刺激で一層びん♡といきり勃った乳首を唇が覆って舌でべろべろと潰して上下に叩いてくる。

当然、肉襞をうねうねと蠢かせ発情した下半身にはルカの下品なおほ声に興奮し怒張した陰茎がぶぽっ♡と乱暴にねじ込まれ、
ギリギリまで引いてはもう一度べちんっ♡と奥に押し付け何度もハメられていて、
ルカは赤い顔で泣きながら喚き、とろとろ射精したり、メスイキして陰茎を萎えさせたり乳首アクメで鼻の下を伸ばして忙しくアクメした。

「お゛ぉ゛お゛お゛♡♡♡」

ぶぽっ♡ぶぽっ♡と熟れたアナルを掘削され、
同時に平らな胸を無理やりむにむにと皮を集めて揉んで乳首を強く引っ張られ、
声を取り繕うことすらできず潮がじょろじょろと垂れ流しながらルカは仰け反り、きゅう♡とメス穴を蹂躙する陰茎を締め付けた。

「ん゛ぉお゛お゛っ♡♡♡っ、しょれ゛っ♡おほっ♡
 それやめ゛っ、でぇっ♡♡ぉ…っ♡おぉっ♡♡♡ここ、ぐりぐりいや゛っ♡はぁ゛ーっ♡はー……っ♡
 ……あ゛っ!?♡だ、から゛ぁっ!♡お゛おお゛お゛っ♡♡そこっ♡ぐりぐりするの、やめ゛ろ゛っで♡……っ♡~~~ゔー……っ♡♡んぉっ♡♡♡」

「ルカさん、前も奥のところこうやってぐりぐりしたらずっとイってましたよね、
 これ好きなんですか?」

「っ!?♡♡ちがっ♡……全然、すきな、……あ゛っ♡
 ごめ、ぉっ♡ごめんなさいっ♡♡ごめんなさい!すき♡♡♡お゛ー…っ♡お゛っ♡♡
 奥♡じゅぽっ♡じゅぽっ♡て、あ゛っ♡あ゛っ♡ハメハメされる、のだいしゅき、れすっ♡
 ……っ、お゛、イぎましゅっ♡♡♡
 はぁっ……、っ♡すき、らけどっ♡♡♡イキすぎて、ちゅら゛っ♡♡ん゛ぉっ♡♡つらいのでぇ…っ!♡♡♡
 ち、ちんこ♡手加減し、っ♡してくらさ、おぉ゛お゛お♡っ♡おぉっ♡♡♡」

ルカは特に、くったり萎えたクリちんぽをちゅこちゅこ指先で上下に弄られ、
肉穴をきゅうう♡と狭めている状態で奥を重点的に亀頭でこねこね♡突き上げられるのに弱いようで、
カリがぞり♡と奥の肉を抉るたびに泣きながら普段ではとても聴くことのできないメス声と共に潮を噴いて春風をきっ!と睨みつけたが、
生意気な態度への制裁に乳首を弾かれ、間抜けに開いた唇を塞いだ状態で上から強くぱんぱんと腰を打ち付けられる、
激しいキスハメを施されるととろん♡と目にハートマークを浮かべて身体が雄に媚びてしまい、
より深く肉穴をほじってもらえるようかっぱり両足を開いて春風に完全服従してしまう。

「ん゛っ♡んぶっ♡ふぎゅっ♡♡♡」

これまで数多の危機を顔の良さで乗り越えてきたルカとしては、
大体可愛らしく喘いだり、負けを認めて情けなく振る舞えば許してもらえていたのに、
こんなに本気の低いおほ声で鳴いてぶぽっ♡ぶぽっ♡とアナルを掘削されてもまだ許してもらえず責められるとどうすれば良いのかわからず、
ただ指を絡めてイチャイチャするキスハメ交尾に屈し、無力にイキ続ける事しか出来ない、

「お゛ぉお……っ♡ぐっ♡ぉ、っ……!出て、……っんぉ!?♡熱っつぅ……♡♡♡」

こうして完全にちんぽに屈した身体に、また勢いよくどろどろの精液を注がれ、
先ほどまでのぐぽぐぽと肉襞中を抉るような力強い動きではなく、
精液を奥に注ぐためだけにちゅこ♡ちゅこ♡と結腸口を押し上げられルカは自分が今、マゾメスとして種づけされているんだと自覚してしまい、
ぴくぴく肉襞を痙攣させてアクメしながら春風にしがみついて精液をせがむ。


「ルカさん」

「……はい♡」

名前を呼ばれ、もう一度唇を重ねる。

竿が引き抜かれた途端、ごぽっ、と精液が逆流しゆっくり尻の谷間伝い落ちていく。

(いままで、「そういう相手」は不要かと思っていましたが……考え直しても良さそうですね♡)

その感触に弱々しく身震いしながらルカは微笑んだ。


ぽっかり開きっぱなしのアナルも、ナカでくちくちと泡立っている精子も、
大概雄として屈辱的な扱いを受けているはずなのに、春風とのセックスの結果だと思うと不思議と不快な気持ちにはならない。


むしろ頭も身体も気持ちよくて、腕を春風に巻きつけておかわりをねだってしまうほどだった。

====

数日後、

「へぐしっ」

「ちょっとオーナー、風邪ですか?
 可哀想……俺が温めます、俺に風邪をうつしてください。ほら。」

「待って牛くん早い、話が早すぎる」

冬の朝、牛くんとダラダラ喋りながら雪かきをしていると遠くからルカがやってきた。

女を三名ほど侍らせて。

「ルカさん」

「あーどうもしみったれ牧場のしみったれさん。

 ワタクシ、これからこちらの方々と、
 他にも人をたくさん呼んでパーティですので急いでるんですが……なにか御用ですかぁ?」

「いや別に」

「……あー!それともぉ♡
 どう……っしても、混ぜてほしいなら検討して差し上げま」
「風邪ひいてるんで大丈夫です」

パーティとかそんな、陽が集まってちちくり合うイベントが怖くて、
春風は食い気味に断ってしまった。

変な顔をして立ち去るルカを見送る中、牛くんに妙に甲斐甲斐しく頭を撫でられ春風はなんだったのかと首を傾げた。

====

「オーナー見てくれ」

「おーすごいな、素敵雪だるま」

「オーナーの事を考えて作った雪像だ」

「……お、おー!すごい!本物そっくり!」


さらに数日後、
犬くんが喜び庭駆け回り、雪像を作るのを観察していると、突然犬くんが何かを察知したよう顔を顰め春風の隣に座る。

それから少しして今日もルカがやって来た。
今日は男連れだ。

「おやぁ、これはこれは、雑魚チワワじゃないですかぁ」

「(どっちへの侮辱なんだ)
 ルカさんどうも」

ルカが腕を絡めている男は、冬だと言うのに健康的に日焼けした肌を多く露出する服を着て肉体美を誇示していて、
体型も、その自信のありそうにギラギラした目も春風とは大違いだ。

(営業の堺真田さんを思い出すなぁ)

男の生気に満ちた目が怖くて、腐ったドブ川のような目をした春風がささっと目を逸らすと、ルカはふんっ、と含みたっぷりに鼻を鳴らした。

「なんですかぁ?その目は」

「見てないです」

「はー……♡まさか妬いてますぅ?
 あーあ、これだからモテない貧弱ネギは。
 一回、ちょー……っと遊んだくらいで恋人ヅラしないでください、迷惑ですのでぇ♡
 ま、まぁ?オーナーさんがどうしてもワタクシを独占したいと言うのなら」

「あ、大丈夫ですしてないです」

「帰れ」

ルカがドヤドヤと畳み掛けてくるがなんの話か分からなくて首を振る。

その味気ない態度と犬くんの追撃にルカは酷く怒ったようで顔を真っ赤にしてさっさと帰ってしまって、
取り残されたギラギラ男が気まずそうに帰り道を確認してきたので町まで送り返してやった。

====

さらにさらに数日後。

「しゃばぁ~(低音)
 恋は駆け引き~(高音)ままならない~(高音)」

尾長くんがまた心の不安定になる音程で熱唱しているのを聴いている隣、
ふらふらとやってきたルカがちょこんと腰掛け、
尾長くんの歌を聞いて静かにつぅ……と涙を溢してしまった。

「えっ?は?」

ルカは春風に意識してほしくて妬いてほしくて、色々頭の悪い行動をとってみたのに、
春風が思ったよりドライな返事ばかりするので胸に来てしまったのだ。

「る、ルカさん?」

「放っておいてくださいよぉ……」

「いやここ俺の敷地」


ぐすぐすと顔を膝下に埋め、三角座りで何か呻いているルカと困惑した春風。

(“響いて”しまった……)

それを見て、尾長くんは自分の歌がルカの心を揺さぶったと確信し、
ドクドク鼓動を高鳴らせ身震いしていた。
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