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4/11はイリアの誕生日でこれは4/11のお話なので誕生日回です ○

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起きがけ、昨晩どこかに出掛けていたらしいレインにおどろおどろしい何かを渡された。

「イリア、誕生日おめでとう」

「……これは」

「笛」

「笛」

手のひらに少し余るサイズの、笛だと渡されたザラザラのそれはなんらかの臓器に管を数本刺したような独特の見た目で、呪具だと言われた方が納得する。

塊から飛び出た管が吹き口のようだが若干離れた位置に3つついていて、
どういう形状の生き物が吹く前提の笛なのかすらわからない

「ここの装飾が珍しいから。
 イリアこういうの好きかなって」

「……うわっ」

指さされ笛に目を凝らすと、ザラザラの触り心地だと思っていた表面にはびっしりと模様が細かく掘られていた。

正確には模様ではなくどこかの文字のようなもの、
確かに物珍しいしすごい技術だが、この笛への抵抗感で鳥肌まで立ってきた。

「あ、イリアにはあまり魔力がないから大丈夫だと思うけれど、一応この笛は吹かないでね?
チーヤがヮンャペになると×××が来てダメになってしまうから」

「あ、あぁ、ありがとう」

聞いたことのない単語で何かが来て何かがダメになると言われ、
じっと真顔でこっちを見てくるレインには悪いがこの笛は引き戸の奥に封印しておこうと決意する。

「それじゃあ良い一日を」

「あぁ」

レインが自分の部屋へ入って行くのを見送り、もう一度笛の文字を見ると無性に頭の中に言葉が浮かび、
文字とその意味を理解できそうな気がしてきたのでなるべく手の中を見ないように部屋へ戻った。

====

「おはよう、イリア」

「もう昼前なんだがな」

それからしばらくして走り込みついでに村に入ってきそうな魔物を退治してから家に戻ると、
ようやく起きてきたらしいスノウが肩のあたりを見ながら近寄ってくる。

「…どうした」

「いや肩にゴミが
 ……けれど、うん、もう大丈夫だ、ちゃんと落ちた」

パタパタと手で払われとれたと笑いかけられたが、本当に払われたのはゴミなんだろうか。

心なし、今朝ずっと感じていた背後からの謎の視線が消えた。
いや、おそらく気にしても良いことがない。
もう忘れよう。

「ありがとう」

「そんなに改まらないでくれ。
 …そうだ、今日はイリアの誕生日だったよな」

スノウは視界の端で何かを踏み躙ると思い出したように鞄を漁り財布を取り出してから中を検め、

「お友達料」

「俺を『お友達』だと思うなら続きは絶対に言うな。
それをすると友人ではなくなる」

「……ありがとう」

阻止した。

何故かスノウはぐ、と込み上げてきたものを堪えて涙目で財布をしまい、
仕切り直しに後日何かプレゼントをしたいと言っていたのでさっきのやり取りは無かったことにする。

そのまま少し話して別れるとなぜかスノウもレインの部屋へ入って行ったのに首を傾げるが、
数日前から道具を集めて武器の手入れをしようとしていたことを思い出し俺も自分の部屋に戻った。

「元気?」

しばらくして、今度はにゅ、と部屋の中を覗き込んでくるレーヴェの気配を背中越しに感じた。

「なんだ」

「夜飲も」

「どこで」

「家」

「わかった」

承諾し振り返るとなぜかさっさと顔を引っ込めて消えて行く。

祝われているのに申し訳ないが、誰か1人くらいまともに誕生日を祝えるヤツは居ないのか不思議だった。

====

「この家もらった時、
地下室は酒蔵だったんだけどうっかり爆発させてさ、生き残ってたのがコイツらなんだよ」

「それでたまに地下室が酒臭いのか……」

レーヴェの部屋に招かれいつものように碌でもない話と一緒に酒を飲んでいるが、
湯水のように注がれる葡萄酒はラベルも味わいも、そんな雑な扱いをして良い代物には思えず心配になる。

俺の不安をよそにレーヴェはさっさと1本目を空けると首を傾げて2本目のコルクを乱暴に抜いていた。

「なんかめっちゃ良い酒らしいけど何が違うんだろうな、普段のと。
…あっ、やっぱり一緒に飲む相手がイリアだと普段の酒も特別に感じてたって事なのかな……」

「目配せやめろ」

乱暴に瓶を逆さまにして酒を注ぎながら変な声を出されても不快だ、
それに俺はきちんといつもより今日の酒を特別美味しいと感じている。

わざとらしくテーブルに肘をついてこっちをじろじろ見てくるのでデコピンすると額を摩りながら唇を尖らせていた。

「痛。……なにすんだよ、せっかくアンタがいつも悪酔いするから良い酒持ってきたのに」

「良い酒でもこのペースで飲めば酔うんじゃないのか?」

「酔うだろうな、それを見越して飲ませてるし」

ふひゃひゃ、と性根にお似合いの三下じみた笑いが聞こえたかと思うとレーヴェはそっと隣に座ってもたれかかってくる。

薄暗い中でいい加減見慣れた金髪が首に触れ気になって、頭を退けようとすると手を掴んで確かめるように指と指を絡められた。

「誕生日おめでとう」

「……」

手を握ったまま青い目がこっちを見て数度瞬きして、嬉しそうに細められる。

言葉を上手く返せず黙り込むと、それを肯定と受け取ったのか春先の少し冷えた指が手首から肘裏を伝って伸びてきて、
一緒に迫るように寄ってくるレーヴェの視線が唇に向いている事に気づいたので後頭部に手を回しくしゃ、と柔らかい髪を掴んで抱き寄せた。

触れるままに濡れた唇を受け入れると、柔らかい感触と熱くアルコールの香りのする舌が捩じ込まれ思考が痺れるように鈍る。

唇をぴちゃぴちゃ音を立てながら啄まれ、脇腹を撫でられる
のがくすぐったくて息を漏らしたら唇が離れくすくすと笑われた。

「露骨にビクッてした、脇腹弱いっけ?」

「手が、…冷えてたから驚いただけだ」

「そう?じゃあ続きしてもいいよな」

今度は体をぴったりと密着させ、お互いの体の熱を伝えながらまた指が体全体を弄る。

舌を何度も唇で食み、筋肉の形を確かめるように指が軽く肌を這って動き回っていて、
酔って火照った身体は徐々にその感触を痛痒い波のように感じ下半身に熱を溜めていった。

「イリア」

わざとらしい息遣いと一緒に低い声で名前を呼ばれ、熱い舌が喉仏のあたりを舐め上げる。

耳を撫でられるとぞわぞわと肌が粟立ったのでお返しにその腰を抱いて、
レーヴェと同じように脇腹を撫でると抱きついてきて、どさくさまぎれに俺の体を弄っていた手は服の中に侵入する。

興奮で固く尖る乳首を数回掠るよう指が弾き、俺の腰が跳ねるともっと直接的な刺激を与えようと人差し指と薬指で乳首を摘んで強調し、中指で転がし叩くように刺激してきた。

「絶対一つ歳取っておっぱいでっかくなったよな、てか体がデカい。あちこち硬いし」

「……悪いか」

胸を揉みながら腹の立つことを言われじろりと睨む。

「いや?かっこいいと思う」

これ以上余計な事でも言われたら張り倒して押し倒そうかと思ったが、案外素直に褒められて拍子抜けした。

次第にレーヴェの手は下半身に伸び、人のものを取り出すと竿を扱き始める、
先走りを手に馴染ませ、滑りよく陰茎を扱いていたかと思えば硬さを確かめると身を屈めて大きく口を開け、舌でそこを舐め上げる真似をしてきた。

「今日は誕生日だからいつもより優しくしてあげる」

「……っ」

意味はわかるが恩着せがましく言われたのが気に食わず顔を顰めたがレーヴェは気にした様子もなく、
人の足の間で身を屈めると一度ぬる、と根本から先端まで唾液をまぶして大きく舐め上げた。

敏感に張っている箇所を突然刺激され驚き、腰が跳ねたのをレーヴェは見逃さず、濡れた唇で亀頭に吸い付いた。

唇は亀頭を撫でるよう何度も動き、触れる面積を増やしていき、
ついにじゅぷじゅぷと唾液を溜めた熱い口内に、ものが包まれた。

「ぁ゛っ!?っ……、ぅっ」

頬を凹ませ綺麗な顔を歪め、何度も強く窄めた唇で陰茎全体を刺激され、徐々に耐えきれず声が絞り出される。

俺の反応を見てレーヴェは楽しそうに目を細めると一層顔を沈ませて深くモノを咥え込み、舌を蠢かせてべろべろと裏筋を擦った。
熱い口内に包まれ白む視界の中、足を閉じようとしてレーヴェの頭を両腿で挟むと最後に勿体ぶってゆっくりと強く吸いながら顔を上げ、ちゅぽ♡と言う音と一緒に口を離す。

「気持ちよかった?」

もう少しで出るような、刺すような快感を追いかけ腰が浮いていたのにレーヴェが顔を離し、
弾かれるように上を向きそそり立っている陰茎を軽く撫でながら俺の方を見てニヤニヤ笑っている。

唾液や先走りでドロドロに濡れた陰茎は滑り良くレーヴェの動きに合わせて脈打っている。

「……い、いちいち聞くな、鬱陶し……、お゛っ!?♡」

「絶対気持ちよかったくせに。ケツまんこまでピクピク指締めてきてんじゃん。
涎垂らして指ちんぽ食べてるな、美味しい?」

身体を起こしレーヴェは二本指を後孔へ突き立て、グリグリと指を曲げながら会陰の裏を押し上げてくる。

「お゛っ♡……っ、~~~っ♡お゛ぉ……っ!?♡」

身体の中から無理やり快感に直結する箇所を潰され、排泄や射精に似た刺激が延々と陰茎をめぐり視界がチカチカした。

「あ、今もっときゅってした。優しくされんのも好き?」

潰すように強くしこりを持ち上げていたかと思えば、指の腹で充血し腫れた箇所を撫でるだけに代わり、
緩急をつけて動く中で追い詰められていったがレーヴェも興奮しているようで、
腿に押し付けられるそれは硬く質量を持っていた。

「ぐっ♡ふぅ、……っ♡あ゛ぁ……っ」

「やっぱイリアみたいなガタイ良いのがケツ弄られて鳴いてんの見てると楽しいよな、
ほらもっと足開いて、指でいっぱいくちゅくちゅ♡って気持ちいいとこ擦ってあげるから」

乱暴に陰茎を掴まれ、身体の内外を刺激されると脱力していく。

地べたへ肘をつき膝を曲げて屈んだ、土下座にも似たポーズで尻を突き出してしまう事になり、
動きやすくなったレーヴェは嬉しそうにぐちょぐちょと下品な水音を立て指をしきりに動かしていた。

無意識に収縮する穴が指にしゃぶりつき、研磨される刺激で先走りが滴り床を汚している。

「お゛っ♡……~~~っ♡♡♡お゛ぉ……っ!?♡♡」

息が詰まり、屈辱感の中でも身が硬直して無意識につま先が伸びて内側へ丸まっていた。

イってしまったのだと理解し、咄嗟に自分の下半身を見るが想像しているような白濁の汚れはどこにもない。

状況が掴めず困惑していると指が引き抜かれたが、喪失感を覚える暇もなく後孔へ熱く張ったものがあてがわれ、
ぬるぬると具合を確かめるように浅く入っては下へスライドし睾丸を押してくる。

「メスイキしたところ悪いんだけどもう我慢できないしごめんね?
こんな穴くぱくぱさせてるし別にいいよな?」

「っ!?お゛っ♡……ま、て、まだ……っ、あ゛ぁっ♡♡♡」

二本指が穴を遊ぶように開閉させ、そんな微弱な刺激にも肌が粟立つ程刺激に弱くなっているのに、
こっちを労る様子もなく熱い塊はぐりぐりと肉襞を押し上げながら強引に奥まで割り行ってくる。

「お゛っ♡お゛ぉ……っ!?♡♡♡」

「やばい声」

自分でも困惑するような獣じみた声が腹から発せされ、それを揶揄われたが気にしている余裕はない。

無意識に爪で、快感から逃れるように床を掻いたが後孔はモノを受け入れた上により強い蹂躙を望んで、
肉襞のひとつひとつまで絡みつかせようと蠢き陰茎にしゃぶりついている。

レーヴェが腰を振るたびに密着した粘膜の間で振動した空気や液体がじゅぽじゅぽと耳を塞ぎたくなるような音がし、顔がかっと熱くなった。

「お゛っ♡がっ、あ゛っ♡♡♡レーヴェっ♡お゛っ、とま、へっ♡お゛ぉお゛お♡♡♡」

「巨乳揉まれてミルクまで出して気持ちいいね♡
 あ、俺も気持ちいいよ?」

ナカを掻かれる度に快感を覚え、物足りないと言わんばかりに肉を締めているのが自分でもわかる。
より俺に刺激を与えようと後ろから回された手は無遠慮に両胸を握って、胸筋を痛いくらいに揉んで乳首を伸ばしてきた。

じんじんと胸の先が熱かったが、敏感に尖り勃起した乳首を唾液で湿らせた指で今度は優しく撫でられると、
徐々にミルクが滲み出て、いつのまにか甘痒い刺激を受け入れてしまっていた。

「ふぅう……っ♡♡むね、さわる、な……っ♡お゛っ♡♡♡」

「なんで?こんな雌臭させてるし興奮してんのに?
 乳首摘まれてる方がイリアよく喘いでるよ?」

「だま、へっ♡お゛ぉお♡♡♡」

指は乳頭を転がすようにぷりぷりと動き回り、気がつけば突かれる度ミルクを漏らして床に水たまりを作っていて、
強引に引き出される快感で口を開けた尿道からだらしなく精液をこぼしているにもかかわらず身体は下半身の肉を締めて陰茎を接待していた。

俺の様子を眺めてレーヴェに笑いながら肩口を軽く噛まれ、腰を振る度使っていない自分の陰茎が腹に当たってべちべちと音を立てているのが滑稽で惨めな気分になる。

「~~~っ♡♡♡ふ、ぐぅう……っ、っ♡あ゛ぁっ……♡くっ、うぅっ♡」

「なんで声我慢してんの?今更なのに」

全身がレーヴェの行為を受け入れているのが悔しくて、せめてもの抵抗に声を出さないよう堪えたが、
意図も容易くそれを見透かされ耳を舐めながら優しく囁かれ、奥歯を噛み締める力が抜けていく。

「気持ちいいことしてるんだから喘いだほうがもっと気持ちいいよ?」

「っ♡ぐ、ぅう…っ♡は、ぁ……っ」

胸を弄っていた片手がまた陰茎にまわり、レーヴェが動くのに合わせてずりずりと竿を扱いてきた。

「ふー…っ、ぉ……っ♡おぉ……っ♡」

「ちんぽビクビクしてんじゃん。
我慢したら可哀想だよ?ほら、ちょっとだけ腰動かして、
一回だけちんぽ手に擦り付けて気持ちよくなろ?」

「……っ♡ふ、うぅ……っ♡」

「イリア」

名前を呼ばれ、耳の穴まで熱い舌が入ってぬるぬると動き回り音を立てている。

快感で反射的に目を閉じてしまい暗闇の中快感と卑猥な水音にだけ反応して、自分の声がうまく聞こえなくなった。

「ーーー」

レーヴェが何かを言っているがそれも聞こえないほどに耳鳴りがうるさい、
心臓の振動が全身に伝わり、肉穴を何度も熱い棒が出入りして全身が痺れていくのだけがわかる。

「お゛……っ!?♡あぁ゛ぁあっ♡♡♡」

もう一度音が戻ってきた時、最初に聞こえたのは自分の咆哮で、
それからすぐ後に床目掛けて粘着質な液体が跳ねる音、体内で熱い塊がどぷどぷと放たれた。

肉襞中に跳ね返り注がれたもので穴が満たされていくのを理解し、火傷し腹が煮えそうな熱さにすら思えたのに、
それを受け入れて俺のものからも噴水のように濃い精液が噴き出ている。

「……ぉ、れーべ、っ、まへ、……も、いい……♡っ」

「もうちょっとだけ頑張ろ?」

吐精のすぐ後、疲労で急激に全身の力が抜けていくが、
レーヴェは自分を落ち着けるためにか惰性でずるずると腰を動かし、ナカの液体をかき混ぜている。

口の端を唾液が垂れるのがわかったがこれ以上なにもする気になれず襲いくる眠気に身を任せると、
最後にレーヴェが満足そうに俺の顔を覗き込んでいるのが見えた。

その顔は口調の割に余裕がなさそうに興奮していて、なぜか「ならいいか」と納得しながら意識を手放した。


====

自分が誕生日に複雑な思いを抱いていた時期があったことを思い出す。

なにせこれだけ表情に乏しく、そんなに大はしゃぎする性質でもない。

誕生日を祝われるのはそれなりに嬉しかったが、祝ってくれた相手が期待したほど喜ぶことができず、
それを少し申し訳ないと思っていた、……ような気がする。

====


「……」

目を覚ますと体が重くて怠い。

さっきまでなにか昔の夢を見ていた気がするが、ぼやけた頭ではどんば内容だったのかすぐに忘れてしまった。

「イリア」

「……」

隣を見ると俺が動いたことで目を覚ましたのか隣で寝ていたレーヴェが手を伸ばして俺の髪をいじってきた。

声が枯れていてうまく言葉を発せないので瞬きで返事の代わりを無意識にすると頭を撫でられる。

「おめでとう」

指が触れる感触が心地いい。

俺が何を言おうが言いまいが、
気にせずまるで自分の誕生日のように自分勝手に笑っている顔は普段と同じく、
憎たらしい筈なのに、今日だけはそれを変に嬉しく思ってしまった。

「むぇ」

俺は一時の気の迷いを振り払うべくレーヴェの鼻をつまんで撃退すると、目を閉じてもう一度眠りの世界へ逃避した。
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